腕貫探偵 (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
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感想 : 174
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408550626

感想・レビュー・書評

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  • 西澤さんの推理は秀逸。
    殺人から日常のことまで話を聞くだけで謎が解けてしまう腕貫探偵。
    一番始めの主人公が憧れの女性とくっつくとは思わなかった。

  • いちいち出てくる人物の名前が難しい。笑
    腕貫探偵自体はサブキャラのような扱い。笑
    まぁ続きも気が向いたら読んでもいいかも。

  • どんなに目と鼻の先に置かれていても心身ともに健やかな者の視界には
    絶対に入ってこないというものがある。
    それが櫃洗市一般苦情係の”市民サーヴィス課臨時出張所”である。
    それはどこにでも現れる。
    不思議な張り紙と折り畳み式とおぼしき簡易机、
    それに座るひょろりと鉛筆みたいに細身の男性。
    むっつりとした表情に黒っぽいネクタイが如何にもお役所的に堅い感じ。
    机の上に置かれた両腕の肘まで黒い腕貫を嵌めている。
    後から顔を思い出そうとしても思い出せそうにない、そんな男が謎を解く。





    行動型の探偵とはちょっと違う。
    探偵よりも、アドバイザーに近い気もする。
    一般苦情係で個人的なお悩みに対応し
    相談者に推理した事柄を話したり鍵となるものを示したりするが
    最終的に謎を解くのは相談者本人である。
    いや・・・行動型探偵を思い浮かべながら読むとアドバイザーかもしれないが、
    安楽椅子探偵としてみれば、やはり探偵か。
    気になるのは、その推理はどこから来るのか?
    腕貫男の中の何から生まれてくるのだろうか?
    人生経験が豊富なのか、それとも相談を受けてきた経験からなのか?
    それと、この本の登場人物の名前が一風変わっている。
    耳慣れない名前に”えっと、何て読むんだっけ?”となってしまう。
    聞きなれないせいか、メモが必要でした。
    腕貫男の名前も解らない。
    持ちかけられる謎は、腕貫男と相談者が解いてくれるため、
    目下一番の謎はこの腕貫男に他ならない。

  • 相談役は時として探偵になるのである。

  • あんまり読んだこと無いタイプの探偵ものだった。
    探偵…探偵なのか??

    話数ごとに難題を抱えた主人公たちが、ふとした時に出会う、謎の市民センターからの出張サービス。どんな些細な相談でも乗りますとのことに、自らの身の上話を伝えると、そこから紐解かれる解決策。
    その出張サービス席に座る人こそ、腕貫探偵。
    しかし名前は誰も知らない。腕貫(袖が汚れないように事務員さんなどが着けている輪っか状の布)をつけているから、誰が読んだか腕貫探偵。

    お話自体は、結末綺麗な話ばかりでもなく、読みやすい感じ。個人的に、登場人物の名前が難しい漢字や読みばかりで、覚えられないのがほとんどだったなー。

  • 短編集でさくっと読める。
    さくっと読める割りにミステリー色がしっかりしていて、なおかつ綺麗にまとめられているように思う。
    それぞれの話が微妙にリンクしているのも面白い。
    毎回登場する腕貫をした公務員のミステリアスさに惹かれる。

    結論が曖昧にされていることで続きを自由に想像する楽しみもあり、
    久しぶりに読んでいてワクワクする本と出会った気がする。
    シリーズ化されているので、他の作品も読んでみたい。

  • 大学に、病院に、警察署に…突如現れる「市民サーヴィス課臨時出張所」。そこに座る年齢不詳の奇妙な男に、さまざまな人が悩みを打ち明けます。

    毎回相談を持ちかける人の視点で進むため、探偵役の男性の情報はまったくわからず。そしてこの探偵、すべての謎を解き明かしてくれるわけではなく、ある程度ヒントだけ与えてあとは本人に行動させます。
    まぁ、これも探偵が本業ではないからなのかもしれないですけど。
    殺人事件も出てきますが、探偵役が解明するのは犯人ではなく被害者がなぜランチを食べずにレストランを出たのか?等の小さい謎。
    結構面白かったけど、好みが分かれる作品だと思います

  • この作者のものは、デビュー作の「解体諸因」以来、独特の世界観が好きで折に触れて読んでいるつもりでしたが、気がついたら結構久しぶりでした。
    思いがけないところに現れる市役所の臨時出張所の相談員が、相談者の話を聞くだけで問題を解決していくというお話。当初はアドバイスするだけで謎自体は相談した方が解決する、という仕立てかと思ったら、謎解きも全部相談員がしてしまうものもあり、ちょっと仕立てが不ぞろい。謎解きの内容もちょっとあっさり、というか、「なるほど」というより「フーン」という反応しか出ないものもありますが、全体として楽しく読ませてもらいました

  • さりげなくいる探偵。はじめの二つが面白かった。不倫を隠す話と、結婚前で幸せのはずの母が、突然躁鬱に。相手に嘘をつかれていた話。
    他のも読んでみたいなぁと思いました。

  • 気が付くとそこにいる…腕貫さん。ほんとに神出鬼没。とっても面白くて、一気に読んじゃいました。登場人物の名前が個性的なのも印象的。

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著者プロフィール

1960年高知県生まれ。米エカード大学創作法専修卒業。
『聯殺』が第1回鮎川哲也賞の最終候補となり、1995年に『解体諸因』でデビュー。同年、『七回死んだ男』を上梓。
本格ミステリとSFの融合をはじめ、多彩な作風で次々に話題作を発表する。
近著に『夢の迷い路』、『沈黙の目撃者』、『逢魔が刻 腕貫探偵リブート』などがある。

「2023年 『夢魔の牢獄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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