虹色ほたる: 永遠の夏休み

著者 :
  • アルファポリス
4.02
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  • (3)
  • (3)
本棚登録 : 488
感想 : 48
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  • Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784434165139

作品紹介・あらすじ

累計25万部突破の夏の感動ファンタジー、待望の軽装版化!映画公開決定!2012年5月19日(土)全国ロードショー!(あらすじ)一年前に交通事故で父親をなくした小学6年生のユウタは、夏休みに一人、父親とよくカブトムシを取りに来た山奥のダムで足をすべらせる。目を覚ましたユウタの前には、一人の小さな女の子とダムに沈んだはずの村が。どうやら三十年以上前の村にタイムスリップしてしまったらしい。そしてそれはユウタにとって、かけがえのないもう一つの夏休みのはじまりだった……。誰の心にもある永遠の夏休みを描いた感動ファンタジー!

感想・レビュー・書評

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  • ひと夏の少年少女の物語の一冊。

    父を亡くした少年ユウタがタイムスリップしたのは30年以上前の、ダムに沈みゆく村。 

    ここでの奇跡的とも言えるひと夏のストーリーはどんな世代にも響く作品だと思う。

    消え行く自然環境、理不尽な死、今という時間を生きる尊さ。

    物語の隅から隅まで散りばめられた言葉が心にストレートに届くのがたまらなく良い。

    大切な場所や命は奪われても、目を閉じればそこには消えることのない思い出があるはず。

    そのかけがえのない永遠の思い出が未来へと繋がって行く。

    その大切さと希望が温かく伝わる、過ぎゆく夏の日の良書。

  • 交通事故で父を亡くした小6のユウタ。夏休みに訪れた父との思い出の地で、突然のタイムスリップ。そこは30年前の昭和…ダムに沈んだはずの村で、期間限定で過ごすこととなったユウタは、村の子供達と交流を深める。
    ありがちな設定とは思いつつも昭和の田舎の夏の描写が色々懐かしく、瑞々しい。読みやすい文章に引き込まれ、自分もユウタ目線で夏を楽しんだ。読み進めていくうち、訳ありな雰囲気だった少女・さえ子の秘密が徐々に明らかになっていく過程にはドキドキさせられた。
    著者のデビュー作だけに若干の粗さは否めず、面白いとは感じながらも展開がベタかなぁ、そこそこに感動はできても泣きはしないかな…と思っていたのだが。クライマックスでは不覚にも泣いた。さえ子との別れが近付き、「秘密」が明らかになった時点で、その運命に対し覚悟を決めた彼女が泣き叫ぶシーンにはぐっときた。
    意外なまでに心を揺さぶられた理由はもうひとつある。著者の川口氏は私と同郷であり、そのことをつい最近知った。東日本大震災の津波被災地。本書が発表されたのは震災前であるが、ダム建設で村がなくなるという現実、突然の事故で失われる命といった設定と、今回の震災がどこか重なった。描かれている村の夏が、故郷での思い出とだぶり、何でもない場面なのに目頭が熱くなったりした。
    映画版も是非見てみたい。蛍が乱舞するシーンはどんなにきれいだろう。夏の定番本と言われるのも頷ける、じわじわ心に沁みるファンタジー。しばし、子供時代の追憶にふけるとしよう。

    • 九月猫さん
      メイプルマフィンさん、こんにちは♪

      この映画、観ました。
      最後の奇跡は、子供向けの映画だとしてもご都合かなぁと思った反面、いや!今は...
      メイプルマフィンさん、こんにちは♪

      この映画、観ました。
      最後の奇跡は、子供向けの映画だとしてもご都合かなぁと思った反面、いや!今はこれくらいの奇跡を描いてほしい!と強く思ったことを覚えています。

      原作は震災前に発表されたものだったんですね。
      原作が気になりながらも、あの感覚は映画だけで留めておきたいという、自分でもわけのわからないへんな気持もあって。
      でもメイプルマフィンさんのレビューで、原作も読んでみたいなと思いました。

      2014/09/05
    • メイプルマフィンさん
      九月猫さん:コメントありがとうございます!
      最後の奇跡については私も全く同感です!色んなことをついつい重ねてしまいました。
      映画上映時は...
      九月猫さん:コメントありがとうございます!
      最後の奇跡については私も全く同感です!色んなことをついつい重ねてしまいました。
      映画上映時は故郷でもずいぶん話題になったようですが、今の今まで全く知りませんでした…お恥ずかしい。
      映画、レンタルして是非是非見ようと思います♪楽しみです。
      2014/09/05
  • 父を亡くしたユウタは、タイムスリップしてしまい、ダム建設によって沈んだ村で過ごす夏休みの話。物語の最初から最後まで感動しました。時空を超えた古の儚い縁。ユウタが村で過ごした一瞬一瞬は縁で結ばれていたんじゃないかとも思う。
    読んだことのない人にお勧めしますっ!

  • 事故で父を亡くしたユウタは、父との思い出の地に1人でいくとダムで沈んだ村に迷い込む。奇跡に次ぐ奇跡で、児童書としてはいいかもしれない、大人が読むにはチープさが否めない。村の長老?や不思議なおじいさんの話し方や、さえこの親の変わりようとか、とにかく、どれも浅い描き方が目についてしまう…。小学生向きのファンタジー。

  • 最初は、なかなかのめり込めなかったが、後半は一気読み。
    この人の小説は、命の大切さをいつも子どもたちに大きな選択をさせることによって教えてくれる。

  •  あることをきっかけにダムに沈む前の村に訪れることになった主人公。父を亡くしたばかりの傷心の少年が、無くなったはずの村で出会った同年代と紡ぐ物語。再読したい

  • 父を亡くしたユウタは、タイムスリップしてしまい、ダム建設によって沈んだ村で過ごす夏休みの話。物語の最初から最後まで感動しました。時空を超えた古の儚い縁。ユウタが村で過ごした一瞬一瞬は縁で結ばれていたのではないかとも思う。これからも再読していきたい。読んだことのない人にぜひおすすめします!

  • 夏休みの読書感想文課題図書っていう本。

    夏っぽい小説が読みたくなって評価だけを頼りに読んでみたけど、挿絵の雰囲気や文章、物語の展開含めターゲット層の小学生が読むには良い本だと思うけど、さすがに大人の自分には合わなかった。

  • 小学6年生のときに読んだ本。
    田舎の懐かしい風景だとか、ちょっとファンタジーがまざった世界観が好きだった。
    朝読書の時間に夢中になって読んだなぁ。

  • なかなか素敵なファンタジー。蛍の短く尊い一生から、人間の生き方を語る青天狗と伸太郎さんの会話が印象的。”蛍は最後の最後まで光を放ち続けるんじゃ。手を抜かず、天命に逆らう事もなく、己の身が果てるまで・・・”神がそれぞれに与えた『一生』という尊い時間をそれぞれが今を一生懸命に生きることで全うする大切さを伝える語り。また、さえ子ちゃんが言う”蛍は短くても一生懸命に光れば幸せになれることを知っている。蛍みたいに強くなりたい。”というのは彼女の強い決意の表れだった。強さとは優しさ。私も強い人間にならなきゃね♪

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著者プロフィール

1971年、岩手県生まれ。2004年、パソコンで文章を書く楽しさに目覚め、ホームページを開設。同年、サイト上にて『虹色ほたる~永遠の夏休み~』連載開始。大きな反響を呼び、2007年に同作でアルファポリスから出版デビュー、累計40万部突破の大ヒットとなる。2012年には東映アニメーションにより映画化される。

「2018年 『幽霊屋敷のアイツ 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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