原稿用紙10枚を書く力 (だいわ文庫)

著者 :
  • 大和書房
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本棚登録 : 978
感想 : 95
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479300731

感想・レビュー・書評

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  • 5年ほど前に読んだものの再読になります。

    とても読みやすくまとまりのある文書術の本です。

    原稿用紙10枚書くために必要なアイテムと考え方が書かれていて、とても参考になりました。

    特に、
    1、自分が書きたいテーマについてできるだけ関係のない3つの項目を書きだして、そのキーワード化する

    2、キーワードを「〇〇は〇〇である」のようにキーフレーズ化し、
    自分が一番言いたいこととして文章の一番最初に書いてしまう。

    3、それについて説明する文章を原稿用紙3~4枚書く。

    この方法だと、あまり気合を入れずに10枚はかけるようになりそうな、そんな気にさせられました。

    あと、書く力をつけるための読書術の本としても読める内容ですね。

  • 社会人になり、研修終了後に論文を書いたり、企画書をつくったりと文章を書く機会が多くなった。
    原稿用紙10枚となるとなかなか抵抗感があるものである。

    この量を書くとなると、しっかりと構成をつくり書いていかないと、支離滅裂な何が言いたいのかわからない文章になってしまう。
    実際、過去に書いた論文を読み直してみると、同じようなことを何度も言ったり、順番がめちゃくちゃだったりである。

    この本を読んで、あまり自分の心にひっかかるものがあまりなかった。
    その中で、自分の経験と比較して今後に生かしていきたいと感じたのは「3の法則」

    関連のない3つのキーワードを図示して関係性を探していく。
    普段やってはいないものの、この方法で全体の構成を考えていき、文章を組み立てることが出来れば、長い文章もつくることができそうである。

    普段から、文章を書く練習は必要であろう。
    社会人として、恥ずかしくない文章を書くためにも「3の法則」を意識しながら文章を書いてみようと思う。

  • 文章が書きたくなる本。

  • 著者は3色ボールペン読書法を薦める。中身によって色分けしようということなのだが、このやり方はたいてい頓挫する。実は勤務する塾の国語の読解授業でも読みながら重要な箇所を色分けしようという指導を行う人がいたがうまくいかなかった。
     それもそのはずで人間は重要か重要でないかの判別しかできないのである。だから重要な箇所を赤でなぞる、強調する、傍線を引くこと以上の区別しか有効でない。
     市販の参考書にはサービスのつもりかわかりやすさのつもりか、やたらカラーの多いものが多い。そういう参考書はほとんど役に立たない。それよりも重要箇所を太字か赤一色で強調してある方がはるかに分かりやすい。

  •  とても読みやすい本でした。書き方について、どういう書き方がいいのか、どうしたらいい文章が書けるようになるのかということを具体的に書いてあるので、参考にしやすいです。著者自身が特に大切だと思っていることは太字になっているので、重要なことを見落とさずに読み進めることができます。
     例えば、書く量が少しだけでいい場合や身内に向けて書く場合にはほとんど緊張はありません。だけど、枚数をたくさん書かねばならないときや、重要な書類の場合は緊張して、どうやって書けばいいのかわからなくなってしまいます。それでも、たくさん書くという経験をこなすことで書くことへの抵抗が少なくなるというのは私自身体験したので、質のいいものを書くためには量をこなすことが大切だ、という著者の主張にすごく共感できました。
     それから、本の中で書くことだけでなく読書についても言及されています。読書によって得たことをきっかけに書くことができるから、という理由です。そして、それにはそこから何を得られるかということを意識して読むと、読書の質が上がるそうです。これもなるほどと思いました。
     レポートや論文を書く大学生向きに書かれた本のようですが、書評を書く人にも参考になる本だなと思いました。

  • 購入日:20110128

  • 1時間ぐらいでさっくり読めました。

    ○拾ったキーワード

    ・「書くこと」は公共的(パブリック)な行為になる
    ⇒"「 書く」ことの基本的な機能は、体験の意味、経験の意味を明かにすることである(…P.42)"と筆者がいうように、口でしゃべることと、文章で書くこととの本質的な役割が違ってくることが多い。
     例えば、しゃべる高位の場合、同じ「時間」や「場所」に自分と相手が存在することによって、その時の雰囲気やニュアンスを共有できる。だが、文章に起こしたことによって、その主張は「時間」や「場所」から切り離されるため、よほどうまく書かない限り伝えたいことを伝えるのは難しくなる。うむ、確かに。
     そして、「自分の立ち位置(ポジション)」を明確にしておくことが大事。誰に対して、どのようなことを、どんな立場から伝えたいか、を頭において書くべき。

    ・3つの法則
    ⇒著者がこの本で何度も主張していたのは「3つの法則」。例えば、児童に「運動会で心に残ったことを挙げさせる」場合、『3つ』のことを挙げさせる。1つに絞った場合、大体が同じ事柄を挙げて重複してしまう。だが、3つとなった場合、3つすべてが重複することは滅多似ない。要するに、「より自分に踏み込んできた」ことを3つ挙げることで、オリジナリティを出すことができる。また、3つの事柄をつなげたり、比べたりすることで、『構築力』が身につく。…落語の「三題噺」

    ・量より質をこなす
    ⇒最終的な結論として、結局のところここに落ちてくるのは何となくガッカリ感が否めない。本書で度々筆者がたとえ話で用いるのが、なにも訓練していない人が10キロを走ろうと思うと大変だが、すこしずつ力をつければなんのことはない 、ということ。小さな積み重ねが大事。自己肯定も大事。
    まぁ、こんな感じ。

  • “十枚書ける人は、長い文章を書く基礎的な力”を持っているとして、「量から質」の文章トレーニングを勧めている。感想文、構成、文体についてなど書かれているが、構成が上手く、内容が理解しやすい。

  • 10枚書く力とは
    心と頭と身体が三位一体となった
    究極の人間力である。

    10枚書けてはじめて、文章を書けると著者は認定する。
    その力を身につけるためのノウハウ本である。

    印象深かったのは次の3点だ。

    一つ目は「起承転結の転から発想すること」
    これは言いかえれば、驚きであり、感動である。
    心に響く文章とは
    こうした驚きを核に据えた文章なのである。
    ゆめゆめ文頭から書き始めてはならない。
    胸に刻もう。

    二つ目は「意味の含有率を高めること」
    ちょっとわかりにくい表現であるが
    頭でイメージしたものを文章に落としていく
    と考えたらどうだろうか。
    それがビジュアルなら、ずっといいと思う。
    絵を思い浮かべて、それを文章でスケッチしていく。
    これを胸に刻もう。

    三つ目は「文章に身体性を盛り込むこと」
    これはその人らしい個性と言ったらいいのだろうか。
    著者は立ち位置にこだわっていた。
    一人称か、三人称か。
    一人称であれば、例えば同じ物事を見ても
    人によって感じ方が違うだろう。
    例えば社内で化粧する女子高生。
    40~50代の女性なら眉をひそめるかもしれない。
    同年代の女子高生は、どんなコスメを使っているのかが気になる。
    その本人になってみれば、実は彼氏を別れた涙を隠そうとする
    化粧なのかもしれない。
    立ち位置で物の見え方は大きく変わる。
    そこをどう見るかが、個性であり
    その人が生きてきた人生が問われるのだ。

    さまざまな書く力を高めるノウハウは書かれているが
    書く力の奥底には、
    心と頭と身体を全身全霊でこめるための
    人間力、自らの生き様が
    問われていると感じた。

  • 罪と罰を読んでみようかと思った

    • ミツさん
      それわかります!
      それわかります!
      2011/10/12
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著者プロフィール

1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程を経て、現在明治大学文学部教授。教育学、身体論、コミュニケーション論を専門とする。2001年刊行の『声に出して読みたい日本語』が、シリーズ260万部のベストセラーとなる。その他著書に、『質問力』『段取り力』『コメント力』『齋藤孝の速読塾』『齋藤孝の企画塾』『やる気も成績も必ず上がる家庭勉強法』『恥をかかないスピーチ力』『思考を鍛えるメモ力』『超速読力』『頭がよくなる! 要約力』『新聞力』『こども「学問のすすめ」』『定義』等がある。

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