- Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480059048
感想・レビュー・書評
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28p【技を盗む力と模倣の違い】
技を盗む力は、単なる模倣とは全く異なる。上辺だけを模倣して、
本質を盗み忘れるということはよくある。極端な例は、有名なス
ポーツ選手のファッションや仕草をまねして、その技を全く盗ま
ない場合だ。そこまで極端ではなくても、表面に現れたパフォー
マンスをそのまま真似して満足してしまうのも単なる模倣であり、
技を盗むということではない。技を盗む力の根本は、暗黙の内に
行われている事柄を認識し、表面化させるという作業である。そ
して、その表面に浮上させた認識を、もう一度自分の身体に沈み
込ませて技としていく。そうしたプロセスができあがってはじめ
て、技を盗むということが可能となる。技を盗む力は、「暗黙知
(身体知)をいかに明確に認識するか」にかかっている。これに関
して、野中郁次郎。紺野登『知識経営のすすめーナレッジマネジ
メントとその時代』(ちくま新書)は、示唆にあふれている。この
本によれば、「企業の知識の多くが暗黙知なのであり、それをど
のように活性化し、形式知化し、活用するかのプロセスこそが重
要だといえる」ということだ。暗黙知と形式知の循環するサイク
ルを作ることが、知識を創造していく上での最大のポイントだと
いう。「身体的で本能的なレベルで知識(暗黙知)を持っていなけ
れば、迅速にかつ高度なパフオーマンスを発揮することはできま
せん。ただし、こうした知識を得たり、伝えるには時間がかかり
ます。そこでは、マニュアルなど(形式知)が意昧を持ってくる」
ということになる。技を盗む力は、暗黙知を自分の認識力で自分
にとっての形式知とし、暗黙知へと染み込
ませるという作業である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
3つの「上達のための秘訣」
○コメント力(要約力・質問力)→母国語能力を鍛える
○段取り力 →動けるからだづくり→スポーツが脳を鍛える
○(技・方法を)まねる・盗む力→身体的想像力を鍛える
技化の意識
「あこがれ」にあこがれる -
生き抜くために、必要な上達の普遍的論理の重要性を例を混ぜながら説いている
簡潔な文章で読みやすい
主題は下記。
・自分のスタイルを身につける事が大きな達成感をもたらす
→基礎を身につけたうえで、自分の癖を得意技となし自分のスタイルを確立する。
結果、一貫した変形作用であるスタイルを少し領域をずらし、継承することができるようになる。
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原尻さんのセミナーで紹介されていたので、買ってみた。
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タイトルで損をしているような気がするが、いわゆる自己啓発本とは少し違う。
理にかなった、今日からでも意識を変えようという気になる力がこの本にはある気がする。
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あらゆるジャンルにおいて上達するのがうまい人と要領が悪い人がいる。
その違いは「上達の普遍的な論理」を無意識的に知っているかどうか?ではと考え、そのポイントを3つに論じる。
まねる(盗む)力、段取り力、コメント力(要約力や質問力を含む)。8
盗む力は、意識的に必死に盗むことで高まる。阪急の山田のシンカーの例/24。単なる模倣とも違う。暗黙知をいかに明快に認識するか(野中郁次郎)/28。
要約力は何が全体の8割を占めるかをつかむ力。サッカーならインサイドキックとかが最も大事だからそれの練習が大事だねって理解する力/43。
全体の2割を読んで8割の主旨を理解するというトレーニングで高めることができる/45。またタイトルや目次をたよりにして読む前にこの本で何がわかればいいのか?の「幹となる質問を設定する習慣」をつけることも要約力をあげる手助けになる/47。
世阿見の「離見の見」--目を前に見てココロを後ろに置け/75
上達論においては選手のプレイスタイルの模範になるテキストスタイル(教科書)を見つけるテキスト探しが指導者の重要な仕事/102
集中力のコントロールも上達論では重要。意識の高い集中を持続するテクニックを持つ事125。
集中力とは意識のコマ割りの数。たとえば毎秒24フレームとか/146。
脳を1速から5速までのマニュアル車ととらえて今何速かを想定してみる/153。
シフトアップは身体性と結びつく。村上春樹は走る事で維持している174。集中状態にはいるシステムを作る。集中に入る事自体を技化する/191。
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できる人、といわれる人がものごとに対して、どんな取り組み方をしているのか?それは、 1.まねする 2.段取りする 3.適切に表現(コメント)するというステップを踏むという。できる人は、成功体験を上手に活用して、またまた成功をつんでいくという、そんなスタイルをもてたらいいと思いました!
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以前、仕事で失敗ばかりしていた時に、当時の社長に「君はこれを読みなさい」と渡されたのが本書。こういった類の書は、タイトルからして、著者が「俺は出来るんだぞ。だからお前もこうした方がいい!」という内容なんだろうなという偏見から、「うわぁー、読みたくねぇな。何でこんなもの読まなきゃならないんだろう」と思いました。
ところが・・・読んでみると、すこぶるおもしろいんですな。著者は決して自分が出来る人なんだとひけらかす立場ではなく、イチローをはじめとするスポーツ選手、徒然草、村上春樹等、具体例を挙げ、「できる」ということについてわかりやすく解説しています。興味深い話が散りばめられており、参考になると思います。
さて、著者は出来る人になるために必要な力とは、まねる力・段取り力・コメント力だそうです。
印象的だったのは時速300kmで走る一流のレーサーが、路のしみから前輪の近くを横切る小石まで見えたという話。びびりましたが、麻雀の世界で20年間無敗だった桜井章一氏のピタリとはまった時は伏せている牌が全て透けて見えたという逸話や弓道の達人が矢を放つ前に命中しているのが見えたという話もあるので、本当なんだろうなぁと思いました。まあ、これは真の達人にしか至れない境地でしょうが。
私が齋藤孝さんを知るきっかけとなった思い出の本です。又、齋藤孝さんの初期の著作なので、大量に出している最近の著書に比べ中身が濃いような気がします。レベルアップしたいと思っている人にオススメの本です。 -
分野を問わず
できる人というのは 上達のコツをしって 実践している人
筆者の考える
コツとは何か
その周辺にかかわること
その底にかかわることが 書かれていました
齋藤氏のスタンスを総括した本だと思いました。