「かわいい」論 (ちくま新書 578)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480062819

感想・レビュー・書評

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  • [ 内容 ]
    世界に冠たる「かわいい」大国ニッポン。
    キティちゃん、ポケモン、セーラームーンなどなど、日本製のキャラクター商品が世界中を席巻している。
    その市場規模は二兆円ともいわれ、消費社会の文化商品として大きな意味を担うようになった。
    では、なぜ、日本の「かわいい」は、これほどまでに眩しげな光を放つのか?
    本書は、「かわいい」を21世紀の美学として位置づけ、その構造を通時的かつ共時的に分析する、はじめての試みである。

    [ 目次 ]
    第1章 「かわいい」現象
    第2章 「かわいい」の来歴
    第3章 大学生の「かわいい」
    第4章 美とグロテスクの狭間に
    第5章 小さく、幼げなもの
    第6章 なつかしさ、子供らしさ
    第7章 メディアのなかの「かわいい」
    第8章 「萌え」の聖地
    第9章 「かわいい」、海を渡る
    エピローグ 「かわいい」の薄明

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 初めて読むまともな「サブカル」分析の本。
    「かわいい」について、古典を繙いたり現代の日本文化から考察を試みたり、それこそ「通時的かつ共時的に分析」してはいるんだけど、その範囲が広すぎて収拾がつかなくなっている印象を受けた。
    雑多な分析、というか。
    もう少し主題(というかアプローチ)を絞ってくれたほうが読みやすかったと思う(逆にそれが今の「かわいい」の複雑な現状を示しているとも言えるけどさ)。

    で、結局「かわいい」って何なの?と言われたら僕はP120のこの部分を引用したいと思う。

    「われわれの消費社会を形成してるのは、ノスタルジア、スーヴニール、ミニュアチュールという三位一体である。『かわいさ』とは、こうした三点を連結させ、その地政学に入りきれない美学的雑音を排除するために、社会が戦略的に用いることになる美学である」

    「かわいい」をある種のイデオロギーと捉えるあたりは、なんか評論の王道という感じがしました。でも後半はちょっと退屈だったかも。
    (2006年08月03日)

  • 私は男の人を「かわいい」と思うことが多いのだけれども、言われた男の人はあんまり嬉しくないそう。
    ということで、「かわいい」ってどういうこと?と思ったのがこの本を読むきっかけ。

    日本には「かわいい」文化が根付く素質があったんだよ、ということが書いてあった。
    私たちが「かわいい」という言葉を使う時に、身勝手な支配をできそう、というようなことはちっとも思ってないんだけど、この本読んでたらそういうニュアンスもあるのかなって思えてきた。
    一つの言葉についてこうやって学術的に考察できるっていうのはすごいことだね。
    でも「それって学者の深読みのし過ぎだよね…」って苦笑してしまうこともあるよね。

    あー、えーと、犬彦って名前が、まず「かわいい」んじゃない?(笑)

  • 世界に冠たる「かわいい」大国ニッポン。キティちゃん、ポケモン、セーラームーンなどなど、日本製のキャラクター商品が世界中を席巻している。その市場規模は二兆円ともいわれ、消費社会の文化商品として大きな意味を担うようになった。では、なぜ、日本の「かわいい」は、これほどまでに眩しげな光を放つのか?本書は、「かわいい」を21世紀の美学として位置づけ、その構造を通時的かつ共時的に分析する、はじめての試みである

  • 途中、飽きてしまい読み進まない部分があったが、
    ひとつの考察として読めて良かった。
    しっくりくるところと全く響かないところが極端にあった。

  • 図書館所蔵【704YO】

  • 「かわいい」の違和感についてどういう考え方があるかを知りたかったのだが、あまり参考になる部分は少なかった。ただ、アンケートをとった結果については非常に興味深く、原票を見てみたいと思った。

  • すごく前に読んだ本。

    女性雑誌から考察しているけれども、分析にかなり違和感をおぼえました。

    対象にあまり近づいていないような:::

  • アイタタタ…!な部分込みで興味深かった。

  • 18~23歳の女子大生の10%強が1度も「かわいい」
    と言われたことがないというのは意外だった。

    著者は個人的な経験から、「かわいい」はもろく、
    近く薄明になるだろうと推測しているが、私はそうは
    思わない。著者が思うほど「かわいい」という感情は
    小難しいものではなく、シンプルでわかりやすい
    概念であり、普遍的に広まる可能性を十二分に
    秘めていると感じているからだ。

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著者プロフィール

四方田 犬彦(よもた・いぬひこ):1953年生れ。批評家・エッセイスト・詩人。著作に『見ることの塩』(河出文庫)、翻訳に『パゾリーニ詩集』(みすず書房)がある。

「2024年 『パレスチナ詩集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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