- Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480066107
感想・レビュー・書評
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診断士試験で書き方を見失った1年前に、講師に勧められたて購入した本。当時は難しい難しい(国語力がないので)と思いながらやっと一冊読んだ本を1年経った今、読み直した。
こちらも少しずつ国語力が着いて来たの、今読むとなるほどなるほどと納得できる。基本的な読み書きを見直したいときに再度ページをパラパラめくり再確認するのにちょうどいい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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議論の価値は、自分の主張が勝ったか負けたか、にあるだけではない。内容を明確化して、他の人が参入して互いに検討しやすいオープン・プラットフォームを作るのも大事な仕事である。(…)逆に、判断基準を曖昧にして、どんな批判をも言い抜けて、自分の主張を守ろうとするのは、この共同作業を信じていないことだ。誰からも批判されないなら、誰からも負けないが、誰にも貢献できず孤立するだけだ。196
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「文化的で健康な最低限度の生活を営む権利」は、どの程度の金額なら「最低限度」かは憲法条文には出てこない。(…)社会的規定では、概念や原理から自動的に具体的事態への適用が出てくるわけではない。むしろ、概念や原理は具体事例を分析するための指針であり、どのように考えたらいいか、ポイントを明らかにするものと考えた方がよい。218
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政治学者の酒井直樹は「憲法の役割は社会問題をつくりだす」ことだと主張する。「自分は不利だ」と感じた者が、それを見過ごす常識に逆らって、憲法を手がかりにして新しい言語をつくり、自らの要求を社会的正義に登録する。「文化的で健康な最低限度の生活」も憲法の規定を元にして、社会にアピールする活動から、具体的に認められたのである。218
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太郎は紛争を悪とする考えに立っている。だから、紛争を広めることは、法曹の自己利益のためだとしか解釈できない。それに対して、花子は、紛争は社会的に役に立つと考える。(…)「紛争を広める」とは、社会の中に存在する利害・立場の不一致を暴き出し、顕在化させる役割を果たすのである。今まで、気づかれていなかった、あるいは注目されていなかった「問題」を明るみに出し、それを社会に注目させるのである。261
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研修で配布された本の中で興味があるものだけ読んでみた。
さくっと読めるのでこれくらいの軽いものがいい。 -
【内容】
ロジカルライティングの教科書。
ロジカルに書くためには、二つの観点で話を展開していくことが
大切であると主張している。
1. 説得・対話の文章構造になっていること。
2. 主張に至る文と文の繋げ方(論理)が必然であること。
※恣意的でないこと
学部とロースクールの試験問題を題材に、これらの設問を解い
ていくことによりロジカルで説得的な文章を書くコツを体験し、
・気を付けるところ
・チェックするところ
・説得するポイント
を身に付けさせようとしている。
【話の展開】
各節は「導入文・題材となる試験問題・解説」で構成されている。
【コメント】
題材にした試験問題の解説は、
「文章の書き方/論の展開の仕方」のみならず「文章の理解の仕方」
にも役立つ。 -
分析と総合の戦略=課題をいくつかに分解して、それらを一つ一つ解決し、
それらを組み合わせて最終的な解決につなげる。
読解・理解=事態をクリアにする→分かりやすい表現+思い込みの前提を入れない
説明=言葉を易しく言いかえる+内容を明らかにする
説明の技術=手順を踏んで難解さをとぎほぐす
論理的な話の進め方とは、最初の前提を次々に言い換えたものである。
論理的な文章は意見である=共有された問題に対して、個人流の解決を提示する
論理的な話の進め方=問題+解決+根拠=対話・説得の構造
問題は疑問・対立・矛盾の形で出現する
文章の要旨=「問題+解決」の内容を簡潔にまとめる
問題→場合→根拠→解決
全体状況から、関係がない要素を排除する
風が吹けば桶屋が儲かる
定義=具体的細部を捨象して、共通する本質だけを抜け出す
一文に内容をたくさん詰め込まない
比較・判断するためには、判断基準自体の検討が必要になる場合がある。
批判されてもひるまない=相手の前提を理解し、現実に即して丁寧な吟味をする
対立の分析・抽象化=将来の解決に貢献できる。
逆説=反常識的で信じがたいという印象+説明されれば納得する -
初めて参加しましたが、普段読まないような本が紹介され興味深かったです。次回はもう少し話が広がるような本を選びたいと思います(笑)
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会社の先輩の文章力に憧れて・・・ついつい購入。
東大入試に何か秘密があるのか??? -
現代文だけなら東大受かるかも。
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著者は代々木ゼミナール講師を経て、インターネット講座を開講し、ロースクールやMBA、公務員志望者などの文章、論理の指導をしている。書名のロジカルライティングの指導こそは、著者の本業なのである。
本書の特徴は東大やそのロースクールの問題の解答法、解説を手段として取り入れていることだろう。おそらくこれは上記の志願者にとっては切実な問題であり、日常実践していることに違いない。ただ、私のようにもはや「手遅れ」の読者にとってもいろいろと得るところがある。
読解の方法はなかなか図式化しにくい。これだけ覚えれば金科玉条といった方法はない。しかし、私たちはかならずあるパターンで思考し、それを言葉にする。そして言葉にされたものを理解しようと試みる。だから、そのパターンを分かりやすく見せてくれるだけで読解に関してかなりの示唆が与えられたように思う。また、それが分かれば自らも論理的な文章が書けそうな気になるのだ。
私は中学生に読解の方法を教える教員であるが、論理的読解法をいかに中学生向けに咀嚼して、伝達するかを常に考えている。そのためにはまず本書のような書物をさらに読み込み、自らの血肉にするしかないと考えている。このあたりかなり情緒的な展開になっているが、やはりそれしかない。読解術は奥が深いから面白いのだ。 -
文章を書く上での基本からちょっとした技までを東大入試の現代文の問題を用いて説明している。入試問題の解説に思ったより分量が割かれていて、普通に受験生の対策本にもなりそう。
一方で、一冊を通して体系的ではなかったり、入試問題の解説に気合が入り過ぎてライティングの本としては中身が薄い点が微妙。