1995年 (ちくま新書)

著者 :
  • 筑摩書房
3.30
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感想 : 63
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480067456

感想・レビュー・書評

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  • ★確かにそんな時代だった、けど★著者と同年代として、広く浅く懐かしくは読めた。ユーミンとドリカムの自動車を巡る歌詞の比較で、固有名詞にこだわるキラキラした存在から日用品に変わったとの指摘は興味深い。1995年当時、東京ではデートでそこまで車にこだわらなかったと思うし、むしろ欠かせなかったのは地方だったろう。

  • 2014.06.16 速水氏の本は、読みやすく文章のテンポがとても良いのですぐに読了できる。1995年は、僕の記憶に中にもしっかり刻まれているが、くっきりと思い出すことができた。現在は、1995年の延長線上にあるという指摘はとてもアグリーだ。あれからもう約20年か・・・早い早い。

  • サクッと読めて、あの1995年という年を知れる。オウムと震災ではない、あるいはエヴァではない、1995年。1995年といえば小学1年生で阪神間に住んでいたので、ほとんど記憶はないのだけれども、なんとなくエモい気持ちになりました。バブルは弾けてしまったけど、まだ絶望感は少なくてただただ漠然とした不安がある時代。その雰囲気がなんとなく伝わってきた。
    ここに書かれてる様々なトピックをさらに深く掘ってみるとか(個人的に小林よしのりの『ゴー宣』が気になった‼︎)あるいは自分の好きな年を同じように観察してみるとか。読んだ後こそ楽しめる本だなあと思ったり。

  • 地下鉄サリン事件、阪神淡路大震災が起きた、戦後史の転機といわれる1995年はどんな年だったのか。歴史を縦ではなく横に読み解く試み。こうして政治経済、文化やテクノロジーを見ていくと、自民党体制の崩壊もインターネットの始まりも、グローバル化も、この時代が基盤になっていたのかと思う。自分はまだ山梨に住んでいた子供だったので、その大きな変化には気づいていなかった。

  • 歴史の横読み。

  • 1995年に起こったことを、政治、経済、国際情勢、テクノロジー、消費・文化、事件・メディアの6つのカテゴリーごとに纏めた本。
    帯には「現代史の転機を解く!」なんて書かれているが、解いてない、解いてない。オウム真理教の地下鉄サリン事件と阪神淡路大震災という人の記憶に残る事件が起こった年ではあるのだが、だから?
    残念ながらあえて購入してまで読む本ではなかった。

  • 1995年は現代史において、象徴的な年である。戦後50年という節目であるとともに、この年に起こったことを列挙するとその前後の時代の分岐点となっている。

    ・阪神・淡路大震災
    ・地下鉄サリン事件
    ・オウム真理教への一斉捜査
    ・東京と大阪ではタレント知事が誕生
    ・村山政権、新進党の躍進、社会党分裂
    ・デジカメ、PHS、Windows95、プレステ発売
    ・WTO発足
    ・イスラエル・ラビン首相暗殺
    ・ロッキード事件結審・アメリカ-ベトナム国交正常化
    ・イチローの活躍と野茂の渡米
    ・若貴兄弟による千秋楽優勝決定戦
    ・小室系サウンド・Mr.Childrenの大流行

    この年に大震災とオウム事件という、世の中を揺るがす大災害と集団犯罪が起こったことで、20世紀末という終末的な感覚も相まって大きな不安感に覆われたように思う。そして災害・安全保障対策やNPOの活用といった政策的転換も図られた。

    また、政治的には中選挙区制から小選挙区制へと選挙制度改革が行なわれ、これ以降は派閥や金権政治が鳴りを潜めて二大政党制や知名度の高いタレント候補といった政治家が増えていく。永遠の野党・社会党の解党が進み、自社さ連立によって祀り上げられた村山首相のキャラクターに注目が集まった。

    2000年代に急速に拡がっていくインターネットについても、この年にたくさんの萌芽がみられる。象徴的なのは、ソニーが絶好調であり、アップルがどん底にあったことで、ソニーによるアップル買収の話すらあったのだ。

    インターネットの勃興とともにグローバル化の不可逆的な流れが本格化したのもこの年である。湾岸戦争以降の大規模な戦争は鳴りを潜め、人類の共通敵としてテロリズムが明確に定義される。東西冷戦の構造にも終止符が打たれた。

    この時代において、野球や大相撲、あるいは音楽といった大衆娯楽についても変化が見られるようになる。実力のあるアスリートは海外に飛び出すようになり、また熱狂的にアイドル化する傾向も起こるようになる。それとともに芸能的なアイドルは不遇の時代を迎える一方で、小室哲哉やMr.Childrenのようなカラオケでも歌えるメガヒットメーカーが次々と現れた時代でもあった。

  • この20年間を俯瞰するのに好適。

  • 1995年ってたしかに面白い年だ
    村山政権、インターネット、オウム事件、神戸大震災、本当にいろんなことがあった。小沢健二の曲が流行ったのも、この年。

  • 1995年、サリン事件や阪神淡路大震災。ドリカム、浜ちゃん。そんな時代だった。その年の出来事世相をまとめた本。

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著者プロフィール

速水健朗 Kenro Hayamizu1973年生まれ。食や政治から都市にジャニーズなど手広く論じる物書き。たまにラジオやテレビにも出演。「団地団」「福島第一原発観光化計画」などでも活動中。著書に『フード左翼とフード右翼 食で分断される日本人』(朝日新書)、『1995年』(ちくま新書)、『都市と消費とディズニーの夢』(角川Oneテーマ21)、『ラーメンと愛国』(講談社現代新書)などがある。

「2014年 『すべてのニュースは賞味期限切れである』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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