1995年 (ちくま新書)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 63
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480067456

感想・レビュー・書評

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  • 1995年、サリン事件や阪神淡路大震災。ドリカム、浜ちゃん。そんな時代だった。その年の出来事世相をまとめた本。

  • 阪神大震災とオウム事件のインパクトがありすぎる1995年だが、バブルがはじけ始めた年でもあった。これまでの上へ上へと目指す世の中を脱し、シンプルな生活の良さを見つめ直された。その流れは現代にもつながっている。だから、1995年は数年前のバブル期よりも、その20年後の「今」に近い時代であった。

    特に象徴的なのが、ウインドウズ95の発売。インターネットというものが身近になり、その可能性が認識されたという点では、なるほど現在とのつながりは深い。インターネットは情報や娯楽を目の前のパソコンだけで完結させてしまう。新聞も雑誌も店舗も電話も手紙も不要にしてしまう。そして、お金がかからなくなる。それが脱バブルのきっかけとなったような気がする。

  • 1995年は自分にとって重要な年。いろいろなことの転換点だった年。
    2浪の末なんとか大学に入れた年。
    阪神大震災、地下鉄サリン事件は、その後の911、311と並んで自分の人生での最も衝撃的な事件。
    当時バブルのことを全く意識せず、それが弾けたことも実感できなかった。
    1995年を通して様々なことを振り返り、思い出させてくれる1冊。

  • 「1985年」を購入した勢いで購入した「1995年」
    その後なにかと現代日本史のポイントとして引き合いに出される年である。
    こちらも「1985年」と同様に政治・経済・国際情勢・テクノロジー・消費文化・事件のカテゴリー毎にこの年のトピックを中心にこの年なにが起きたのか?だけにとどまらず、これまでとこれからにどう影響しているのかまでを考察している本書。

    この2冊を通して読むとこの十年の違いがまざまざと伝わってくる。同時代を10代後半から20代前半と多感な時代にに生きていたから余計かもしれないが、85年に感じるまだまだ伸び代あるよね?未来は明るいよね??感が10年間で全く失われていく。明るい未来はより現実的に、窮屈な中での身の割り振り方をどこに落ち着けるべきかというような議論になっていく時代。

    そんな1995年のボクはどうだったかというと、当時の彼女との未来を思い描きながらも未病な距離感を感じ続け、よく1996年には人生最大の失恋を経験する。
    まさに、お子ちゃまからヲトナの階段を上がりつつある年だったのでありました。

  • 何も考えていなかったあの頃の詳しい事情を知った。

  • 僕は筆者より少し年上だけど、まあ同世代といっていいだろう。1995年という年が様々な転機であった、ということを、ジャンルを分けて描いている。冒頭に「最低限、懐古趣味を満足させる」という姿勢が表されている。一読すると、1995年前後にあったことが羅列されていて、まさに懐古趣味の満足だなあ、と、それはそれでよいのだけれど、もう一度目次を眺めてみる(僕は普段目次をあまり見ない)。政治、経済、国際情勢、テクノロジー、消費・文化、事件・メディア、というカテゴリー。当時の自分はどのカテゴリーに関心を示していて、今とはどう違うのか。
    本書への期待を、考察ではなく自分の変化を追う、ということに移してみると、なんとも楽しい本なのでありました。

  • 1995年は世の中が切り替わるキッカケになっているよねっていう本。
    20年前を懐かしく思うと同時にこの先の未来を考えちゃいます。

  • あの「ラーメンと愛国」の著者の本。

    ちくま新書、そして1995年、この現代史の転機を解く!という
    力強い帯に期待するも・・・。

    あったなぁ、そうだったなぁ、の部分は確かに多い。ざっとあげると、
    中選挙区制の廃止。
    当時の中国との貿易はわずか7%。これが6年後にはアメリカを
    抜いて一気に20%までアップ。
    イチローオリックスの優勝。
    新日vsUWFの東京ドーム、6万7000人の格闘技最高記録。

    うーん、しかし、ただそれだけの内容だったかな。

  • 「阪神大震災」や「地下鉄サリン事件」に代表される、1995年の様々な事件や文化現象等について概説する。池袋リブロでの津田大介氏との刊行イヴェントでは、津田さんが「(総花的な)テレビのコメンテーターにでもなりたいのかなと思った」とやんわりdisってたw(速水さん曰く「専門分野を作らないようにしている」らしい)けれど、確かにもう少し速水さんならではの(郊外文化論的な)解説が欲しかったところではある。

  • 政治、経済、文化そして日本を揺るがした震災やテロ。様々な分野で”日本の転換点”とされる1995年を細かく読み解く1冊。
    95年は自分は小学生。震災とサリンの記憶しかなかったが、この本を読んでくと、Windowsだったり、浜ちゃんと小室コラボのヒットだったり、様々な事象が自分にも思い出されて面白かった。
    歴史の上ではこうした”転機の1年”が少なからず存在するんだろう。その1年に起こった出来事がその後の社会の在りようを変えていく、ということを、どう意識できるんだろう、と考えた本だった。
    現代もその転換点にいると感じる。意識して生きよう。ありがとう。

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著者プロフィール

速水健朗 Kenro Hayamizu1973年生まれ。食や政治から都市にジャニーズなど手広く論じる物書き。たまにラジオやテレビにも出演。「団地団」「福島第一原発観光化計画」などでも活動中。著書に『フード左翼とフード右翼 食で分断される日本人』(朝日新書)、『1995年』(ちくま新書)、『都市と消費とディズニーの夢』(角川Oneテーマ21)、『ラーメンと愛国』(講談社現代新書)などがある。

「2014年 『すべてのニュースは賞味期限切れである』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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