非常民の民俗文化: 生活民俗と差別昔話 (ちくま学芸文庫 ア 21-3)
- 筑摩書房 (2006年8月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (425ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480089991
感想・レビュー・書評
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https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/738494詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
民俗学。性に関するものが多い。
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4 中世ドイツの「後朝の歌」を日本文化の目でとらえなおす[寺田龍男先生] 1
【ブックガイドのコメント】
「日本社会にごく最近まで残っていた習俗や伝統を著者が自らの体験をもとに語る好著。」
(『ともに生きるための教育学へのレッスン40』182ページ)
【北大ではここにあります(北海道大学蔵書目録へのリンク先)】
https://opac.lib.hokudai.ac.jp/opac/opac_link/bibid/2001292187
【関連資料(北海道大学蔵書目録へのリンク先)】
・[単行本]1986年発行(明石書店)
https://opac.lib.hokudai.ac.jp/opac/opac_link/bibid/2000027646 -
在野の民俗学者がムラやスラム街の民俗、性風俗を描く。著者の実地の調査と実体験がベースとされている。思想的にはマルクス主義というか、その時代の雰囲気を纏っている。よって主張部分はアレなのだが、モノの見かたは貴重である。こどもの父親なんて分からん、と言うところはドーキンスなんかの本を思い出して面白い。
意外なところで、町田康の文体に影響を与えている? -
アンチ柳田國男。
性や子殺しのような暗くどろどろした面のありさまは民俗学の聞き取り調査で掬い上げられない、古文書にも反映されないという指摘にはなるほど。一次史料やオーラルヒストリーだからといって、当然ながらすべてが反映されている訳ではない。
あっけらかんとやりとりされる性、生。農村だけでなく都市のスラムの様子も出てくる。
文章は癖が強い。時々主語が迷子になって、著者がそれをしたのか、相手がそれをしたのか、その話を聴いたのか、わからなくなる。テキストというより語りのようで、テーマとも合っている気がする。 -
今住んでいる住宅街が村落であった当時、その村内における格差がたしかにあったことを感じるときがある。
その格差の一例がお寺の位牌の配置と戒名である。
上座と下座、左側と右側がある。またそれに応じて院号や庵主などが刻まれている。
このあからさまな格差というか序列というか、そんなものを目の当たりにするとき、
なんとなく村の秩序と閉塞感を感じる。
きっと常民がいただろうし、非常民もいただろう。
非常民に至っては位牌すら存在しないのかもしれない。
そう思いながら幕末の宗門人別帳を図書館で探してみれば、
村役人もいるし、そこに住み込む下男や下女もいる。
本書を読んで初めてリアルな村社会、そういうものを直視するきっかけになった。 -
『読書の軌跡』阿部謹也より
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普通の人、もしくは普通より少し波瀾万丈に生きた人たちの
風俗や習慣を赤裸々に綴った本。おもしろすぎる。