図書館の神様 (ちくま文庫 せ 11-1)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 6715
感想 : 692
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480426260

感想・レビュー・書評

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  • 38

    劇的なドラマはないよ。
    けど、一年経つと人はいろいろな道に進めるのだなと。
    不倫を止めれるし教師になるつもりがなくても教師になれるし、地元に帰っても来れる。
    最後、がむしゃらに走って冬の寒さで冷えたサイダーを図書館で飲むところがすき。

    20190518

  • 瀬尾まいこさんの本を初めて読んだ。静かなトーンだけど,ほっこりする内容だった。

  • 瀬尾まいこさんの作品初めて読みました!ミステリーばっかり読んでいた自分にとってはテンポも内容もゆっくりで新鮮に感じました!


    バレーボールに夢中だった清さんがあることがきっかけで挫折し、安直な理由で国語の先生になる話し。バレーボールに関わりたくて先生になったのに文芸部の顧問になるという…
    文芸部唯一の部員垣内君と清さんとの会話がなんとも素敵。お互いのことを多くは語らないけど相手のことを信用していて、だんだんと清さんも文芸部の活動にやる気を見出していくところがすごくおもしろかった。

  • 文芸部の顧問を務める高校教師の早川清(きよ)は、浅見さんという男と不倫関係にあります。

    文芸部には垣内くんという男子生徒1人しかおらず、文学に興味のない清は、退屈な毎日を過ごします。

    彼女は中学時代にバレーボール部でキャプテンを務めていました。ところが、試合でミスを重ねた山本さんという生徒に彼女が厳しい言葉をぶつけてしまい、山本さんが飛び降り自殺をしてしまいます。そして彼女は、垣内くんもまた、彼女と同じような過去を背負っていることを知るようになります。

    やがて彼女は、垣内くんと部室で同じ時間を過ごしていくうちに、彼の文学への愛に触れ、少しずつ、心のやすらぎを覚えるようになります。

    垣内くんの静かな「勁さ」が、一番の読みどころでしょうか。ストーリー上の大きな動きはありませんが、物語が進むにつれて主人公の心が晴れ渡っていく爽快感が味わえる作品だと思います。

    短編「雲行き」は、早季子という少女が、母親の再婚相手である佐々木という男と心を通わせ合う話です。

  • 瀬尾まいこさん、ずっと追っていきたい。

    清せんせい、弟の拓実、文芸部の垣内君、不倫相手の浅見さん、サッカー部顧問の松井。

    しじゅうも過ぎた女が、
    「垣内君と仲良くなりたい」
    と思ってしまう筆力・・・っつか、ごめんなさいごめんなさい、こそこそとキュンとしてますって謝りながら読み進める。

    にまにましたり、泣いちゃったりして堪能したなー。

  • ちょうどいい他人感。他人じゃないだろうに。

  • 主人公が周りの人々との関わりを通して教師としても、彼女自身としても成長していく姿や、垣内君の最後の発表が印象的だった。青春といえる爽やかな作品。

  • さらっと読めました。
    主人公の清を……あんまり好きになれなかったけど………。

    『文学は僕の五感を刺激しまくった』
    ↑読書好きの人なら、垣内くんのこの言葉に共感できるはず。

  • 瀬尾まいこ作品の中でも、1・2を争う位、好きな作品です♪


    一番最初に読んだ時は、たった一人しかいない「文芸部」の活動に心惹かれ。


    仮にも?日本文学専攻だった私には「そうそう」と頷けてしまう所もあり、更に本職である「教員」の姿も素敵に描かれていて良かった。


    二回目に読んだ時は、不倫というテーマをこの作品に敢えて?持ち込んできた意図について、考えてしまった。


    これからも何度も読むんだろーな……。

  • 瀬尾まいこさんの作品はやっぱりいいなって思いました。垣内くんの考え方が特に好きだなと思った。
    最近、たまたまXで、箕輪厚介さんが「自分にとって心地よい習慣を、やることが実は幸せだったりするかもしれません。」(お布団をきれいに畳む、太陽に挨拶する。神社までお散歩するなど)とツイートしていた。その言葉を目にして、垣内くんは本当の幸せが何かを体現しているなと感じた。
    序盤からあまり主人公には共感できない点もあるけど、不倫している人をここまでポジティブにポップに表現しているのは、瀬尾さんマジックだと感じた。私は不倫はコスパが悪い(得られるものが侘しすぎる)気がするので、その選択をしてしまう人は、なんならかの満たされない思いがあり、依存してしまってると思う。だから日々の中にある小さな幸せを感じる余裕がない人と思っている。ただ、真面目だった人が投げやりな人生を送っているという印象を、より持たせるために、作品のスパイスになっていて、その対比で、私は垣内くんとのやりとりがより愛おしい時間に感じることができた。
    垣内くんのように夢中になれることを私も今後も続けたいし、そういう環境にいる今が幸せだなと日々噛み締めている。
    今日も朝ご飯を食べて、駅まで歩ける体に感謝しよう。もっと当たり前の習慣に感謝してもいいのかもしれない。小さいことに目を向けて、今自分にすでにあるものに感謝したいと改めて思えました。この作品に出会えたことにも感謝。ありがとうございます。

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著者プロフィール

1974年大阪府生まれ。大谷女子大学文学部国文学科卒業。2001年『卵の緒』で「坊っちゃん文学賞大賞」を受賞。翌年、単行本『卵の緒』で作家デビューする。05年『幸福な食卓』で「吉川英治文学新人賞」、08年『戸村飯店 青春100連発』で「坪田譲治文学賞」、19年『そして、バトンは渡された』で「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『あと少し、もう少し』『春、戻る』『傑作はまだ』『夜明けのすべて』『その扉をたたく音』『夏の体温』等がある。

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