子は親を救うために「心の病」になる (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 77
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480431585

感想・レビュー・書評

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  • 精神科医である作者が、問題を抱える子どもと親に対する治療について書いた本。

  • 書名は逆説的だが、本書を読むと確かに親の抑圧した心を映す鏡のように子が心の病になるという主張に肯ける。中二の子を持つ親として参考になることが多いが、思春期の事例は少なく残念。本書で紹介されているケースはカウンセリング成功例であり、同じやり方でいつも成功するとは限らないことも考慮しなくてはならないだろう。人は虚空から生まれ、虚空へ帰るという宗教的な解釈からの治療も、精神医学では「有」かも知れない。

  • 自分が叶えられなかった夢を子どもに託す

  • 友達の姉ちゃんがうつ病やから、この本読んで少し勉強なりやした。

  • 人が成長するうえで、両親がどう影響するのかがわかった。
    価値観、善悪の判断、人との関わり方においての成長である。
    人間理解が進む本。

  • 心を知るため

  • まず私は、親が「普通」の家庭で育ててくれたので、それに感謝したいなと思います。「普通」の中でも、親が頑張りすぎることもなく、親が子に野望を押し付けることもなかったと思います。そのおかげで私は不登校や引きこもり、摂食障害になることなく今のところ生きることが出来ています。私の両親は上手に私を育ててくれたのだなぁと思いました。ただ、私は4章にあったような、人生を客観視してしまうことがたまにあります。それは別に親が発達障害という訳でもないので、単なる私の性質だと思うのですが。例えば、地学の授業で宇宙のことを勉強した時、何億光年とか言われると、ああ、私たちが生きている世界は宇宙から見たらまるでちっぽけだな、私たちの悩みなんてもっとどうでもいいことじゃないかって考えたりします。ニーチェが言う能動的ニヒリズムと似ているかもしれません。この世界は無意味なんだって基本思ってます。この本が言及してることとはちょっと違うかも。宇宙期に関しては、少し難しくてちゃんと理解出来てるか自信ありませんwでもスナフキンの例は素敵だなと思いました。もともと社会に所属してて、でも挫折して、彼は今宇宙期で放浪しながら生きてる。確かスナフキンってもともと放浪する種族だったような?でもそんな宇宙期真っ只中のスナフキンという捉え方も、それはそれでスナフキンを魅力的にすると思います。

  • 特に学童期までは、子供は親の影響をかなり受けるので、気をつけなければならない。
    特に我慢とかは良くない模様。
    いくつかのカウンセリング事例を読めるので、参考になるかも。

  • 親子関係が引き起こす病気について書かれた本は多くありますが、「救うために…」という言葉に興味を持ち読んでみました。親のどのようなあり方が子供を病気にしたのか、それによって親はどのように救われたかが知りたかったからです。

    第一章~第三章の引きこもり・摂食障害・被虐待児の心理についてのメカニズムは理解できました。親も自分自身を見つめなおすことができ、「救われて」います。

    しかし、第四章の親子については、母親は「救われて」いません。父親もいるようですが、この父親は娘に対してどのようなかかわり方をしていたのでしょうか。父親と娘の心の交流はなかったのでしょうか。娘の症状がすべて発達障害を持つ母親が原因であるかのような記述に疑問を感じます。「救う」というタイトルであるなら、この母親こそ「救って」ほしかったです。

    第三章までに描かれている親子の再生がとても感動的であっただけに、残念でしかたがありません。

  • 宇宙期、異邦人…暖かい捉え方です。

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