高校生のための ゲームで考える人工知能 (ちくまプリマー新書)

  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480689986

感想・レビュー・書評

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  • 山本貴光さんの本ということで読了。
    メタaiの存在が、ゲームをより面白くしてくれる。


    デジタルワールドは既に現実空間と同期している。
    そこかしこにゲーム的状況がある。
    そこで私たちはゲームのプレイヤーのような立場にもなる。
    この状況は今後ますます広がる。
    本書の人工知能についての内容は、今後変わる日常生活や社会の全ての分野で応用可能。具体的には以下のこと。

    0.プレイヤーがゲーム世界を訪れる(前提)
    1. ゲーム世界の中でプレイヤーの相手をするキャラクターの知能を提供する
    2. ゲーム世界(地形など)を活用した遊びをプレイヤーに提供する
    3. ゲーム世界のプレイヤーとキャラクターを俯瞰して指示を出す

    ※ゲーム世界を現実の色々な空間に置き換えて考える。すると、人工知能を使ったこうした仕組みはデジタルゲーム世界だけでなく広い範囲に応用できると想像できる。

    p77
    単なるプレイヤーのサンドバッグではなく、ゴブリンならゴブリンというキャラクターは、このゲームの世界で生きている存在、その世界を彩る生命であってほしいと思っています。プレイヤーの敵キャラという役割はその一部です。というのも、そうした存在であってこそ、ゲーム世界はただの見かけではない、本当の豊かさを持つようになるはずだからです。これは僕の信念のようなものです。誤解を恐れずに言ってしまえば、コンピュータを使って、ゲーム世界の中に息づく生命をつくりだしたい。(略)デジタル環境の中で、あたかも自らの意思や感情を持って活動する、そういう人工知能をつくりたいのです。

    p105
    人工知能には2種類
    ①記号主義型
    記号で作る人工知能。本書。検索エンジンもそう。論理的思考が得意。
    ②コネクショニズム
    脳の構造を真似た。シナプス、ニューロン。
    ニューラルネットやディープラーニング
    囲碁AIや画像認識、生成の人工知能。
    直感的な判断が得意

    人工知能を理解するには、数学、化学、哲学、医学など、幅広い学問の知識が必要。

    p212
    メタaiの行動 と ゲームの状況 は以下の関係
    言語の文法 と 実際の用例
    法律 と 裁判の判例
    数学の公式 と 具体的な問題解決

  • ゲームのキャラクターにどのように「知能」を与えるかを考えていく本。
    認識(知識生成)、意思(意思決定)、行動(運動生成)という三つのモジュールによって人工知能が構成されるという話が面白かった。
    キャラクターにゼロから知能を与えていく過程を見ていると、そもそも知性とは何か、という根本的な疑問が湧く。

    後半はメタAI について語られるが、今一つピンと来なかった。
    前半部で出てきた根本的な疑問が解決しないままずるずると話が進んだ印象。

    コラムに、AI には記号主義とコネクショニズムの二種類があるという話があり、これはさらに詳しく知りたいと思った。

    人工知能についてはアフォーダンス、フレーム問題、知識表現あたりが自分には関心があると確認できた。

  • デジタルゲームで使われている人工知能の研究・開発をされている三宅さんと、プランナーとしてゲームの企画やデザインをされている山本さんおお二人が、ゲームで使われている人工知能がどのような仕組みでできているのかを、楽しみながら学べるように書かれたもの。
     プログラムを組むときに中学から高校にかけて勉強した数学がどのように使われるのか、数学が人口知能を考える上でどうして必要になるのかを、図やイラストを使いながらわかりやすく解説している。そのため、なぜ数学を勉強するのかわからない人にもおすすめしたいい一冊です。
    (『中高生のための本の読み方』大橋崇湯来SFの想像力と人工知能より)

  • [評価]
    ★★★★☆ 星4つ

    [感想]
    以前に別の人工知能に関する本を読んだことがあるが、こちらの方がかなり簡易によりゲームの人工知能に関する内容となっている。
    実際にゲームの例を上げ、その例に沿って人工知能を構築されていくのはスイスイと読むことができた。

  • ゲームの設定は学べるが、AIの学習に役立つかはわからない。

    AI入門としてはいいかもしれない。

  • ゲームだね

  • どちらかというと、ロールプレイングゲームの設計の話が主であり、人工知能を学べるという類の本ではない。タイトルがちょっと大上段に構えすぎ。


    <目次>
    第1章 キャラクターに知能を与えよう(ゲームで人工知能?モンスターをつくってみる/まずはシンプルに視覚をつくってみる ほか)
    第2章 環境のなかで人工知能を動かそう(生きものは環境を使う/地図上で歩くこと、実際に歩くことここ、歩けるかな? ほか)
    第3章 メタAIでよき遊び相手を目指す(なにかが足りない…/プレイヤーはぜいたくな生きもの/時代劇のやられ役のように ほか)

    2018.04.26 新書巡回、予約
    2018.07.08 読了

  • いわゆる人工知能ではなく、ゲームを作ってコントロールするところの「メタAI」のところがキー。
    普通に考えている人工知能のの話ではない。

  • 「どうしたら本当の知能といえる人工知能をつくれるか?」と威勢はよかったが・・・タイトルは「人工知能」ではなく「プログラミング」とした方が正しかったか。

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著者プロフィール

著者:三宅陽一郎
ゲームAI開発者。京都大学で数学を専攻し、大阪大学大学院物理学修士課程、東京大学大学院工学系研究科博士課程を経て、デジタルゲームにおける人工知能の開発と研究に従事。博士(工学、東京大学)。2020年度人工知能学会論文賞受賞。
現在、立教大学大学院人工知能科学研究科特任教授、九州大学客員教授、東京大学特任教授・客員研究員などを務め、学生の指導にも力を入れている。
著書に『戦略ゲームAI解体新書』(翔泳社)、『人工知能のための哲学塾』(ビー・エヌ・エヌ新社)、『人工知能が「生命」になるとき』(PLANETS/第二次惑星開発委員会)、『人工知能の作り方』(技術評論社)、『なぜ人工知能は人と会話ができるのか』(マイナビ出版)、共著に『絵でわかる人工知能』(SBクリエイティブ)、『高校生のためのゲームで考える人工知能』(筑摩書房)、『ゲーム情報学概論』(コロナ社)、『FINAL FANTASY XVの人工知能』(ボーンデジタル)、監修に『最強囲碁AI アルファ碁 解体新書』(翔泳社)、『C++のためのAPIデザイン』(SBクリエイティブ)などがある。

「2022年 『ボードゲームでわかる!コンピュータと人工知能のしくみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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