- Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480804310
感想・レビュー・書評
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読み応えあった。帯には冒険恋愛小説ってあるけど、もっと泥臭いはなし。読後に冒頭を読み返して完結する。面白かったけど礼司のかかえたものに共感できる想像力がなかった自分が残念。
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まずは「この女」の生立ち、次に主人公が巻き込まれた事件の顛末、そして主人公本人が抱える傷の正体…読み進めるにつれ知りたくなる謎の答えが次々と開示されるので、ある意味快感。
また最後まで読んでから、冒頭の章をもう一度読みなおすと気になっていた登場人物のその後の姿が浮かび、これまたカタルシス。
謎は人を惹きつける。なぜ主人公がヒロインにハマったか。それが答えか。
「風に舞うビニールシート」にも通じる、社会的に力の弱い者への作者のまなざしを感じる作品でもあった。 -
森絵都=青少年向けの爽やか&透明感のあるストーリーを書く人、というイメージを良い意味で裏切られた。
善悪二項対立で話が進むと考えていたが、想像以上に人間の生き方にフォーカスしていて個人的には好きだった。
森絵都さん、幅広い作品が書けるんだなって驚いた。これからも、いろんな作品をチャレンジングに書いて欲しい。 -
関西弁というジェットコースターに乗って、するする読了。
リズミカルでテンポよし。いや~、おもしろかった。 -
初読
三冊目、森絵都さんはどんだけ引き出しがあるんだー!
少しミステリ風味に先がわからないところがあって、
早く読みたい、と同時にじっくり読みたいと思わせる作品でした。
あいりん地区、カジノ構想、阪神大震災、カルト教団、障害。
消化不良というかモチーフのひとつ的に唐突な印象もあったりしたのだけど
それに対する感情の描写というのが鮮やかで心に沁み入ってくる。
作者にとって実験的というか挑戦的な事をしてみたかったのではないかな、
ともがきのようなものも感じられて、大成功ではないんだけど、
その心意気や良し、ですた。すごく上からですが(笑)
プロローグにつながる希望、
劇中劇というか作中作というか、登場人物が書いている小説という設定も面白いし、
私はやっぱり、陰惨や猥雑さも生命力でユーモアで包んでしまう逞しさ、
というのが好みだなぁ
「この女」結子、と「この男」礼司はどこに行ったんだろうねぇ。 -
ストーリーにストレスは全くなく、流れるように続く関西弁が心地良い。
読後感として残るものはあまりなく、最近読んだ短編集と比べるともう少しグッと掴む部分が欲しかったか。 -
オムライス
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大阪のあいりん地区で生活する主人公が、ひょんなことからある社長の奥さんの小説を書くお話。色々突飛なこともあるけどさすが森さんだけあって読みやすかった。