この女

著者 :
  • 筑摩書房
3.60
  • (71)
  • (169)
  • (186)
  • (27)
  • (5)
本棚登録 : 938
感想 : 221
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480804310

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ネタバレです!!




    何が衝撃だったかって、大輔が出家しちゃうところよね。。

    れいじさんについては、若いうちからそんなところで日雇いやってるんだもん絶対過去に何かあったんだなって思いながら読んでたから、ずっと不安だった。
    だけど松ちゃんに打ち明けた後のれいじがすごく人間っぽくていい。
    自分があまりに悲壮感まんまんで、悲劇ぶっているように思えて恥ずかしかったってとこ。

  • 釜ヶ崎で暮らす主人公がふとしたきっかけである女の一生を小説に書こうとする。彼は様々な思惑をくぐりぬけながら小説を書いていく。

    飄々とした表現が特徴的で、魅力的だった森絵都が段々と一歩引いた様な新しい文体の作品を書くようになってきた様に感じる。昔も今も素敵だと思う。

  • 何のフィールドワークなのかな

  • (2014/11/18読了)
    お名前はよく見かけているので、すっかり既読の作家さんかと思ってたら、アンソロジーでしか読んでませんでした。
    この本を選んだのは単行本の装丁に惹かれたみたいなんだけど、今検索して見てみてもなぜ惹かれたのかわかりません。
    星5つはおまけ。あまり期待せずに読んだので、それも良かったのかも。
    一番好きな登場人物の松ちゃんが言った通りに、結子が主人公の小説を書きながら、次第に礼司が主人公になっていくあたりから、引き込まれて行きました。
    結子や礼司の身の上は、突拍子の無いものでもなく、誰もが人生という物語を持っていることを改めて教えられました。
    作品の中の小説の結びをどうするか?ラストって大事ですね。この本自体のラストは…

    (内容)
    甲坂礼司、釜ヶ崎で働く青年。二谷結子を主人公に小説を書いてくれと頼まれる。二谷結子、二谷啓太の妻。神戸・三宮のホテルに一人で住み、つかみ所がない女。二谷啓太、チープ・ルネッサンスを標榜するホテルチェーンのオーナー。小説の依頼主。大輔、甲坂礼司に小説書きのバイト話を持ってきた大学生。礼司に神戸の住まいを提供。松ちゃん、釜ヶ崎の名物男。礼司が頼りにし、なにかと相談するおっちゃん。敦、二谷結子の弟。興信所経営。結子のためなら何でもする直情型の気のいい男。震災前夜、神戸と大阪を舞台に繰り広げられる冒険恋愛小説。3年ぶり、著者の新境地を開く渾身の長篇書き下ろし。

  • なんとも。
    面白かった。
    夢中で読んだ。


    このあとどうなるんだろ?

  • 関西人なので地区的な事や関西弁は入ってきやすかったし読みやすかった。
    けど腑に落ちない点もいくつか。
    礼司は行方不明のままだし結子は?東京は?みたいな...
    まぁ手紙から始まってるからこういう終り方が妥当なんだろうと無理矢理自分を納得させてみた。

  • 構成も含めて、ストーリーに引き込まれ、面白く読み進めました。

  • 大学教授が教え子に宛てた懺悔の手紙から始まる。
    「君が長らく探していた小説が、私の研究室で見つかった。」
    その小説は阪神淡路大震災の15年前に
    ある成金ホテルオーナーが
    ある男を雇い、
    自分の妻の半生を小説にさせたという代物である。
    タイトルは『この女』
    そこには、
    小説書く礼司という男がどのように釜ヶ崎で生き、
    主人公である結子がいかにして釜ヶ崎で育ってきたかを
    そして釜ヶ崎に向けられる陰謀を詳細にとらえていた。
    弱くも逞しく生き抜く人々の物語。

    森さんこういった作品も書けるのだなーと素直に驚きました。
    どこまででも逞しい2人にすがすがしさを感じつつ
    読み終えたのですが
    冒頭の大学教授の手紙を読むに、
    礼司は震災に巻き込まれたとのこと。
    一見いい感じで終わるのにそうは思えない、
    というところが斬新なラストでした。
    でもあの2人ならどこかでしぶとく生きているようにも思います。

  • ああレイちゃんと結子のその後を知りたい。でも教授に送った小説やしやっぱりここまでかというジレンマ。
    松ちゃんのその後も気になる。うー。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    甲坂礼司、釜ヶ崎で働く青年。二谷結子を主人公に小説を書いてくれと頼まれる。二谷結子、二谷啓太の妻。神戸・三宮のホテルに一人で住み、つかみ所がない女。二谷啓太、チープ・ルネッサンスを標榜するホテルチェーンのオーナー。小説の依頼主。大輔、甲坂礼司に小説書きのバイト話を持ってきた大学生。礼司に神戸の住まいを提供。松ちゃん、釜ヶ崎の名物男。礼司が頼りにし、なにかと相談するおっちゃん。敦、二谷結子の弟。興信所経営。結子のためなら何でもする直情型の気のいい男。震災前夜、神戸と大阪を舞台に繰り広げられる冒険恋愛小説。3年ぶり、著者の新境地を開く渾身の長篇書き下ろし。

全221件中 41 - 50件を表示

著者プロフィール

森 絵都(もり・えと):1968年生まれ。90年『リズム』で講談社児童文学新人賞を受賞し、デビュー。95年『宇宙のみなしご』で野間児童文芸新人賞及び産経児童出版文化賞ニッポン放送賞、98年『つきのふね』で野間児童文芸賞、99年『カラフル』で産経児童出版文化賞、2003年『DIVE!!』で小学館児童出版文化賞、06年『風に舞いあがるビニールシート』で直木賞、17年『みかづき』で中央公論文芸賞等受賞。『この女』『クラスメイツ』『出会いなおし』『カザアナ』『あしたのことば』『生まれかわりのポオ』他著作多数。

「2023年 『できない相談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

森絵都の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×