夜より黒きもの

著者 :
  • 東京創元社
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488027476

作品紹介・あらすじ

かつてない好景気に沸き続ける、昭和六十年代の札幌・ススキノ。高騰した土地を狙って、手段を選ばない地上げ集団と、それに嘲弄される住人たち。史上最高の日経平均株価が更新された陰で、人生の歯車が狂い始めた証券会社の支店長と企業舎弟の男の運命。キャバレー〈ニュータイガー〉の敏腕黒服・黒頭悠介が出逢う、五つの夜の物語。達意の筆致と抜群のディテールでバブル期のススキノを描きあげる、『夜明け遠き街よ』の続編登場。著者あとがき=高城高

感想・レビュー・書評

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  • うーん枯淡の境地に達したという例のアレだろうか。過去の作品に感じられたロマンチシズムや色気がないような気がする。ファムファタールのシリーズ、すごく好きだったな。水気がなくて、樽木みたいにパキッとして、火をつけたらよく燃えそうな感じ。主人公があまり個性的でないのは過去の作品と同様。なんというか、古き良きハードボイルドなんだよね。
    とはいえ、黒服という設定はよかった。限られた世界の住人だから事件の性質や登場人物に制限がかけられ、一方で夜の中でとても自由に躍動する主人公が生き生きしていた。
    印象的だったのは最初の地上げの話。オチが読めたのが少し悲しかったけど、バブルのときの場末の住人の切なさが悲しくてねー。
    純粋な物語としては星3つだけど、狂騒の時代を切り取った功績に星1つおまけ。

  •  前作と比べると、ちょっとわかりやすくなった感じがする。まあシリーズとして読み慣れたということなんだろうが。
     こう動くのか。黒頭さんは、というのがわかりやすい。

  • かつてない好景気に沸き続ける、昭和六十年代の札幌・ススキノ。高騰した土地を狙って、手段を選ばない地上げ集団と、それに嘲弄される住人たち。史上最高の日経平均株価が更新された陰で、人生の歯車が狂い始めた証券会社の支店長と企業舎弟の男の運命。
    キャバレー〈ニュータイガー〉の敏腕黒服・黒頭悠介が出逢う、五つの夜の物語。達意の筆致と抜群のディテールでバブル期のススキノを描きあげる、『夜明け遠き街よ』の続編登場。
    著者あとがき=高城高

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著者プロフィール

1931年1月17日、北海道生まれ。本名・乳井洋一。幼少時に宮城県仙台市へ移住し、以降は宮城県在住。進駐軍や米軍人、英語教師だった父から入手したペーパーバックで海外小説を読み漁り、特にハードボイルド小説を愛読した。東北大学文学部英文科在学中に執筆した「X橋附近」は江戸川乱歩に絶賛され、55年に『増刊宝石』へ掲載されている。57年に北海道新聞社へ入社してからも兼業作家として短編を書き続け、70年で断筆するが、2007年から再び創作活動を再開した。主な著書に『微かなる弔鐘』(光文社)、『墓標なき墓場』 (光風社)、『函館水上警察』(東京創元社)、『眠りなき夜明け』(寿郎社)など。

「2022年 『フェンシング・マエストロ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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