- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488028398
作品紹介・あらすじ
〈久遠の島〉、そこは世界中のあらゆる書物を見ることができ、本を愛する人のみが入ることを許される楽園だ。あるとき、ひとりの魅力的な王子が島を訪れる。だが、その真の姿は目的のためなら手段を選ばない非道な人物だった。そして彼の野心が島に悲劇をもたらした。書物の護り手である氏族の兄弟がたどる数奇な運命。連合王国フォト、呪法の国マードラ、写本の都パドゥキアを舞台に描く〈オーリエラントの魔道師シリーズ〉最新作。
感想・レビュー・書評
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この一冊で、オーリエラントの物語の大きな円環が巡った気がする。
本とともに生まれ育った子どもたちが、苦難とともに大人になっていき、本を取り戻すまでのお話。 -
木から実のように垂れ下がる本の森
書物の島
考えただけでもワクワクする
これまでのシリーズで最も設定が好きだったかもしれない
ダークファンタジーには違いなく、相変わらず登場人物たちは過酷な現実に晒されてはいるが、内容はこれまでよりも温かく、明るく感じられた
これまでのシリーズはどこかしら後暗い、気持ちの悪い後味が読了後に残ったが、珍しくそれがなく、ダークファンタジーが苦手な人でも読みやすいと思われる内容だった -
『夜の写本師」は、衝撃的なダークファンタジーだった。その後のオーリエラントの魔導士たちの活躍は、これまでの本に描かれているが、これはその後のすべての歴史につながる、いちばん初めの物語になっている。主人公は3人の少年と少女だし、それぞれが運命に導かれて冒険する内容なので、ジュブナイル小説といえそう。国や魔導士によって違う、呪術のあり方の違いも描かれる。
このシリーズの中でも、とても読みやすくてわかりやすい。ボリュームもあり、読み応えもある。シリーズを知らなくても、単独で楽しめる。
このシリーズを読みたい人は巻末の年表が参考になる。
ただ、久遠の島がそう簡単に・・・(ネタバレ)というあっけなさはどうしたことか。
ここでは特に、写本についての技術的な描写が印象的だった。写本師の腕前だけでなく、それにつながるインクを作る職人、羊皮紙を作る職人、それぞれの工房の様子など。中世のヨーロッパでは本当にこうした写本が行われていたのだろうと思わせるリアリティが、物語のなかで光っていた。 -
このシリーズはやはり世界の広がりが素晴らしく,主人公たちの成長,逃避行など読んでいてワクワクのしどうし.
そして夜の写本師のルーツがかい間見え,長い歴史も感じられた.
本の世界の奥深さ,この本も表紙がトルコ風で素敵だ. -
発売してすぐお迎えしてたし、めちゃくちゃ好きな題材やけど少しずつしか読めておらず、ここ数日で一気に読んだ感じ。文字の、言葉の、書物の持つちからに潜ってゆくようなファンタジー。乾石作品の登場人物は、(迷いつつも)目的を見誤らないのがすごく好き。夜の写本師、再読せな……!
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シリーズ最高傑作!(主観)
オーリエラントの魔道師シリーズ最新作、夜の写本師の二千年前の話。巻末にシリーズ作品年表が載っていて親切。
ものすごく面白かった。久遠の島の様子と島の最期から始まり、生き残った3人の子供、ネイダル、ヴィニダル、シトルフィの生きていく様子が描かれる。写本師の仕事の描写が秀逸。そして、勧善懲悪好みの私的にはなんといっても最後の大団円っぷりが素晴らしい、読了感すばらしい。スッキリした。