Xの悲劇【新訳版】 (創元推理文庫)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488104436

感想・レビュー・書評

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  • 論理展開が緻密。全く古さを感じさせない。思っていた以上に読みやすく、2日で通読。名作中の名作というのも頷ける。

  • 鋭敏な推理力を持つ引退した俳優ドルリー・レーンは、ニューヨークの路面電車で起きた殺人事件への捜査協力を依頼される。ニコチン毒を塗ったコルク球という異様な凶器が使われた、あまりにも容疑者が多い難事件から、ただひとりの犯人Xを指し示すべく、名探偵は推理と俳優技術のかぎりを尽くす。巨匠クイーンがバーナビー・ロス名義で発表した、本格ミステリ史に燦然と輝く〈レーン四部作〉の開幕を華々しく飾る、傑作中の傑作。



    イケおじ探偵なドルリー・レーン。引退した元俳優で、新聞から情報で推理をし、犯人逮捕に導いた経験を持つ。そんなところに、ニューヨークで起きた事件のヒントをもらいに、サム警視とブルーノ地方検事がやってくる。


    いやぁ、すごかった。ポンコツ2人というとごめんってかんじだけど、サム警視は最初からレーンのことを信じてないし、「なんだあいつ!」ってかんじだし、ブルーノ地方検事は上から言われたから来ました感あって、レーンに早く犯人を教えてほしいのに、レーンの推理が組み上がってないから焦らされてるし。


    第1と第2の事件の犯人とされたデウィットの裁判は、本当に見てて気持ちが良かった。確かに、状況証拠ばかりで逮捕起訴まで持ち込んだサム警視とブルーノ地方検事が悪いけど、レーンが弁護士に助言した件については、「た、確かに…」ってなったし、言い方悪いけど逆転裁判見てるみたいで面白かったし、すっきりした。


    その後のデウィット祝賀パーティでのデウィットが、レーンに言ったセリフは「おい…それは死亡フラグでは…」と思ったら、まんまと死亡フラグだった。まさか、目の鼻の先で殺されるとは思ってなかったなぁ。探偵っていつも遅いんだよな。何かで読んだけど、探偵は事件が起こってから出てくる人で、事前に事件を防ぐことはできない。確かになぁと。


    しかし、その後の事件解決までがすごかった。まさかの犯人だったし、正直な話、私はサム警視とブルーノ地方検事と同じように「え?え?」ってなってたと思う。そして、ページを何度も戻った。すごかった。レーンが言う通りに、全ては目の前にぶら下がっていた。気が付かなかった。でも、レーンはずっと今まで起こっていた全てのことを組み立てて推理して、真相に導いた。


    Xの悲劇。すごい。読み終わったあとに思うことは、誰か謎の人物Xとしたわけではなく、本当に目の前にXがぶら下がっていた。それに、全く気が付かない私…悲劇だ。

    2024.2.12 読了

  • どのトリックも分からなかったが、答えは聞けば、なんで気づかなかったんだろうと思うほど単純明快。
    古典なので?ストーリーの刺激は少ないが、主人公ドルリーレーンのオシャレな雰囲気が読んでて心地良かった。

  • Xの謎も解けた。作られてから100年に迫ろうとしてるのに、なぜこれほど鮮やかな手口で読みごたえあるのか!

    レーン氏の芝居がかった感じもよかった。笑
    きれいはきたない、きたないはきれい。
    シェークスピアを引用しまくってるだけあって名言も多い。無駄に(全く無駄ではないけど)心に刺さるw

    警察側はフーダニットに焦点をあててたけど、レーン氏はしっかりホワイダニットを掴んでたところが面白かった。あれよ、登場人物に載ってない人が出てくると急激に面白くなってくるよね。

  • 初めてのエラリー・クイーン
    読みやすくておもしろかったけど、個人的に途中で中弛みした
    あと海外の読んだらいつもやけど登場人物が全然わからん(笑)
    ヒント色んなとこにあったのに気付けんかったん悔しい
    100年くらい前に書かれてるのに全然感じん
    続きも読みたい


  • 俳優だった探偵は、新しい舞台で大活躍。

    細かいところを気にして読むんだけど、こちらも罠にはめらたようだ。

  • 3.5

  • 大人になってから翻訳されたものは避ける傾向にありましたが、1930年代のニューヨークにタイムスリップできておもしろかったです。子どもの頃に読んだシャーロック・ホームズを思い出しました。やっと有名な作品を読めて嬉しかった。


  • 探偵は優秀なんだろうけど、真相に気がついているのに警察と検事に全然協力的ではなくて、

    推理を焦らされるばかりで、読んでて歯痒かった笑

    そうこうしてる間にまた次の犠牲者が出てしまい、コナン君はいかに警察に協力的かつ親切か思い知らされた。

    なぜそんなに焦らされたのか伏線が回収された時に、
     

    理由がなるほどと、納得すぎて最後はスッキリでした!


    さすが名作

    他のシリーズも読んでいこうと思います。 

  • 古典だけど、初読なので結構楽しめた。最初の取っ付きにくさと、途中がちょっと冗長な感があったけど、犯人は意外で、謎解きもなかなかに楽しかったかな。今どきでは出来ん話だろうけど、まあ1930年代だからな。そこはアリかも知れんな。ただサム警視やブルーノ検事の立場からするとドルリー・レーンって扱いにくいんだろうなと心底思う。理由はあっても、もうちょっと協調性持てや。とは言え、面白かったので続いてYの悲劇を読もう。

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著者プロフィール

エラリー・クイーン。フレデリック・ダネイとマンフレッド・B・リーの合作ペンネーム。従兄弟同士で、ともにニューヨーク、ブルックリン生まれ。1929年『ローマ帽子の謎』で作家としてデビュー。ラジオドラマの脚本家やアンソロジストとしても活躍。主な代表作に『ギリシア館の謎(32)、『エジプト十字架の謎』(32)の〈国名シリーズ〉や、『Xの悲劇』(32)に始まる〈レーン四部作〉などがある。また編集者として「エラリー・クイーンズ・ミステリ・マガジン」を編集、刊行した。

「2021年 『消える魔術師の冒険 聴取者への挑戦Ⅳ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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