- Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488118181
感想・レビュー・書評
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フェル博士もの。友人とまでは行かないが知り合いのフェル博士とともにチェスをする敏腕判事。そのチェスの際、判事は「自分が犯罪をするならはかりにかける」という。その翌日、判事は自らに殺人容疑がかけられる事件に遭遇する。事件は判事の家でおき、状況証拠は判事をさしているがはたして犯人は判事なのか――。
カーの作品にしては読みやすかった。カーの作品はトリックに趣向を凝らしているから、少々わかりにくい表現があったりするのだけれど、この作品はそういうわかりにくい場面があまりない。というのも、この作品の事件は、嫌疑をかけられた判事は、本当に犯人なのか、犯人でないかが主題となっているから。ただ、そのわかりやすいテーマが内容的には少々退屈なものでもあったかなと思いますが。
内容だけに犯人の意外性があるかと思いきや、そうでもなかった。それにいたる根拠はいいのですが、内容がとっぴ過ぎる気がします。いや、内容ではなくその根拠の一部が、ですが。カーもこの辺になると少々ネタが切れてきた気がしますね。
カーとしては読みやすい作品ですが、少々の不満の残る作品でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
急いで読んだせいか殺人のとき何が起きたのか良く分からない。
この犯人は何がしたかったのか。
でも面白い。 -
フェル博士シリーズ14冊目、表紙がニャンとも日本語タイトルとともに秀逸▲判事の別荘で娘の婚約者が殺された。現場にいたのは、猫が鼠をなぶるように冷酷に人を裁くことで知られた判事ただ一人▼あっという間に読み終わってしまった!シンプルかつリーダビリティが高い‼何故、絶版のままなのか…プロットが素晴らしいこの作品、気に入った。サディスティックで一徹な判事廻りの人間模様、ロマンス、スリラー、不可解殺人とカーのお約束は押さえられ、お馬鹿娘にハラハラ、警察側の頑張りに好印象。すべてを攫うのはフェル博士か…(1942年)