死者の書 (創元推理文庫) (創元推理文庫 547-1)

  • 東京創元社
3.60
  • (58)
  • (52)
  • (101)
  • (21)
  • (3)
本棚登録 : 651
感想 : 81
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488547011

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ジョナサン・キャロル著/浅羽莢子訳

    日常と非日常が入り混じっていく様が秀逸。
    たまらん!
    最後の1pまで目が話せない展開だった。

  • 俳優の親父さんと主人公との関わりが、終盤にどーん!と生かされる。
    独特の主人公の語りはジョーク混じりで笑えるんだけど、ホラーな後味の悪さもたまんない。

  • これはあまり肌に合わなかった。
    ストーリー構成的には凄く上手いんだろうが
    どうも主人公が好きになれないとういう致命的な部分が…。
    日本語訳しにくいのだろうなぁ、というのが結構伝わってきました。

  • キャロル最初の長編。かのスティーブン・キングが一読者としてファンレターを送ったという曰く付きの一冊。父との間に葛藤を抱える主人公が、とある作家の伝記を書く為の調査に向かったある町。何の変哲もない田舎街に見えたそこは、しかし、驚くべき真実を秘めていた。最期の一ページに至って完璧に張り巡らされた伏線に唸らされる。

  • 色んな場面でトーマスの妄想?想像?の描写があるんだけど
    この描写が曲者で、何かに例えての説明が多い。
    小説の主人公だったり、漫画の登場人物だったり
    映画の景色や登場人物だったりと、例えられる作品の
    ほんの一部しかわからなかったので、ちょっと損した気分です。

    何より驚いたのが、フランスの残した作品の描写が詳しくて
    てっきり実在の作家だと思ってましたが、騙されました。
    架空の作家だったんですねぇ〜

    物語はゆっくりと進みますが、1/3くらいから
    加速して一気に走り出します。
    トーマスが感じた疑問。真実を知った時の驚きと動揺。
    ホラーというよりは、ダークファンタジー?
    あまりダークだとは思わなかったから幻想小説かな?

    物語に起承転結があるとすれば、エピローグは
    何にあたるんだろう・・・

    この小説からエピローグを取り除いても
    十分にダークファンタジーとして通用すると思う。

    でも、エピローグでやられました。
    最後の何行かで、やられました。
    そこでダークを取り消しました。
    これがデビュー作だなんて信じられないです。
    別の本も是非読みたいと思いました♪

  • ジョナサン・キャロルという作家の処女作かつ日本初翻訳作品。そして私にとって、この作家とのリアルタイムな出会いとなった本。個人的な好みは別として、この作品はキャロルの最高傑作なんだろうな、と思う。突然訪れるカタストロフに至るまでの幸福な情景を描かせたら、彼の右に出るものはそう見当たらないと思う。それが彼の優しさなのか残酷さなのかは、まだ答えは見つからないけれど。
    ちなみに原題の『笑いの郷』のままの方がよかった。

  • え?これデビュー作?

  • ジョナサン・キャロルの処女作。これを読んだキングが思わずファンレターを書き送ったという逸話は、キャロルを知る人の間では有名。一人称で語られるキャロルの物語には二つの特徴がある。一つは魅力的な登場人物。彼らはこんな友人を持ちたいと思わせる快活さを持ちながら、実在する人物のような奥行きのある人間性を感じさせる。
    もう一つは、現実を不確かなものと感じさせる幻想の世界。彼の作品は「ダーク・ファンタジー」と呼ばれる。その理由を、物語に死や恐怖が絡むからと片づけてしまうと、作品の本質を掴み損ねることになる。キャロルが描くのはそうした現象が直接もたらす負の感情ではない。むしろ、良くも悪くも確かなものであるはずの現実が、読み進めていく中で、主人公も読者も気づかぬ内に(一人称の長所が見事に発揮されている)、あやふやではかない世界へと変貌していくことからもたらされる、漠然とした不安感にある。
    この『死者の書』では、現実と幻想の交錯は、主人公が敬愛する童話作家、マーシャル・フランスとその作品によってもたらされる。主人公はフランスの作品に頻繁に、しかし断片的に言及する。一つ間違えばただの勿体ぶった描写に成りかねないところを、キャロルは卓越した文章でごく自然に行い、その結果読者の多くはフランスの作品が実在せず実際には読むことが出来ないことを本当に残念に思うほど引き込まれていく。そしてフランスの伝記を書くために、彼が愛した田舎町ゲイレンに話の舞台が移ったところで、現実は一層不安定な様相を呈していく。
    ラストの唐突さもまたキャロル作品の特徴となっているが、これは賛否両論あるところだろう。この作品では、若干わかりにくく思う人もいるかもしれないが、主人公が行ってきたことを思い返せば理解可能なはずだ。

  • 一人の天才作家を追い、彼の伝記を書くために彼の故郷の街へやってきた主人公。・・・この小説には驚くべき仕掛けが隠されている。ミステリーなどのジャンル小説を好む者にも全くの脅威としか言いようのない結末。書物の世界というもの信じうるならば、それは恐るべき陥穴として読む者を心胆寒からしめる。
    能天気なアメリカンヤッピー小説風な文体から、脳髄にまさかり振り下ろされるような怒涛の終盤展開は圧巻!

  • 雰囲気は好きなんだけども。

全81件中 41 - 50件を表示

ジョナサン・キャロルの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×