- Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488569020
作品紹介・あらすじ
異界と現実世界とのあいだにある“はざま”で産する竜卵石は、主の“気”を受けて玉妖と呼ばれる精霊を宿す。なかでもその美しさ、知性から伝説的な存在とされるのが、“難波コレクション”の七つの玉妖たちだ。修行中の駆妖師彩音は、そのひとつ〈くろがね〉を受け継いでいた。同じくコレクションのひとつを受け継いだ姉が、その玉妖に魅入られてしまった。このままでは姉の命が危ない……。創元ファンタジイ新人賞優秀賞受賞作。
感想・レビュー・書評
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綺麗な石と精霊と風景がいっぱい出てくるお話。
しかしうーん。好みとは少し違った。
何より文章が合わなかったかな。
「〜だが、〜」という構造の文を多用している割に、前の文と後の文は必ずしも相反していないように思うし、そもそも一文に繋げる必要を感じないものがままある。
あまり関係ない文章を「だが」「だが」とつなげていくので、文のフォーカスがずれて、結局何が言いたいかよくわからなくなっている。
こうした文に象徴されるように、ストーリーの各シーンや時系列も、お互いの関係性が整理されないままに繋げられていて、単純なお話のようなのに何がどうなったか今ひとつ追えない。
おそらくキャラクターもそう。それぞれ思い悩むのはいいけれど、想定される反対意見に配慮して「でもこうも思う」「でもああも思う」と繰り返すあまり、各キャラの主義主張がボケてしまい、結局は何も考えていないかのように見えてしまう。特に主人公。
ようはあまり理論的ではないのだ。
その辺りもう少し気をつければ、いいものになったんじゃないかとは思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
石に宿る精霊玉妖を巡るファンタジー。
玉妖の主となった少女が異界の妖を退治する驅妖師になって、妖絡みの事件を解決していく、そんな痛快な話になるのかなあと思ったら違った。
むしろ玉妖に魅了され身を滅ぼす人間の話で、これはちょっとなんというか、ワクワク感が足らないなあ。
それに主人公の玉妖は素っ気ないしあんまり活躍もしないし、ならば主人公はというと、なんだか歯切れが悪くて、う〜んという感じ。
この題材ならもっと面白いお話が書けるだろうになあ。
ちょっと残念だ。 -
主人公があまちゃん過ぎてなんだかなぁ。玉に宿る玉妖とか刀とかモチーフは好きなんだけど、戦いシーンが迫力に欠けるというか。3部作らしいけど、続きは気が向いたときに図書館かな。
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石に宿る精霊「玉妖」と、それを操る「驅妖師」が様々な問題を解決する現代系ファンタジー。
主筋は主人公姉妹の成長物語だと思うのだが、それを取り巻く人物が問題解決を行うケースが多く、残念ながらあまり馴染めなかった。何となくお話上書くべきこと(主人公の話)と、書きたかったこと(周囲の人々)が剥離していたんじゃないかと感じた。
石と妖怪と人という設定は好みなのだが、作中ピンと来る所もなく残念だった。 -
玉妖と呼ばれる精霊を宿した竜卵石を譲り受けた主人公彩音。精霊に魅入られた姉や、精霊くろがね、驅妖師などが活躍?するファンタジー。創元ファンタジー新人賞受賞作品。
他の感想にもあるが、設定や素材は魅力的だが、消化しきれていない感じ。 -
竜卵石‥‥はざまに出来る石。主の気を受け取って玉妖と呼ばれる精霊を宿す。
そのひとつ、<くろがね>と共に彩音が動く。人や他の玉妖の助けを受けながら妖に立ち向かう。自立しようと頑張る彼女はなかなかカッコイイです。 -
石の中にいる精霊等設定は素敵。
精霊に魅入られた人達中心に話が作られているせいか、とても小さく纏まっていて、設定も世界観も活かしきれて無い気がします。
色々もったいない。 -
美しい石に宿る妖の物語。とても読みやすく正統派ストーリーが良かった。主人公の心情をもう少し書き込んだ方が共感できたかも。玉妖に好かれやすい理由もいまいち伝わらず。あと、くろがねがほとんど活躍しないのが残念だった。こんな石あったら、たまごっち感覚で流行りそうだ。私も欲しい。