- Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532190798
感想・レビュー・書評
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金融経済史を振り返りたい人、哲学的内容が好きな人はこの上巻だけを読んでいれば楽しめると思う。
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リスク管理をしたら、合理的に意思決定できる。
敗者は短い時間を長く見せかける。
勝者は長い時間を短く見せかける。
リスクと時間はコインの裏表。明日がなければ、リスク
なし
統計学はリスク管理の基本
正規分布はリスク管理の中核
富の微量の増加から得られる効用と欲求は、それ以前にその人が保有していた財の量に反比例する
平均への回帰
人的資本 教育 訓練 経験
事実は全ての人間に同様だが、主観は多種多様
2つの重要なポイント
簿記......数の記録
予測 リスク許容と利益
経験によって確実な答えを出すことはない
大きいサンプルの平均は小さいのと比べて真の平均からの乖離が小さい -
視覚は知性への最初の扉である(ルカ・パチョーリ)
判例の統計等を参照する際、「近年は勝訴率が上昇しているから裁判所の判断基準は…である」という意見があります。本書にあるように「過去の結果が将来を決定するという保証はない」であるならば、上記主張の信憑性は低いと思います。
一つの問題としてサンプル数があります。以下、推定計算ですので間違っていたらごめんなさい。毎日一つの判決がなされると仮定すると、一年で365件の判例が生み出されます。信頼度を95%とするならば、300程度のサンプルを抽出する必要があります。さらに、機械・電気・化学等にカテゴライズ(各々1/3存在するとします)され、条文適用として進歩性・記載不備などに分類わけされます。条文の分類については29条、36条が多くを占めることから、各々1/2存在するとします。一例として、化学における記載不備の傾向を考慮する場合は、300×1/6=50件程度調べればよいとなります。
上記推定でもそれなりの確度はあると思います。しかし、統計は「証拠と該当現象とのある関係の存在証明」にはなりますが、「常に予測可能とは限らない」です。
ここで、一義的にある傾向が決める統計に対して、「ケースバイケース」はどんな場合でも使えます(ケースバイケースではない事象などない)。したがって、確度という観点から考えれば、ケースバイケースの主張のほうが圧倒的に有利です。
しかし、何事もケースバイケースで片付けてしまえばそれまでであり、本来回避できたリスクを無駄に背負うことにもなりかねません。したがって、統計が使える観点と使えない観点のバランス感覚を養うことが、統計に振回されず、ケースバイケースという思慮のない意見を排除できる最良の処方箋ではないかと思いました。 -
読んではみたものの、確率や統計の話が深まっていくほど、ついていけない。
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古代から様々な分野の知識人が未来を予測しようとする試みの壮大な物語が述べられている。上巻は主に、数学的な手法による未来の予測をしようとする人々の、歴史的な挑戦を描いている。今日では私たちの生活に親しい様々な経済活動、例えば保険業はもちろん、運搬業や、建築業でさえも、初歩的な数学の進化によるリスクの計量化によって大きく支えられていることを改めて実感した。つまりこの本は、先端的な考えを与えてくれるものではないが、金融業で働くにあたって必要な原理的な考えを示唆してくれる。人類の歴史における未来予測の進歩という壮大なスケールで、リスクに対する考え方が学べるという意味でこの本は興味深かった。金融に関する知識というよりも、リスクに対する数学的な教養を身に付けられ、勉強になる一冊だった。
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歴史。パラ読み。
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同じテーマの本を立て続けに読むと、どうしても後に読んだ本の方が評点の低くなる現象に誰か適切な名前を付けてくれないだろうか?
統計、確率、リスクマネジメントに関する科学史書。面白いです。 -
リスク、数学、統計、確率に興味のある人なら絶対に読むべき!!
わかりづらい文章が多いのが玉に瑕 -
未来を現在の統制下におくためにどのようにすべきか?という点に主眼を置き書かれた作品。将来に対する判断について、計量的手法と数字に裏づけされている過去のパターンに依存するという考え方と、不確実な将来に関するより主観的な信念の程度に基づくという考え方が抗するストーリー仕立てとなっている。この上巻は18世紀までの確率・統計システムの発展について描かれている。数字システムは500年頃までにインドで確立されれ、1200年頃までには今のヒンズー・アラビア数字システムがヨーロッパに普及された。ただ、本格的に確率・統計が発展したのは宗教改革後(元来、未来は神のみぞ知るという考え)及び活版印刷普及後(手記ではごまかしが利いた)。元々は、賭博、様々な保険に対する考え方が動機となっており、専門的な内容をすっ飛ばしても興味深く読むことができます。当たり前のことかもしれませんが、リスクには、時間、計測、人々の主観が関与していること非常に興味深いです。