2666

  • 白水社
4.12
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本棚登録 : 858
感想 : 46
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  • Amazon.co.jp ・本 (880ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560092613

感想・レビュー・書評

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  • 4.22/738
    『文学の新たな地平を切り拓く、遺作にして最高傑作
    小説のあらゆる可能性を極め、途方もない野心と圧倒的なスケールで描く、戦慄の黙示録的世界。現代ラテンアメリカ文学を代表する鬼才が遺した、記念碑的大巨篇! 2008年度全米批評家協会賞受賞。

    2003年、チリ出身の作家ロベルト・ボラーニョは、世界的に名声が高まるなか、50歳の若さで死去した。遺作となった本書は、作家の文学的遺書ともいえる傑出した作品である。
    全五部からなる本書は、謎のドイツ人作家アルチンボルディの作品に魅せられた四人の研究者の物語から始まる。彼らはある目撃情報を頼りに作家の足跡を辿り、メキシコ北部の街サンタテレサに向かうが、そこでチリ人哲学教授アマルフィターノに出会う。数年後、ボクシングの試合を取材するためこの地を訪れたアフリカ系アメリカ人記者フェイトは、国境地帯で頻発する女性連続殺人事件のことを偶然耳にする。1993年から続くとされる事件の多くは迷宮入りとなっていた。そして最後に、作家の知られざる人生と、彼がメキシコに赴いた理由が、想像を絶するスケールで明かされる……。
    あたかもアルチンボルドのだまし絵のように、大小さまざまな物語がちりばめられながら最後に驚くべき全体像が浮かび上がる仕掛け、第二次世界大戦を含むおよそ一世紀にわたる悪と暴力の歴史を織り込みながら、今なお続くメキシコ北部での女性連続殺人事件というアクチュアルな問題をあぶり出す本書は、まさにボラーニョ文学の集大成である。本書によって世界文学の地図は大きく塗りかえられるに違いない。』(「「白水社」サイトより▽)
    https://www.hakusuisha.co.jp/book/b206420.html

    原書名:『2666』
    著者:ロベルト・ボラーニョ (Roberto Bolaño)
    訳者:野谷 文昭, 内田 兆史, 久野 量一
    出版社 ‏: ‎白水社
    単行本 ‏: ‎880ページ
    受賞:全米批評家協会賞(2008年)

  • 倦怠の砂漠のなかの 恐怖のオアシス ―――シャルル・ボードレール


    ボラーニョの遺作。
    860Pというページ数に違わぬ巨作という印象。
    長い長い旅を終えたような読後感…と、正直読み終えたという達成感もある(米か?ってくらいの重さの本を3ヶ月かけて読む経験あんまりない)。

    全5部に分かれている本作
    第1部 批評家たちの部
    第2部 アマルフィターノの部
    第3部 フェイトの部
    第4部 犯罪の部
    第5部 アルチンボルディの部

    第1部は、大まかにいえば、4人の批評家たちが謎に包まれたアルチンボルディという作家を探すという部で、
    私は登場人物の名前をメモしながら読み進めました。

    著者の「野生の探偵たち」――2人の若い詩人が謎の女流詩人を探す旅にでる物語を読み終えたとき、そうすればよかったと思っていたので。

    第5部でこの謎が明らかになるのをワクワクしながら膨大な人名をメモメモしていましたが(めちゃくちゃ人物でてくる)
    第4部 犯罪の部 で心が折れました。

    第1部から第3部にかけて、常に背後にある薄ら寒い不安感、それはサンタテレサという街で起きている大量女性連続殺人事件の存在。
    犯罪の部では、不安感がおぞましさに変わり、ページをめくる手が鈍くなります。
    延々と起こる事件、連なる被害者の名前をメモするのは諦め、ただ淡々と事件の発行現場、死体の被害状況、被害者がなにをされたか、どんな恐ろしい目にあったか、事件簿をひたすら読まされるようなページが続き
    正直気が滅入った。しかも犯罪の部がほかのどの部よりも長く、読んでも読んでも事件は終わらず被害者が増えていくだけ。
    連続殺人やサンタテレサの性モラルも恐ろしかったが、私は著者の狂気じみた執念も怖くなった。
    この長い長い醜悪な部を、どんな気持ちで書きあげたんだろう?私は一体なにを読んでるのか?

    最後の部、アルチンボルディの物語を読むのは、前の部の反動もありとても心踊る体験だった!
    ハンスがアルチンボルディになったきっかけや、入れ子構造の物語には淡々と語られながらも心揺さぶられるものがあった。
    ボラーニョの作品の好きなところは、残虐な世界が淡々と続く中、ほんの少しだけ語り方が優しい瞬間があるところ。

    これまでの部で登場した人物の過去が明かされたところでは、しばらく鳥肌が消えなかった。
    というのも3ヶ月前に読んだ部分なのですっかり忘れていて、なんだか聞いたことあるような…と思って自分の登場人物メモを開いたら、名前があったものだからびっくりした。
    メモ書いててよかったね。

    消失点としての2666
    解説読んでいろいろ納得。
    とりあえず第1部、2666やサンタテレサの言葉がでてきていた過去作「通話」「野生の探偵たち」を読み直すのがたのしみ。ずっと前から構想練ってたんだろうなぁと思うと、今作はこれまでの作家人生の集大成で、遺作としてのエピソードが強すぎるな。(好きだ…)
    Amuleto(お守り)も、2666に関わる作品らしいので、いつか日本語訳でないかな…。

    ページ数や価格にしり込みして迷ってる人がいたら、ボラーニョのほかの作品が気に入ってたら後悔はないと思うので、読むのをオススメします。

  • 私はこの本は面白くなかったと言った。私は最後まで読んだが結局面白くなかったとも言った。私は何かわくわくさせてくれるどんでん返しがあると思ったが、最後まで面白くなかったと言った。
    そう、この本はこんなテンポの書き下しが至る所にあり、句読点がどこまでも続きようやく”。”が来る頃には、何に対しての否定文だったんだろうと、もう一度読み返さなければならない事も多分にあった。
    この本を面白いと書いてる人は、本当に面白いと思っているのだろうか?面白くないと書くと、”こんな大作、お前ではレベルが低くて無理なんだよ”と思われるのに恐怖してそう書いてるのではないか?とさえ思う。
    この物語に結果はない。ただいろんな人物が順行列に出てきてとりあえずレイプしてケツの穴を掘る、もうそんな印象だw
    ただ、この本を読み終えた後、別の本を読んでいる時に、内容うっすーと思ってしまうくらい、無駄に情状的な長文に慣らされた自分に気付いた

  • この小説を前にして、人間は2種類に分けられる。
    2666を読んだ人間と読んでいない人間だ。

  • とにかく長い。特に犯罪の部が長く感じた。全ての事件の詳細だけで100ページ分位費やしているんじゃないかと思った。尺を稼ぐためにいろんな話を寄せ集めた印象もあるが、それでいて全体の整合性が維持されているのはさすが。好きな話はアマルフィターノの落書きの部分。短編ばかりでなく大長編も読めみたいな説教もあるが、この作品に対する作者の並々ならぬ情熱によるものだろう。

  • まだ読み中。何せover 800頁やからね頑張るわね

  • 掲載元/Ginza 2013年1月号
    G's BOOK 豊崎由美のワンダーブック3
    にて紹介。

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784560092613

  • とても一言では感想など書けません。とにかく読んでもらうしか……。一つ言えるのは、読んで決して後悔することはないということだけです。

  • ふう、ようやく読み終わった。
    第5部を読んでまた第1部に戻りたくなる。
    1度目はとりあえず読むことでせいいっぱい、2度目で確かめたり納得しながら読んで、3度目であらためて小説の世界に入っていく感じかも。

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著者プロフィール

1953年、チリのサンティアゴに生まれる。1968年、一家でメキシコに移住。1973年、チリに一時帰国し、ピノチェトによる軍事クーデターに遭遇したとされる。翌74年、メキシコへ戻る。その後、エルサルバドル、フランス、スペインなどを放浪。77年以降、およそ四半世紀にわたってスペインに居を定める。1984年に小説家としてデビュー。1997年に刊行された第一短篇集『通話』でサンティアゴ市文学賞を受賞。1996年、『アメリカ大陸のナチ文学』を刊行。1997年に刊行された第一短篇集『通話』でサンティアゴ市文学賞を受賞。その後、長篇『野生の探偵たち』、短篇集『売女の人殺し』(いずれも白水社刊)など、精力的に作品を発表するが、2003年、50歳の若さで死去。2004年、遺作『2666』が刊行され、バルセロナ市賞、サランボー賞などを受賞。ボラーニョ文学の集大成として高い評価を受け、10 以上の言語に翻訳された。本書は2000年に刊行された後期の中篇小説である。

「2017年 『チリ夜想曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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