会計天国

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  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569709178

感想・レビュー・書評

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  • 【読前メモ】
    貸借対照表や損益計算書の読み方が小説仕立てで紹介されていると聞いて。

  • この手の作品では、
    様々なケースの経営不振企業を題材として、
    会計(決算書)の観点から、問題点を探り、
    解決策を論じていくパターンが常道ですが、

    往々にして、会計情報がてんこ盛りになり、
    結果的に、ある程度の会計知識がなければ、
    読み込むことが難しいケースが多ぃですが、
    本作品も、そのジレンマに嵌っていたかな。

    例えば、第一章の黒字倒産の場合の原因は、
    キャッシュイン<キャッシュアウトによる、
    資金ショートであり、まずやるべきことは、
    現金の流出の抑制と、流動資産の現金化…。

    しかし、会計情報がてんこ盛りになるほど、
    内在する問題の優先順位がぼやけてしまぃ、
    結果、中期的な課題解決論になってしまぅ。
    物語的には、そちらの方が面白ぃけど…。

    ただ、本作品の後半になると、
    会計ノウハウといぅより、経営指南なので、
    尚さら、実業に近ぃケーススタディの方が、
    よかったんじゃないかな~とも思いました。
    でも…、それじゃあ、事業再生になるか…。

    あと…、この手の作品では、読者は、
    経営不振企業の社長さんの立場になって、
    指南を受ける展開の方が移入しやすぃけど、
    これだけ、バラバラのショートケースだと、
    物語に、うまく入り込めないかもしれなぃ。

    会計知識のある方ほど、
    突っ込みどころはたくさんあるでそぅが…、
    でも、決して悪くはなぃ、と思いますよ…。
    評価は、ちと甘めですけどね…。

  • 会計の勉強の為に借りた
    会計に対する意識を変えてくれた良書
    知識を得るためではなく、会計の出来ることをダイジェストにした感じ
    ここからスタートするのは良いかも

  • 大変わかりやすい。ストーリー仕立てながらも無理がない。感心しました。

  • ストーリーとしても面白いし、勉強になった。

  • 今度こそ最後まで読める、会社で使える会計ノウハウ/HEAVEN AND FINANCIAL STATEMENTS ― http://www.php.co.jp/bookstore/detail.php?isbn=978-4-569-70917-8 , http://www.b-science.com/

  • 父子家庭で手塩にかけて育てた娘が今度結婚。父親はウェディングドレス試着イベントに
    急ぐところ、ハンドル操作を誤り事故に。脳死となった父親は「天使」に出会い、
    5人の人生建て直しに成功すれば生き返ることができると取引を持ちかけられ…。

    巷で流行の物語風ビジネス本だが、中身は割りと硬派でBS/PL/CFも頻出する内容。
    自分の業界以外の観点から財務諸表を見ると、また勉強させられる部分があるなぁと実感。


    第1章~決算上は利益が出ていても、運転資金が底をつけば倒産

    ・借入金の元本返済は当期純利益から(元本返済はPLに出ない)
     +固定資産の原価償却期間は往々にして、借入金の返済期間よりも長い
     =税金払えないようなビジネスモデルでは借金を返せない


    第2章~価格競争に陥った会社の建て直し(固定費と変動費)

    ・固定費と変動費を見誤ると利益計画を間違う
     ~変動費=売上に連動しない+金額規模が小さくない+集計の手間がかからない
     ~固定費=上記以外(あまり精緻にやろうとすると継続できない)

    ・どのビジネスモデルも最初は「変動費:大」「固定費:小」だが、
     売上拡大により利益を増やせるよう「変動費:小」「固定費:大」に変化。
     固定費に投資することが参入障壁の構築に繋がる。

    ・「値下げ」(=売上は減るのに、経費は減らない)は「変動費率UP」と同義


    第3章~買収した子会社の粉飾決算脱却(粉飾ポイントとビジネスモデル変革)

    ・粉飾決算の基本パターン
     ①売掛金を増やす~架空の取引先を作る
     ②棚卸資産を増やす→背景に低歩留まり率・低自動化率がないか?
     ③人件費を減らす~小資本の関連会社を作り消費税や社会保険を節約していないか?

    ・会社再生の基本パターン(手のつけやすい順)
     ①節税のテクニックで会社が使えるお金を増やす
     ②会計のテクニックを使い利益を増やす
     ③ビジネスモデルを変革する
      ~親会社の競争力ある商品(コロッケ)を、子会社が持つ販路(コンビに)を
       使って販売する。商品の需要増大に対しては、子会社の余剰設備を活用。


    第4章~事業別収支に基づく経営資源(営業人員)の最適配置

    ・固定費は3つに分類し、部長はまず③の有効活用を考える
     ①全社共通(部署に配分不能/社長の人件費等)
     ②管理不能固定費(部署で管理は可能か/家賃等)
     ③管理可能固定費(課ごとの人員配置等)

    ・どの業種でも、社員1人あたりの粗利益目標は最低2000万円=1時間1万円


    第5章~事業別収支に基づく事業ポートフォリオ管理

    ・事業拡大の3パターン
     ①現在の事業を拡大し規模の経済を追及する
     ②川上/川下に拡大し、コスト削減や顧客接点強化(=マーケティング力強化)を図る
     ③現事業と関係の薄い領域に進出(含:買収等)し、会社の経営リスクを小さくする

    ・すべての固定費をコントロールできるのは社長だけ
     (社長しか事業撤退の意思決定はできない)

  • 交通事故死してしまった主人公、北条が、
    生還の権利をかけて、現世で経営難や組織マネジメントに苦しんでいる
    経営者や管理職に対して、助言をして、彼らを幸福へと
    導くフィクション。
    とはいえ、その過程でふんだんにチャートが盛り込まれ、
    経営に関する実務的な学習ができるという、
    実に工夫がなされている読み物である。

    1章の破綻寸前のアパレルメーカー編でまず財務諸表から問題点の
    発見を学び、
    2章のキャラグッズのSPA企業編では固定費と変動費の支出の
    見直しを学び、
    3章の食品メーカー編では粉飾決算を見抜いてキャッシュフローの改善に
    取りかかり、
    4章では部署のマネジメントと、事業部利益と管理可能利益の構造を学び、
    5章では事業のポートフォリオと戦略の立て直しを考える。

    なるほど、どれも「MBAを学ぶ本」なんかに出てきそうな話だが、
    そういった「教本学習」と違うのは、生身の、弱くて、だらしない人間たちの
    姿が本書では(フィクションだけど)生き生きと描かれ、
    「会計の視座からの再生」が、当事者による実行を伴うプランとして
    意味があるかどうかというところを考えながら読めるところが
    価値がある。

    実際に企業経営者やコンサルタントといった読者は多くないだろうから、
    大半を占めると推測されるサラリーマンにとっては(私もだけど)
    4章の「事業部における利益を会計視点で洗い出して構造改革する」
    という話が一番「役立つ」かもしれない。

    とかくサラリーマンは、大きな会社であれば特に、
    自分自身の担う仕事はセクションの中のさらに1部分ということになって、
    会計的視点などというのは、まずもって、それを持とうという
    インセンティブが働かない。

    しかし、だからこそ、その視点を持ち出したときに、
    目から鱗の大発見、そして、実際の「利益」に繋がる改革のスタート地点に
    なる可能性はとても高いのではないかと思った。

    とはいえ、ほとんど普通はそんなこと実現しないけれど…。

    よく言う「強い企業」にも色々なタイプはあると思うが、
    その1つとして、従業員ひとりひとりが利益創造に対して
    PDCAが回せるタイプの企業もあるのかもしれないが、
    きっとそういった企業は、ここで書かれているようなことを意識的に
    実践する風土があるということなのではないかと思った。

  • 財務が分かり易く読める本。一度しっかり勉強したいと思えるようになった、きっかけとなる一冊。

  • 星4にしようか迷った。
    キャッシュフローの下りとかはためになった。
    会計!!っていうより、決算書を利用した経営戦略の建て方的な感じ。
    物語自体もまぁ面白く読めた。

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