毒 青酸カリからギンナンまで (PHPサイエンス・ワールド新書)
- PHP研究所 (2012年5月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
- / ISBN・EAN: 9784569802855
作品紹介・あらすじ
わずかな量ですぐに人を死にいたらしめる毒もあれば、じわじわと効いて長い時間をかけて毒性が現れるものもある。ある事件では、急性のトリカブト毒にフグ毒をまぜることで、毒性の発見を遅らせることが行われた。この本では、毒の基本知識から、毒の分類、毒にまつわる歴史、毒と食べ物、犯罪や事件と毒、麻薬と覚醒剤まで、様々な毒を取り上げる。毒は、使い方次第では薬になることもあり、その不思議さに迫る。
感想・レビュー・書評
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毒の解説書。フグやキノコのような食べ物の中の毒から麻薬と覚醒剤のような依存性ドラッグまで様々な毒を幅広く紹介する。
大麻は立派な毒である。大麻のタールは発がん性物質は煙草の3倍から4倍もある。この点でも大麻のような依存性ドラッグを煙草と同レベルに扱って相対化することは正しくない。しかも、この大麻の毒は遅効性である。すぐに効果が出ないために大麻は有害ではないという勘違いが出やすくなる。大麻の煙から発がん性物質を吸うことになる。大麻を吸引する本人だけではなく、周囲の人も発がん性物質を吸いかねない。やはり大麻は有害である。
人の味覚は五種類ある。甘味・塩辛味・苦味・酸味・旨味である。これらは五味と呼ばれる。辛さは味覚ではなく痛覚である(123頁)。辛い味で喜ぶことは痛くて喜ぶようなものである。辛さを売りにするメニューがあるが、味で勝負していないことになる。素材を味わいたい向きには辛さは余計である。辛いメニューと辛くないメニューでは辛くないメニューを選択したい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
様々な毒について詳しく書いてあるだけでなく、毒が絡んだ事件などについても触れてあり非常に興味深く読ませて頂いた。
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請求記号:491.5||F 89
資料ID:C0038317 -
新書文庫
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ジャンルの棚に入れるなら『科学』ではなく『社会』。毒と人体についてではなく、古今東西の毒が関与した事故や事件のエピソードの紹介が中心。それでも毒性や症状を切り口にしていればまだ知見を得られただろうが、書き口からはどうしても毒が用いられた背景の物語の方に目がいってしまい、あまり残るものがない。「色んな毒物が色んな使われ方をされてるなぁ」といった程度に眺める分には楽しめるので、気軽に臨むなら悪くはないかもしれない。
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「毒」という言葉だけで、なんとなく分かった気になっている毒の定義や薬との境界が解りやすかったです。
麻薬や毒を使用した犯罪の話が面白かったです。 -
自然界に元からある毒から人間が作り出した毒まで載ってますが
やはり一番の読みどころは毒を使った犯罪の説明でしょうか。
毒と薬は表裏一体、というか医毒同源。
さじ加減によって薬にも毒にもなる、
病原菌やウイルスと同じく
人間にとって毒でも他の生物には全く影響を現さない
結局毒というのは人間の都合によりけりってところでしょうか。 -
斜め読み。
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古今東西の「毒」について記した書。過去には日本でトリカブト毒にフグ毒を混ぜ、毒の発現を遅らせた事件もあったとか。恐ろしい。ちなみに私、ガラかめの中では「毒」のパントマイムが一番好きです。
The book introduces poisons and accompanying stories of all ages and countries. I got a chill...