日本で働くのは本当に損なのか (PHPビジネス新書)

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  • PHP研究所
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  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569815022

感想・レビュー・書評

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  • 欧米型雇用と日本型雇用。
    昨今グローバル化(この表現も謎)が流行りだけど、その言語の根幹にある文化や社会制度と折り合っていけるか。
    経営にとっていいとこどりの職務給では、下方異動の理由作りにしかならない。
    日本型職務給の意味を考えさせられる。

  • 雇用の現状・あり方を一問一答形式で考える。単なる欧米型の礼賛ではなく、丁寧にその背景や実情を読み解く。実際的な提言も含めて、本当によくまとまっている本。最近の働き方ブーム本の決着じゃないかと思います。

  • (2013/11/9読了)日本型雇用礼賛本かと思いきや、「日本型雇用の根本原理は①給料は仕事(職務)ではなく、人で決まる②正社員は全員エリート」でることの長所と短所がバランスよく併記されていた。短所については、ブラック企業の問題と、「女性と高齢者の労働参加という意味では、今のままの日本型は維持できない」をスパッと挙げていて、実に真っ当な内容でした。労働問題の概念整理に良い本。

  • 日欧米の働き方をどちらかを一方的に糾弾するでもなく、過度に賞賛するのでもなく、双方の特徴を描き出す。著者の態度としては、日本型雇用のメリットを礼賛はするが、その維持・継続が困難になった現代における就労環境の問題点を分析。ここ20年程度の求人状況のなかで大卒求人は実は減っておらず、急激に件数が減少しているのは高卒求人であること、日本の就労・就活事情の困難の原因がコミュニケーション重視の産業にシフトが移ってしまったことなど、その姿をデータを参照しながら提起していく。
    日本型雇用の連続性として現れたブラック企業、出産・育児を両立する女性(と同時に男性)の労働市場参入という視点からも必要なエリート・ノンエリートの働き方の差別化という話も押さえていて、網羅的。
    それでも、僕の印象としてはだいぶ日本型雇用贔屓に見える。日本型雇用のメリットである業務異動・調整は大企業しか享受できる仕組みになっていないし、日本型雇用最大のの欠陥である「企業の指揮命令権の巨大化」についてはほとんど触れていないし、フェアではない。でも雇用の仕組みについてはかなり勉強になった。

  • 日本と欧州、米国との雇用システムのメリットデメリットを分かりやすく整理。具体的な提言もあり、実用的。濱口さんの本と一緒に読めば更に理解がふかまるかと。

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著者プロフィール

雇用ジャーナリスト、経済産業研究所コア研究員、人材・経営誌『HRmics』編集長、ニッチモ代表取締役、リクルートキャリア社フェロー(特別研究員)。
1964年、東京生まれ、大手メーカーを経て、リクルート人材センター(リクルートエージェント→リクルートキャリアに社名変更)入社。新規事業の企画・推進、人事制度設計などに携わる。その後、リクルートワークス研究所にて「Works」編集長に。2008年、人事コンサルティング会社「ニッチモ」を立ち上げる。『エンゼルバンク─ドラゴン桜外伝』(「モーニング」連載)の主人公、海老沢康生のモデル。
主な著書に、『「AIで仕事がなくなる」論のウソ』(イースト・プレス)、『雇用の常識「本当に見えるウソ」』(ちくま文庫)、『面接の10分前、1日前、1週間前にやるべきこと』(小学館文庫)、『仕事をしたつもり』(星海社新書)、『女子のキャリア』(ちくまプリマー新書)、『無理・無意味から職場を救うマネジメントの基礎理論』『経済ってこうなってるんだ教室』(ともにプレジデント社)など。

「2018年 『名著17冊の著者との往復書簡で読み解く 人事の成り立ち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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