名作なんか、こわくない (PHP文芸文庫)

著者 :
  • PHP研究所
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784569900988

作品紹介・あらすじ

名作には、女子が今を生きるために必要な情報が詰まっている。若手人気作家を夢中にさせた古今東西の小説を味わう「読書エッセイ」。

感想・レビュー・書評

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  • フランス文学、日本文学、イギリス文学、アメリカ文学、いろんな名作と云われる本が出てきて楽しい!紹介されてる名作文学の抜粋部分を読むだけでも楽しめるし、柚木麻子さんの書評には共感フレーズが大量に出てくる。そして昔の本なのに、今の時代の自分と重ねてしまう女性主人公の作品を多数発見。読まなければと思わされるような文学がたくさん!さぁ、まずは何から読もうかな。あぁ、私の本の読み漁り時期はまだまだ終わらなさそう。

  • フランス文学、日本文学、イギリス文学
    アメリカ文学、の順に分類して書かれている。
    古くは、1600年代から、1900年代に書かれた古典の名作について、クスッと笑えたり、エスプリに満ちた解説で、楽しいエッセイでした。

    かなり昔、読んだ筈の本が、こんな内容だったのか!
    と言う感じで、自分が全く理解していなかったのと、忘れてしまった事で、まるで別の本の様!

    未読の本も、読んでみようかなぁ、と思ってしまう話術?文章で、眼の前で、話しを聞いている様な楽しさ、流石ですね。

  • 柚木さんのエッセイを含んだ本を紹介するための本。
    柚木さんの作品と同様に女性が主人公の作品ばかりです。
    紹介される作品もその時代や境遇に抗うだけの主人公ばかりではなく、様々なタイプの女性が主人公で新鮮味も失われず面白そうな作品をたくさん知ることができました。
    またさすが作家さんというべきか、作品への愛が深いのか柚木さんのエッセイもおもしろく読めます。
    海外作品をたくさん知ることができるのもよかった。
    次何を読もう、となったら開いてみるようにします。

  • フランス文学、日本文学、イギリス文学、アメリカ文学から有名な本たちを柚木さん視線で紹介。
    タイトルは知ってるけど、半分以上読んでなくて、「名作」にはついつい構えてしまってたな。
    柚木さんの文章にニヤニヤしたり吹き出したり。
    思っても見なかった解釈や、時代背景に驚いたり。
    どの本もとても楽しそうに語られるので、もう少し気軽に楽しみたくなった。
    といいつつ、やはり最初は大好きな名作を再読しちゃうかなー。

    罰がなんだよ、それでも私は、やりたいようにやるよ、と言いたげな彼女達の姿に勇気づけられる「赤と黒」

    女性の魅力の正体や、欲しいものを手に入れた時の恍惚とむなしさについて、ここまで突き詰めて描いた物語、それも活字をごくごくと飲み干すような快感を得られる物語「悪女について」

    「私が欧米の古典小説が好きな理由の一つは、登場人物が明らかに[やりすぎる]ところだ。怒ったら相手に向かって一ページくらいかけてまくし立て、ショックを受けたら即気絶、失恋のあまり病に倒れたり、召使いにあたり散らしたり、欲やら恨みやらを何年も何年もしつこく引きずっている。」
    なんか、これって光の君もだわー。

  • フランス、日本、イギリス、アメリカの「名作」を読み解く、書評というかエッセイ集。

    フランス文学と日本文学のチョイスが特に柚木さんっぽくてよいな〜〜と思った。

    ラクロ「危険な関係」の項がすき。そんなことで負けるあなたじゃないでしょ、メルトイユ公爵夫人。

    日本文学編は、全て昭和の女性作家作品。そういえば日本の女性作家は今まであまり読んでこなかったなと後悔。いくつかポチッた。社会に抑圧されながらもしたたかであっけらかんと生きていく日本の女性たち。柚木さんの作品のルーツを何となく感じた。
    〝女の子は誰かのものになんてならず、のびのびと感性の翼を羽ばたかせるべきなのだ。〟(「アップルパイの午後」)

    イギリス文学とアメリカ文学編はもう完全に趣味の世界。
    「1789年」は普通によかったし、「グレート・ギャツビー」は読んでいてなんだかキュンとしてしまった。
    あと「ねじの回転」。釈然としないなと思っていたんだけど、あれはそういう視覚化できない不気味さを楽しむ作品だったんだな。

    そしてダウントン・アビーが観たくなる。

  • 世界の名作のを柚木麻子さんのエッセイと一緒に楽しめて、読んだことのある作品もない作品もわかりやすく面白かったです。

    読んだことのない作品の方が多かったですが、気にはなっていても手が出せなかった名作や、新たに気になった名作など“世界名作劇場”感覚で楽しく読めました。

  • 紹介されている本、全制覇したくなる。
    読みたい本が増えました。

  • 読書好きと言っていいのか悩むぐらい名作と呼ばれる作品を手に取る機会がなかったので、書店で「名作なんかこわくない」というタイトルに惹かれ、もともと柚木麻子さんの小説が好きなこともあり買ってみました。

    柚木さんの最近の出来事に沿って紹介されていくのでとても読みやすく、きっと自分から進んで手に取ることはなかったであろう読んでみたいなと思う作品がいくつかありました。

  • 好きな作家さんから、読書案内をしてもらえるなんて本当に幸せ。
    読みたい本リストがさらに分厚くなった。

  • 古典の文学作品を柚木麻子さんがハイテンションに(いい意味)紹介してくれている本で、小説が得意じゃない私も作品を読めそうな気がしてきます。

    キャラクターや人間関係やストーリーの、きれいなだけではなくドロドロしたりごたごたした部分にこそ、作品の醍醐味を見出す柚木麻子さんの視点が素敵だなあと思いました。

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著者プロフィール

1981年生まれ。大学を卒業したあと、お菓子をつくる会社で働きながら、小説を書きはじめる。2008年に「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞してデビュー。以後、女性同士の友情や関係性をテーマにした作品を書きつづける。2015年『ナイルパーチの女子会』で山本周五郎賞と、高校生が選ぶ高校生直木賞を受賞。ほかの小説に、「ランチのアッコちゃん」シリーズ(双葉文庫)、『本屋さんのダイアナ』『BUTTER』(どちらも新潮文庫)、『らんたん』(小学館)など。エッセイに『とりあえずお湯わかせ』(NHK出版)など。本書がはじめての児童小説。

「2023年 『マリはすてきじゃない魔女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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