バイバイ、ブラックバード

著者 :
  • 双葉社
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本棚登録 : 5864
レビュー : 904
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575236958

作品紹介・あらすじ

太宰治の未完の絶筆「グッド・バイ」から想像を膨らませて創った、まったく新しい物語。1話が50人だけのために書かれた「ゆうびん小説」が、いまあなたのもとに。

感想・レビュー・書評

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  • 装丁がとてもきれいです!

    星野一彦が「あのバス」に乗るまでに同時に付き合っていた5人の女性に別れを告げに行くお話。
    抽象的な表現しかされていない「あのバス」が怖すぎる。いい人だけどなんだか地味な星野と地味なようで個性的な5人の女性たち。別れ際は少しほろりとしてしまいます。

    5人目の女優のお話がよかったな…。幼少期星野君がかわいい…(笑)サイボーグのマネージャーが泣いていたのがぐっときました。

    繭美と星野のテンポの良い会話が面白かったです。めちゃめちゃ口が悪いけどなんだか憎めない繭美。
    繭美も星野の不思議な魅力に魅せられた女性の一人となったのではないでしょうか。
    終わり方いいですね。「残り全部バケーション」のような続きを読者に委ねる感じでした。

    「キックした」
    繭美、星野君を助けてくれーっ!

  • カテゴリを悪い男にしたものの、星野ちゃんは悪いと言うより人が良すぎて…というところ。

    イチゴ狩りでギャルも狩り、映画のように突然車の前に立ちはだかったり、キャッツアイもどきの犯行を阻止しようとしたり、女優の飲んでいるスポーツドリンクの味を知りたがったり、結果五人の女性と同時並行で交際してしまう星野ちゃん。

    金はなく、知らない間にとある権力者の怒りを買ってしまい、「あのバス」に乗せられてどこかへ送られる運命にある彼は、身長180cm体重180kgの(多分)女 繭美に監視されている。

    繭美同伴で星野ちゃんは五人の女性に会いに行く。「彼女と結婚するので別れてくれ」と。

    「あのバス」に乗り込んだ人間はもはや人間ではなくなってしまうほど恐ろしい場所に送られる、その組織や目的地は明かされないままで不完全燃焼の感もあるが、このお話は素敵だと思う。

    悲惨なはずの星野ちゃんの運命、なのにくすりとしてしまう伊坂さん流のエピソードが詰め込まれている。

    「同情」や「色気」「可愛い」などの言葉を塗りつぶした辞書を持ち歩く繭美を次第に好ましく感じてしまうのも良い。

    太宰治の未完作「グッドバイ」を参考にしているらしいと聞き、「グッドバイ」も読もうと誓う秋の夜長。

  • とある理由からとある組織に「あのバス」で連れ去られてしまうことになった星野。彼は連れ去られる前に付き合っていた5人の女性に別れを告げるために、組織からやって来た謎の大女・繭美と女性たちの元に行くのだった。
    クールでかっこいい装丁から、そういう話だと思って読み始めたらスラップスティックコメディでした。5股を掛けていた男が、この人と結婚することになったから別れてくれと告げる物語なのですが、その「この人」が暴力と暴言の固まりのような大女なのですから。しかし話の展開は実に伊坂幸太郎的なのですね。細かいセリフのひとつひとつにまで物語上の意味を持たせてしまう。その展開の小気味よさを味わえます。それでいて大きな謎は放ったらかしというのもいいです。
    また星野と繭美という人物造形が面白いのですね。先の計算をせず、その時の思いのまま動くため二進も三進も行かなくなる星野。初めはどうしようもない男というイメージを持ちますが、読み進めていく内に「悪い人じゃあないんだけどねえ」「いや、いい人ではあるんだけどねえ」と印象が変わります。さすがは5股ができる男。そして作中で怪獣的な扱いをされる繭美に至っても、読み進める内にちょっと好意を抱いてしまうんです。これは星野の目から繭美を見ているからでしょうか。そしてその好意を抱く原因は、星野自身の人の好さに由来するのかも知れませんが。
    で、あちこちで書かれていましたが、僕も繭美はマツコ・デラックスしか脳内に描けませんでした。それしかないでしょ。うん。

  • 伊坂さんの作品はほんとに惹かれます。読んでるうちにほんとにおもしろくなってくる!最初はうまくつかめなくても最後にはああーーってなったりします。星野ちゃんみたいな男はちょっと嫌です。やっぱ浮気はよくない!マユミの話し方が乱暴だけど的を得ていてすごく面白かった、最後はバスの行方がすごくすごく気になってたけどやっぱり明かさずじまいでちょっと残念だった・けど面白かったです読みやすかった(*´ω`*)

  • 伊坂さんらしいテンポの良い話だった。
    台詞が多く、かけあいが楽しい。
    星野と彼女たちとの出会いが、一風変わっているものばかりで、たしかにこんな出会い方をしたら仲良くなるよなぁと思わせられた。

    繭美のイメージはマツコ。
    共感できる人も多いことだろう。
    傍若無人だけれど、憎みきれないところが、伊坂さんらしいと思えた。

  • 繭美のビジュアルイメージがマツコ・デラックスに脳内変換されてしまい、そのおかげで場面を想像しやすかった。

  • 結局最大の謎は隠されたままだったけど、流れは最高!5股していた男の人が全員に別れ話を持ちかける話。

  • 伊坂さんの本はおもしろくてゆっくり味わって読みたいのですがすぐ読んでしまいます。ちょともったいない。
    星野君とだったら六股かけられてもお友達になってもいいかも・・・。
    でもやっぱり繭美さんがとっても頼もしくていじらしくてせつなくてこわいけど好きかも。
    ギアナ高原ノテーブルマウンテンとエンジェルの滝 とか、ドカベンの話とかおもしろいフレーズが多いので、2色のしおりひもはなかなかよいです。

  • 分類としてはシリーズものの短編集、かな。
    こういう白黒つけない終わり方、割と好きだ。ラスト付近、ご都合主義の展開になったらどうしよう、と一瞬懸念があったけど、さすがにそうならずにモヤモヤ終わったので満足。

  • なんじゃこれ、っていうストーリーだけど……よかった、好きです。
    〈あのバス〉で恐ろしい場所に連れて行かれる前に、星野一彦は5人の彼女にさよならを言いに回る。5股もかけているのに、それぞれの別れにはうるっと来る優しさがあって。

    伊坂幸太郎が、ひとつ書くたびに50人に郵送したという5つのストーリー。
    そして書き下ろしの最後の1編で、巨漢の繭美が感動をくれました。

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著者プロフィール

伊坂 幸太郎(いさか こうたろう)
1971年千葉県生まれの作家。東北大学法学部卒業後、SEとして働きながら文学賞応募し、2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞受賞、デビュー作となる。その後作家専業となり、宮城県仙台市に在住しながら執筆を続けている。2004年『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、同年『死神の精度』で第57回日本推理作家協会賞短編部門、2006年平成17年度宮城県芸術選奨文芸部門、2008年『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞、第21回山本周五郎賞をそれぞれ受賞。同作で直木賞の選考対象となることを辞退したことも話題になった。上記受賞作のほか、『重力ピエロ』、『バイバイ、ブラックバード』、『アイネクライネナハトムジーク』など話題となる作品は多い。代表作も殆どが映画化されている。最新作に『フーガはユーガ』。

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