リセット(新装版) (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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感想 : 150
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575523454

感想・レビュー・書評

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  • この方の本は何冊も読んでいた。
    本書「リセット」は、あとがきによると筆者が最も思い入れのある一冊らしい。
    なるほど、確かに力がこもっている感じがした。力というか怒りかな…?笑
    女性として社会で受ける理不尽を、これでもか!というくらい込めた力作。
    読んでいてイライラする部分は多いが、それは筆者の想定どおり。
    SFっぽい要素があり、てっきりドラマチックでポジティブな方向に人生を変えていくのかと思いきや、しっかりと現実に向き合っていくように収束していく。そういうラストもなかなか良いね。

  • 本屋で読んだことのない作家を探していて、手に取った本。
    誰しもが思うことを3人の40代の女性を軸に展開します。
    最後の結末も良かったと思います。

    置かれた場所で咲きなさい
    的な内容ですが、説教臭くないのは良かったです。
    感動はしないけど考えさせられる本。ということで★4つ。

  • 出てくる男性たちの女性への感覚、今もあんまり変わらない気がするな。表面的には理解があるふりしても、本音では…。人生のリセットはファンタジーだけど、結構リアルな世界だったと思う。

  • 今日が、人生で一番若い日です。
    思い立ったが吉日。やりたいことやろう。

    他人の人生に口出しする人は大抵満たされていない人か、暇な人。無視無視。

    タイムスリップがテーマの話を読んで思うのは、一度目の人生で大抵丸く収まるものであるということ。
    自分が信じたように好きなように生きていたらそれでいい。自分が、自分にとっての最大の味方である。

    隣の芝生は青い。
    けれど、羨ましいということは、その人のことを何も知らないのと同義だとどこかで聞いたことがある。

    たられば言ってても仕方がない。
    この物語のようにタイムスリップできるわけじゃないし、
    現実を受け入れ、より良い方向へ向かうよう努力するしかないと思った。

  • おもしろかった。
    3人の女性が、人生をやり直し、かつて気づかなかったことに気づいていく。自分も今のまま過去に戻ったら、そのころ気づかなかったいろんなことに気づくだろうと思う。 
    やり直してもうまくいかないが、自分の考えを変えることで、今の人生もリセットできるということに気づいた感じがする。
    私は、こういう過去と未来を行き来する話、好きだと気づいた。

  • 垣谷美雨の作品はどうもふた通りに分かれるのでは
    題名の長いみんなが思ってることを
    そのまま題材にした「姑の遺品整理は迷惑です」
    みたいなパターンと
    これはまた違う。
    しかし中に流れる男尊女卑
    女は男のいうとおりにしてたら云々的な。
    ことは脈々と繋がってる。

    ある同級生があい、
    タイムトリップして過去に戻る!
    あまり好きな設定ではない

    途中の3人三様とも現在に愚痴を抱き不満に暮らしている
    そこで
    高校生に戻り
    結果
    どんな環境になろうとも
    本人が変わらない限り
    不満は不満であり
    本人自身が気がつかない限り
    不満は同じであり
    またーこれ以上書くとネタバレだが
    経過はイライラした


    しかし、最後は上手く仕上げている。

    こんな時空を超える作品は苦手!

    作者の言わんとすることは
    賛成する。

    姑〜の作品の方が好ましい。

  • 主婦、2人の子持ちの「知子」
    夢は女優
    独身キャリアウーマンの高学歴の「薫」
    結婚して子を授かれば母に褒められると思う
    高校中退フリーターの「晴美」
    高校卒業すること、結婚して平凡な人生を願う
    高校が同じ3人は再会
    高校時代にタイムスリップする

    心は47歳見た目は女子高生の3人が
    どういう人生をやり直すかが面白い

    どんな環境でも、もっとこうあればと思う
    人間はないものねだり
    でも、ないものねだりから1歩すすめるはず
    輝くかどうかは自分次第

    女はたくましく美しい
    とこの本を読んで思った

  • 兵庫県の田舎の高校時代の同級生、晴美、薫、知子の三人が東京で偶然再会し、高校三年生にタイムスリップする。
    人生に後悔や不満ばかりだった三人はあんな人生は歩むまいと必死に生き直すお話。

    三人のやり直し人生はそれぞれに面白かったけど、個人的には知子が笑えた。
    成績優秀で四年制大学への進学を望むが、両親が女は短大で十分と、短大へ進み普通にOLになり、出産により専業主婦になったが、もう二度と専業主婦にはなりたくない、密かな夢だった女優を目指し、晴れて女優になるも、デビュー作でヌードになったがために、その路線の役しか来ない。

    隣の芝生は青く見えるというか、幸せそうな人、成功者が羨ましくなるけど、そんな人たちも全く悩みや苦悩がないわけではない。
    どんな人生にもいいこともあれば、反対に悪いこともある。

    三人はやり直してみて、自分が憧れた人生も良いことばかりではないことがわかる。

    私ももっと勉強してもっといい大学へ行っていたら、就職先も変わっていただろうし、今頃どうなっていただろう?と思わないこともない。
    でも、戻りたいかといえば…学校生活は嫌だし…何だかんだ悔やんだりしても、今のこの人生は自分が選んだ、そうなりたかったんだと思う。

    再びタイムスリップする前に戻る三人。
    「もう逃げるのはやめたのよ。あの時点から逃げないで、もう一度自分の人生を切り拓いてみたいの。今度こそできそうな気がする」というセリフが心に残った。

  • 読み終わって感じたことは、人を変えるより自分が変わった方が手っ取り早い。隣の芝生は青い!

  • 現実にはあり得ないタイムスリップですが、3人ともそれぞれ魅力的で懸命に生きる姿に好感を持ちました。自分にもまだまだ古い考えがあることもあらためて思い知らされた気がします。

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著者プロフィール

1959(昭和34)年、兵庫県生れ。明治大学文学部卒。2005(平成17)年、「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。結婚難、高齢化と介護、住宅の老朽化などの社会問題や、現実に在り得たかもしれない世界を題材にした小説で知られる。著書に『リセット』『結婚相手は抽選で』『七十歳死亡法案、可決』『ニュータウンは黄昏れて』『夫のカノジョ』『あなたの人生、片づけます』『老後の資金がありません』『後悔病棟』『嫁をやめる日』『女たちの避難所』『四十歳、未婚出産』などがある。

「2023年 『うちの父が運転をやめません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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