リセット(新装版) (双葉文庫)

著者 :
  • 双葉社
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感想 : 150
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575523454

感想・レビュー・書評

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  • 3人の主人公と同世代なので物語の中に入っていきやすくて、あっという間に読み終えてしまいました。

  • 女性が社会に出て働く大変さ、専業主婦の大変さが描かれている。男性社会の中でリセットしてやり直しても、自分が考えていた生活は夢物語で、結局は自分の元の人生に責任を持って生きていくことの大切さに気づいていく。

  • 自分の思いを代弁してくれているような共感小説。

    私の人生、果たしてこれで良かったのか、もっと違う生き方があったんじゃないかとふと考える。
    作中に登場する三人の女性の様に私も高3のあの日に戻ってみたいと何度も考えた。

    でも待てよ。
    そうすると将来会えるはずの息子に会えなくなってしまう。
    その1点だけで戻る事を躊躇う。

    ない物ねだりをする様に手に入れる事が出来なかった物事を数えるより、両親や息子からの愛情など与えられた物の大切さに気付かされる。

    リセットしてもきっと不満は出て来るはず。
    腰を据えて人生やっていくしかないのだ。

  • Audible より

  • 人生やり直したい、と思うことが誰しも一度はあるはず。40代の同級生3人が、高校時代にタイムスリップしてそれぞれの人生をやり直す話。
    やり直しの人生で、夢に挑戦したり安定した生活を求めてパートナーを探したり…それでもどこか、物足りなさを感じ、結局は最初の人生に戻ってリスタート。
    タイムトラベルものは運命を変えるとか世界を救うとか、そこそこ大きい規模の物語が多いですが、あくまでも自分の人生だけを軌道修正するような、それも40代目線なのですごい安定路線というか、リセットといいつつも慎重な感じ。
    もっと思い切ればいいのに!と歯痒い場面もありつつそこが40代のタイムスリップだよな〜という納得感。特に、元の時代の自分より若い母親に対して、既に経験した子育て業の偉大さを説き、家事を手伝う場面はじんわりしました。
    取り戻せ青春!というストーリーではないですが、これはこれで新しいタイムトラベルもの。

  • 3人の女性の今までの人生を知り、過去に戻りやり直したが上手くいかない人生。
    過去に戻ることで色んなことに気付かされ、元の人生に戻り自分の力で最悪と思っていた人生を好転させる
    とても面白く、人生において自分次第で変えれると思わせてくれるとても良い本でした

  • 50歳手前の3人の女性が主人公。同郷の3人がたまたま出会い、高校生の頃にタイムスリップしてしまったら…、というタイムリープ物。
    主人公はそれぞれ専業主婦、キャリアウーマン、2つのバイトの掛け持ちと生活環境が異なるので、読者はそのうちの誰かに感情移入しやすいかもしれない。
    年代的には1980年生まれの自分よりも上の世代なので、今よりかなり強く男尊女卑や女性が社会進出することについての難しさが描かれている。

    タイムスリップすることで、3人の育った環境も語られていき、子供の頃に植え付けられたトラウマを抱えながら皆生きていることが分かる。これは誰しもがそうだと思いとても共感出来た。その中で新たに理想だった人生で生きていこうと+30歳の精神年齢という少しチートモードな状態で物語は進んでいくが、その中でも上手くいかないことや不満が出てくる。

    しかし、異なる二つの人生を生きてきたことで友人達のお互いの気持ちを理解やすくなり、最後は元の人生で経験を生かして生きていこうといったハッピーエンドに。

    作中に出る男性キャラクターが本当にゴミ屑のような人しかいないので、ついつい「一発かましてやってくれ」と思いながら読んでしまった。特に旦那さんの男性は最悪である。
    そして最後がハッピーエンドでよかった。そこそこ長かったので、これで落ちる結末だったら読み終えた1日らどんよりとした気分で過ごしていたことだろう。そして、昨今のニュースでようやく「大手企業では若手でも有能な人には役職につけることが可能となりました」のようなニュースが出ているようじゃ、まだまだ働き方の改革には時間がかかるなぁと感じた。

  • 自分が18歳に戻れたらどうしようと思って楽しく読んだけど、最後がみんなうまくいきすぎてちょっと微妙かなー。それにしてもみんな割と行動が子供すぎる時があってびっくり。

  • 「あの時に戻れたら…」そう思ったことがある人は多いはず。その思いが本当に実現して、しかもちゃーんと十数年過ごしちゃうのが驚きです。
    結局は何を選んでも後悔はどこかで現れてしまうんだと思います。結婚した人生、独身の人生、仕事を辞めた人生、仕事に生きた人生、子どもを産んだ人生、色々な選択肢がある中で、自分が今いる道、選んだ道の良さにいかに気付けるか。うまくいかない時に、矛先を他人に向けるのか自分に向けるのか、どうにか踏ん張って頑張るのか諦めるのか。選択肢の連続で頭がおかしくなりそうになるかもしれないけど、きっと自分が選んだ道は自分にとってベストな道なはず。そう思って、後ろや隣を見ずに、前を見て進んでいきたい。
    女の人生、振り幅が広すぎるよなー。

  • もし、もう一度あの頃に戻ることができたら・・
    女性なら誰しも一度は思った(思っている)であろう願望をこの小説は疑似体験させてくれる。
    47歳の知子、薫、晴美の3人が30年前(高3)に
    タイムスリップして違う人生を生き直す。そして
    その先には・・
    スピード感溢れるストーリー展開に手が止まらず
    一気読みでした。

    垣谷さんの小説は身近な社会問題を取り上げながら
    決して重くならない。
    「あなた一人じゃないから一緒に頑張ろうよ!」
    ポンと肩を押してもらって元気になれる。
    知子がリセットを決める時に言った言葉
    「母親にとって、娘は代理走者だった。母親自身が
    実現できなかった夢を娘に託したのだから!
    ・・でももう逃げるのはやめた。あの時点から逃げないでもう一度自分の人生を切り拓いてみたい」
    が、ずしりと心に響いた。

    この本が出版されたら、人生にもう思い残すことはないと思った。やっと文章にすることができた。
    (著者インタビュー)
    これからも読み続けたい作家さんだ。

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著者プロフィール

1959(昭和34)年、兵庫県生れ。明治大学文学部卒。2005(平成17)年、「竜巻ガール」で小説推理新人賞を受賞し小説家デビュー。結婚難、高齢化と介護、住宅の老朽化などの社会問題や、現実に在り得たかもしれない世界を題材にした小説で知られる。著書に『リセット』『結婚相手は抽選で』『七十歳死亡法案、可決』『ニュータウンは黄昏れて』『夫のカノジョ』『あなたの人生、片づけます』『老後の資金がありません』『後悔病棟』『嫁をやめる日』『女たちの避難所』『四十歳、未婚出産』などがある。

「2023年 『うちの父が運転をやめません』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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