小説 星守る犬<新装版> (双葉文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575525601

作品紹介・あらすじ

道ばたでないていた子犬の「ぼく」を、みくちゃんって女の子が拾ってくれた。みんな一緒の楽しいくらしは、ずっと続くと思っていた。でも、家族はだんだん離ればなれになって、ぼくは一人取りのこされたおとうさんと「旅」に出ることになったんだ――日本中が涙した大ヒットコミック、その感動が小説になって蘇る!

感想・レビュー・書評

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  • あれあれ、いきなり涙腺が緩むような展開ッ!
    決して人前では読まないで下さい

    こちらは村上たかしさんのコミックを、原田マハさんが小説化した作品なのだそうです

    お父さん(飼い主)と、いつまでもお父さんを愛し続ける愛犬ハッピーのお話です

    それに加えて、お父さんとハッピーの事を調べるうちに福祉事務所の奥津さんも、愛犬だったバンとの生活の日々を回想します

    いつも真っ直ぐなハッピーがとっても可愛くて、穏やかで優しいお父さんが大好きな気持ちが沢山伝わってきました
    遊んでもらえると、嬉しくて尻尾をちぎれんばかりに振るしぐさ♪
    大好き過ぎて、お父さんの顔中を舐めまくる姿♫
    犬って、こちらが照れてしまうほど表現がストレートなんですよね(*≧∀≦*)

    でも時が経ってその生活はいつまでも続かなくなり、新たな展開が待っていました。。。

    世の中、これでいいの?

    お父さんの財布を盗んだ少年も、将来きっと苦しむのでしょうね

    話はハッピーの目線で話が進みますが、実際犬がどう考えているかはわかりません
    何が犬にとってしわあせなのでしょうか

    悲しくて切ない、それでいて温かくもあるお話でした

    カバー絵がアンリー・ルソーの『婚礼』で、素敵でした

  •  本作は、原田マハさんが村上たかしさんの同名コミックに惚れ込み、小説化した珍しいタイプの本のようです。逆パターンは結構多いのだそうで‥。(小説のコミック化・映画化ともあまり関心がなく‥)

     今回、著者がお気に入り作家の一人である原田マハさんであること、更に昨年、17年連れ添った愛犬を亡くしたこともあり、何となく手にしました。

     子どもでも読める平易な文章で、特に中心となる犬の視点で描かれた内容は切なく涙を誘います。が、そんな単純な話だけでなく、人間の思いやりや身勝手さ、犬の一途な寄り添う気持ちと共に、愛することや幸せなど、根源的な問題について自問させられることが多々ありました。
     井上ひさしさんの「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく〜」の言葉がピッタリな内容で、親子で「主人と犬は、不幸だったのか幸せだったのか」「愛するってどういうこと?」などと、語り合うのも素敵だな、と思いました。

     村山さんの原作コミックは分かりませんが、一人と一匹の死へ向かう旅を中心に据え、前後に福祉事務所職員を登場させ、その死後を描いています。
     この(村上さんの原体験という)「原野の放置車から白骨遺体、近くに一部白骨化した犬の死体が発見され‥」という、交差点での電光掲示板ニュースから始まる物語の構成も素晴らしいと感じました。
     読めばきっと身の回りの人や動物に、優しくなれる物語だと思いました。

  • 切ない物語だった。
    福祉事務所に勤める「私」=奥津が、原野で見つかった人と犬の最期に思いを馳せ、自分の生い立ちと飼い犬に重ね合わせるラストが感動的。

  • わんちゃん目線の文章に共感しました。犬とお話ししてみたいですね。

  • 村上たかしさんのコミック"星守る犬"を、原田マハさんが小説化した、犬と人間の絆の物語。犬好きにはたまらない。

    野原で死後1年の白骨化した男の死体とそれに寄り添う死後3ヶ月の犬の死体。ハッピーと名付けられた犬の目線で、その経緯が描かれている。
    常に穏やかで優しいおとうさんだが、妻と娘には、失業し、持病のあるおとうさんとは一緒にいられないと出ていかれ、旅の途中で助けた身寄りのない子供に財布を盗まれるなど、人との関係においては理不尽な目にあってしまう。一方で、ハッピーとは深い信頼と愛情での結び付きが感じられ、途中から涙が止まらなかった。

    さらに、この死体を荼毘に伏す役を担うことになる、福祉事務所の職員、奥津もまた、子供の頃に犬を飼っていながら、ちゃんと世話をしてあげられなかった後悔を胸に抱えていた。
    子供は冷たい。最初は夢中で遊んでいても、成長とともに他のことに気を取られ、ペットの世話が蔑ろになることは多いと思うが、自分はどうだったか。もっと一緒に遊べばよかった、優しくすればよかったということがなかったか、などと考えて少し苦しくなった。

    原作のコミックも読んでみたい。

  • まだ。
    君のケージやベットは片付けられないでいるよ。

    もう一度引っ張ってくれないかな。
    ポケットのリード・・・。

  • 村上たかしさんのコミックを小説化したもの、ということ。
    短いながら、泣けるストーリー( ; ; )
    犬好きや動物好きに是非読んでほしい本。
    わんちゃん、なんという愛おしい存在。

    しかしずっと頑張ってきたのに、病気になり職を失った途端おとうさんを捨て去るおかあさんとみくちゃんは酷すぎる。優しくしてもらったのに全財産を盗んで去った少年も…
    おとうさんとハッピーが再会して、永久に楽しく幸せに過ごすことを信じたい。

  • 原作コミックをマハさんが小説にした本。マハさんが実際に犬を飼っていただけに、文章からも想いが伝わる気がした。恐れずに愛す。大切なことを思い出しました。

  • 村上たかしさんの同名漫画は家に2まであるのですが、原田マハさんの小説化、そして最近飼い犬を亡くしたこともあり、読んでみました。
    原作そのままの世界観で、とてもよかった。
    そして、漫画を引っ張り出して読み、映画も観たくなりAmazonプライムで観てしまいました。
    愛犬を思い出しながら泣きました。
    どっぷり「星守る犬」につかって思ったのは、やはり原作が1番いいということです。

  • ここに繋がるとは。原田マハさんの読んで原作あるのが分かって見つけたよ。ちゃんと漫画でちゃんとドラマでちゃんと泣けた。凄くいい、そして村上さんも原田マハさんも各々出し切って、世界観を見いだす。とてもいいどっちもいい、あーしかも3月に同時に出したんだね。小説もサムイボで、漫画でもサムイボだよ。あの消えた少年が酷い生活していたの判っていたが描かれてないので気にはなっていたから、続きというか初めというかエンディングがどうあれ安心した。少年のおじいさんが善人で良かった。あと柿本おばあちゃんが亡くなって、でもねぇ〜

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

原田マハの作品

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