- Amazon.co.jp ・マンガ (150ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575940107
感想・レビュー・書評
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森下裕美といえば「少年アシベ」で、少年アシベといえばゴマフアザラシのゴマちゃんで、森下裕美はゴマちゃんの漫画家として認識されることが多い。
でもそれは森下裕美の魅力を表していないし、かえって魅力を覆い隠してしまっている。森下裕美の魅力は、市井の人々の生活、日常の悲喜劇を活写することにこそある。嬉しいことも楽しいことも辛いことも醜いこともすべてを引き受けるからこそ、少し意地の悪そうな四頭身のキャラたちがリアリティをもって描かれる。
市井の人々の描くという点、美醜ひっくるめた引き受け方という点において、森下裕美の立ち位置は業田良家に近いかもしれない。最近の業田良家が市井の人々をとりまく社会の制度やシステムに関心を移しているのに対して、森下裕美はどこまでも市井の人々に寄り添い続ける。
そうした意味で、この「大阪ハムレット」は森下裕美の魅力が存分に発揮された代表作だと思う。一話一話読むごとにほんと泣きそうになる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
関西人、大阪府民なら完全「こんな奴おるおる」ってなる人情漫画!
意外とストーリーの登場人物が繋がってたり。
ひとつひとつの物語は重いのに、
底辺から突き上げる明るさのおかげで読んでて笑う。
でも人情ものに弱い人が読むとすぐ泣けてしまいます。
とくに、下の兄弟ができる話は
暗いのに明るすぎて、泣きながら笑えます。
顔がぐちゃぐちゃになるので
電車で読むのはオススメしません。笑 -
いやぁ、これは油断ならない本です。
重い現実を抱えながら、それでも生きてく市井の人々。
例えば、女の子になりたい男の子とか、中学生であることを隠して大人の女性と付き合う少年の恋とか。
絵のせいか、一見むちゃくちゃ重くは感じません。
でも、読み終わった後、何か色々考えると言うか、胸にずっしり残るものがある。 -
大阪弁最高ですよね!ひとつの話がそれぞれとても温かくて切なくて、本当に読んで損はないお話だと思います。柔らかく泣きたくなる。人間て愛しいなぁ。
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様々な人間模様が描かれるんだけど、独特な絵でありながら、なんだかすごく惹き込まれて、胸が熱くなる。
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読み返し。一巻だけでこの密度。この作者の最高傑作。
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人情
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2018.3.31市立図書館
どこかでおすすめされていたのをみて予約を入れた(そのきっかけがもはやおもいだせない…)。登場人物がそこはかとなくつながった連作短編風。再婚、女の子になりたい男の子、年の差恋愛などの当事者や家族の複雑な心中…ちょっと重くなりそな家族のテーマを淡々と描いている。読みながら、「少年アシベ」の人だなぁ…と気がつく。
大阪ハムレット/乙女の祈り/名前/恋愛(前・後)/おんなの島