- Amazon.co.jp ・本 (143ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582634655
作品紹介・あらすじ
日本人になったギリシア人、魔都・上海、移動写真館、草競馬、バスでひまつぶし、金沢グルメ、放浪、沖縄島唄、イラスト地図、フローラ逍遥、イタリア歩き…作家15人の旅路。
感想・レビュー・書評
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旅と文学の気分を味わうに好適な一冊です。文学と人生を気軽に考えはじめてみようか、という気分になったら手にとってください。個人的にはコミさんが取り上げられているので、それだけで満足です。
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何の変哲もない商店街。無意識の興味に促され思わず足を踏み入れる。近所と何ら変わりない商店街なのに空気の肌理が突如として細かくなる。漠とした動機が言い知れぬ充足感と親近感を味わわせてくれるという。未知なるものに触れる喜び、それが旅の喜び。小泉八雲、萩原朔太郎、寺山修二、種田山頭火・・・・・。名だたる作家のそれぞれの旅を美しい写真とともに綴られている。ありし日の作家たちの目線で追体験を楽しんだ。
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金沢は作家の方に人気の土地なのですね。又行きたくなりました。
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作家たちは、何を求めて、何を見つけて、
旅に何を感じたのだろう・・・。
そんな興味を抱いて、手にした一冊。
人に会うため、何かを経験するため、
確かめるため、発見するため・・・
それぞれの作家らしい旅の目的が
「ここではない、どこかへ」行くことの
愉しみをおしえてくれる。
表紙にある寺山修司の詩より
「漂白とは、たどりつかぬことである。
たとえ、それがどこであろうとも、
われわれに夢があるあいだは、
‘たどりつく’ことなどはないだろう」
たどりつかないから、次の旅の夢をみる・・・。
旅は、何かを創造することに似ているのかもしれない。
そんな旅へのあこがれを、より一層強くした。 -
斜め読みで返却。またフラリ手に取って、彼ら彼女らの旅に嫉妬するんだろうな
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メモ、スケッチ、写真など旅の記録が作家それぞれの旅のスタイルを表現している。特に林芙美子、村松梢風、田中小実昌、宮脇檀がいい。
「毎年、冬になるとあったかいところ、夏は涼しいところでふらふらしている。取材などではない。昼間はバスにのり、映画を見て、夜は酒を飲んでいる。」田中小実昌
「元来、僕が写真機を持っているのは、記録写真のメモリイを作る為でもなく、また所謂芸術写真を写す為でもない。一言にして尽せば、僕はその器械の光学的な作用をかりて、自然の風物の中に反映されている、自分の心の郷愁が写したいのだ。」僕の写真機 萩原朔太郎
いつも旅に出ていたい、と思わせる一冊。