- Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582768152
感想・レビュー・書評
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なんというか、孤独を愛する/成熟しない/変わり者/研ぎ澄まされ女子大集合、といった様相となっている。
マッカラーズが、(今まであまりそう感じたことがなかったのだけれど)意外と現代的に感じられた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
(後で書きます)
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このアンソロジーの「レズビアン」の定義は「女性同士の豊かな内面生活の共有、男の専制に対抗する絆、実践的で政治的な支持の与え合い」、かつ社会的にモラルの規制が厳しい19世紀末〜20世紀初めに活動した女性作家の作品なので、現代的な観点ではほとんどレズビアンではない小説ばかり。女性同士の関係があっても「強い絆」程度に読めるし、カップルですらなく男性に束縛されない女性像、女性だけの世界の開放感、というものも多い。
ウルフの作品含め、発表する際にレズビアンの暗喩を隠しているものもある。ガートルード・スタインの「楽しい」を連発する作品、言語では「gay」で、発表当時同性愛という意味はほとんど知られていなかった、となると解説を読まないとどこがレズビアンなのかまるで分からない。(この作家は現代の奇想系小説みたいに独特の作風)
女性カップルはおろか女性同士の絆が描かれないということは、それほどタブー視されてきた、軽視されてきたということでもあろう。現在でも映画をベクデルテストにかけると合格するのは5割強だという。他方、男性同士のバディものなどはいくらでもあるだろう。このシリーズでゲイ短編集もあるそうで、テイストの違いは確認してみたい。
作家はすべて女性だということも、解説を読んで気づいた。ディネーセン女性だったのか(苦笑)読んだことがあったのはヴァージニア・ウルフ、キャスリン・マンスフィールド、イサク・ディネーセンくらい。ジェイン・ボウルズはポール・ボウルズの妻なのか。