シャバヌ: 砂漠の風の娘 (ポプラ・ウイング・ブックス 25)

著者 : スザンネ・フィッシャーステープルズ 金原瑞人 築地誠子

• ポプラ社 (2004年12月1日発売)

作品紹介・あらすじ

雨のあとの砂漠は、空気が澄んでる。砂は、まるで水面のようにきらきらしている。わたしは、この砂漠が大好き。ラクダたちが大好き。なのに、結婚したら永遠にここを離れなくちゃならない。わたしはこの砂漠の風のように、自由な心で生きていたい。わたしの心の奥には、わたしだけの秘密があるんだ-。パキスタンのインド国境近くチョリスターン砂漠で、ラクダを放牧して暮らす少女シャバヌ。慣習のくびきの中で精いっぱい自分らしく生きようとする姿を、生き生きとえがく物語。アメリカ・ニューベリー賞オナー作品。10代〜一般対象。

感想・レビュー・書評

[gbrさんの感想 · 2011年4月6日]

女としてとても悲しい気持ちになった。けれども、主人公(シャバヌ)
の強さに同じだけ感動した。子供向けの本とは思えないほど完成させられているように思えた。続編も読みたい。

[gonoさんの感想 · 2011年2月23日]

最初はつまらない感じでページが進んでいった。途中でその理由に気付いた。本書は1989年に書かれたもので、パキスタンの貧しい遊牧民の話だ。物に溢れた今の生活と同じ目線で読むものではない。シャバヌの物事に対する感情、家族との絆、忘れかけている何かを感じさせてくれる作品。自分の子供たちが目を輝かせて喜ぶもの、出来事を見つけたくなった。

[釉（ゆう）さんの感想 · 2010年2月26日]

はずれがない作家さんがいるように、はずれない翻訳者もいる。
金原端人氏もその一人（金原ひとみ氏の父上）
訳文の滑らかさもさることながら、原作を選択する目が素晴らしい。
（編集さんもきっと偉いのだろうけど）

原作者が記者としてアジア諸国に滞在したことが本書のベースになっているとかで、砂漠の民の暮らしぶりが実に細やかに描かれている。
（その内容がどの程度正しいのか、それはわからないけれど）

王女の名を持つ遊牧民の娘シャバヌは、自由な魂の持ち主。
11歳にして来年には結婚することになっている。
砂漠の民の暮らしとシャバヌの多感な心模様が、児童文学の持つどきどきワクワクの物語として紡がれている。

ニューベリーオナーであることも納得。

[keikkoさんの感想 · 2008年6月18日]

舞台が砂漠だからと読み始めましたが面白い。
はやく続きの続きが読みたい〜。