([く]4-1)卵町 (ポプラ文庫 く 4-1)

著者 :
  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591137727

感想・レビュー・書評

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  • 生前さして母と仲が良かったというわけでもない主人公が、母の遺言で「お父さんには言わずに卵町でシイナを探して。」という依頼を受ける。
    最期を迎える患者と患者を看取る家族が来る病院だけがメインの良くも悪くも卵の殻のような内に籠った街で名前しか知らないシイナをどうやって探そうかというお話。

    タイトルのかんじからゆるゆる系のお話かと期待しながら買ったけど「他人への干渉をしない」という卵町のルールが何度も出てきてぴりりとした。序盤の方の「卵」的な描写が本当にそれが多くてう〜ん…なかなか暗いですねと思った。
    後半になると「卵」と結びつけた描写が色々な方向性をもってくるのでいっぺんに読んでしまえばさほど前半の鬱屈としたかんじも気にならないかなあとおもう。

    細かい描写の良さがちらほらあって、一番好きなのは
    「ほかの町では、私はきっとだめだった。この町のひとたちは、みんな優しくて、みんな悲しい。」
    という部分。死が身近であるから発生したであろう町全体の慈しみムードみたいなものがある。いつかみんなこの卵の内側から羽化していけるといいよね、というお話でした。

  • 母の死、母かつて暮らした卵町、その町はホスピス町といった所。所が、何とも現実感のない町。ただ優しさだけは感じる。今ひとつ何を訴えたいのかわからないまま読み終えた。

  • 亡くなった母のルーツを探るため、病気の者が集まる街、卵町にやってきた主人公。最初は町のその静かさと奇妙さに慣れないが、だんだんと町の住民と関わるようになり、母のルーツもわかってくる。卵町、本当にあったらちょっと怖いかも。

  • こんな場所が必要かも知れないな、と思った。

  • 読み終えて思うのは
    人の存在感も 関わりも
    街の印象も 物語すらも
    半透明で印象が薄い。

    物語が終わったような気もせず
    まだ始まってすらいないようでもある。

    作り込まれていないことの希薄さは
    残念ながら 私の中には残りそうもない。

    もう…忘れかけている。
    縁が薄かった人を弔ったあとのように。

  • 不思議なお話だった。

    母が亡くなり、その最後の願いとして自分の死を告げて欲しい人の名前を娘に託す。

    彼女が向かった先、卵町は、まるで町が死を待っているかのような無に包まれている。
    そして、死を待つ人も多いその町では、人に関する情報を無闇に話してはいけない決まりもある。

    逆境に次ぐ逆境で、なかなか卵町に馴染めない。
    なのに、その静けさと佇んだ装いが、次第に愛おしく感じられてくる。
    結局のところ、スッキリとはいかないけれど、母と娘のわだかまりはきっと溶けようとしている。

    悲しいことの方が、癒やされる。

    まるで、反対だと私は思ってしまうのだけど、世の中にはこの言葉がしっくりと納まる人がいるのだろうと思う。
    そんな人の手に、触れるといいな。

  • 栗田有起さん作品は、個人的にアタリハズレがあります。
    モチーフとしてはタイムリーでしたが、私のお気に入り『オテルモル』『マルコの夢』と肩を並べるにはいたらず。

  • 妈妈是女性同性恋(蕾丝边/拉拉) ? 因为,主演(Sana)不好妈妈?不过,她没有考虑。他没有钱ww。什么?

  • なんだか腑に落ちないまま読み終えてしまいました。

  • いい感じに静かな本やった。
    タイトルが秀逸。

著者プロフィール

直木賞を受賞した恋愛文学の旗手から、早熟の天才少女作家まで。いま、もっとも切実な恋を描く6人の女性。

「2008年 『コイノカオリ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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