コロナ時代の経済危機: 世界恐慌、リーマン・ショック、歴史に学ぶ危機の乗り越え方 (ポプラ新書 い 4-8)

  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591167755

作品紹介・あらすじ

コロナショックで、世界恐慌、リーマン・ショック以来の経済危機に!?
歴史に学ぶ、「危機の乗り越え方」とは。

新型コロナウイルス拡大で、社会活動が低下し、消費が落ち込み、先の見えない事態となっている。
私たちの暮らしは、どうなってしまうのか。

1929年の「世界恐慌」、2008年の「リーマン・ショック」など、
歴史的な経済危機に執られた政策や、リーダーたちの振る舞い、その言葉から復興へのヒントを探る。
当時行われた、暮らしを守る経済復興と命を守る社会保障は、今の社会システムの基礎となるものもあった。

世界恐慌が舞台となっているミュージカル「アニー」など、
困難な状況を生き抜く人々を描いた小説や舞台からは、格差や分断を越えて、
運命を切り開く人間の力強さや、互いをいたわる慈しみを知ることができる。

今こそ、「危機の歴史」を知ることで、いたずらに怖がらず、冷静に対処するすべを学びたい。

生きる希望は歴史にあり!

【目次】
はじめに
・給付金一〇万円を使いましたか?
・景気はこれから一段と悪化へ
・医療従事者も追い詰められる
・日本の「未来」がやってきた
・指導者はどう振舞うべきか
・政府の対策は透明性に欠けている

第1章 世界恐慌からコロナショックを考える
第2章 ルーズベルトから学ぶ、危機への対策
第3章 昭和恐慌に日本はどう立ち向かったか
第4章 オイルショック、リーマン・ショックという苦い経験
第5章 危機の時代のリーダーとは――
    メルケル首相の言葉の背後に見えるもの
第6章 コロナ時代の「新しい生活様式」を考える

感想・レビュー・書評

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  • やはり池上さんの本は大変分かりやすくて助かります。池上さんの本をまんべんなく読んで知識として頭に入れておけば教養が身につく気がします。
    そしてそう信じているからずっと読んでいます。
    今回は近代(第一次世界大戦あたり)~現在の間で起こった経済危機を軸に、歴史は、歴史上の偉人たちはどのような政策を行いどのように民衆を引き付けてきたのかを書きながら、現在の日本の政策(主に当時の安倍首相)がどのような政策をとってきたのか(二人ともが批判してくれていて、大変嬉しいし、共感できた)が書かれていました。
    経済政策では過度な金融引き締めをしないようにするなど、過去の歴史を繰り返さないようにしている面もある一方で、同じような過ちを繰り返していることを実感。。
    誰かが「未来を予測するには、過去のパターンから学ぶべき」と言っていたけど、ここは強く同意するし、この過ちのために失われた犠牲を無駄にはしていけない。

    個人的にリーマンショックの起こった顛末が分かりやすく解説されていたのが勉強になった。
    アメリカは住宅ローンを返済できなくなった場合、担保となった住宅を手放せばローン返済の義務がなくなるという事実に驚いた。そりゃ家売れるわ・・・そしてサブプライムローンというハイリスク債権を投信にして格付けを高くして売るという手法。「さすが資本主義」という売り方・・・

    コロナを軸としているけれど、他の近現代の経済政策も学べて良い本でした。

  • コロナ時代の政治危機の乗り越え方について、池上彰と増田ユリアが語った一冊。

    2020年7月出版と今となっては若干古いものの、「歴史に学ぼう」という基本的な姿勢は正しいと感じた。

  • 政治と経済のあり方について、大恐慌時代のアメリカの話は政治が市場介入することについての是非の勉強になる。
    ブロック経済は、自分はプラスの意味で習い、ブロック経済のおかげでアメリカが復興したみたいに習った気がしたが記憶違いだったかな。
    コロナで、支持率を上げた国のトップと、支持率の下がった国のトップの話は笑えた。日本という国について、第三国の視点で見たら、トランプ大統領とそんな変わらないのかなw
    巻末にはドイツのメルケル首相の演説が載っているが、
    国家の危機に瀕した際に「心」で伝える事大事だよね。

  • 雑誌で紹介されていたので、読んでみた。

    テレビにもよく出ている、池上彰と増田ユリヤの対談形式で世界恐慌など過去のいろいろな危機をひもとき、コロナ危機の現状について解説している。

    出版から1年経っているので、既に状況が変わっているが、びっくりするぐらい変わっていない状況もある。
    オリンピックが、緊急事態宣言の中行われるとは誰も想定していなかっただろうし、いまだに旅行にも行けない。
    アメリカなどがあれほど死者を出しながらもワクチン接種のスピードが速く、既にほぼコロナ前に戻っているというのを見るとやはり日本もワクチン接種をもっと早く進められればこんな状況にはならなかっただろう。やはり危機的事態に直面したときには、政治家の力が問われるということなのだろう。
    個人的にはできることを淡々とやりながら、この時期を乗り切るしかない。

  • 特に新しいことはない。危機はチャンスだと思っているから。ピンチはチャンス。

  • いつもの事だけど非常に分かり易くて読みやすかった。
    『弱者に寄り添うのが民主主義』と言うフレーズが印象的。
    根本的に原点を見つめ直すという点では、コロナ禍も悪く無いのかも。

  • 高3世界史選択です。
    会話調で構成されているため分かりやすく、経済用語を知らなかったとしても説明をしてくれているためとても読みやすかった。

  • ルーズベルトの話が1番面白いです。
    名大統領というのはこういう方なのでしょう。

  • あとがきに、「世界史、日本史両方の近現代史が嫌いだったり苦手だったりする人にも何とか最後まで読んでもらうにはどうしたらいいかという点が1番の悩みだった」とある。最後まで読めました。そしてよく分かりました。
    メルケル首相は、聡明で素晴らしい。
    安倍晋三は、両脇のプロンプターの原稿を読んでいたのかとやっぱりがっかり。安倍晋三が、2020/4/7緊急事態宣言発令の際「私たちが最も恐れるべきは、恐怖それ自体です。」と発言したけれど、それはフランクリン・ルーズベルトが、1933大統領就任演説の、一節。世界恐慌の最中の就任。ボーナスアーミーに対し、フーバー大統領の時は、マッカーサーに指示し、マッカーサーは戦車を出し攻撃した。ルーズベルトは、妻のエレノアを現場に行かせ、三度の食事とコーヒーを提供し、市民安全部隊に参加させた。失業対策。安倍晋三は、その意味は分かって使っていたのか?

    コロナウイルスの影響で失業したソープ嬢が、身元不明の遺体になろうと決意し、広場でうずくまっていたら、通りかかった男性が、一度姿を消したがまたすぐ戻ってきて、「頑張って下さい」と彼女に声をかけ、一枚のマスクを渡した。袋の中には3000円が入っていた。

    増田さんが、新しい生活様式への違和感を述べていた。全くだ。
    強制力がないのはわかっていても、そのやり方に従わなかったら白い目で見られるという世の中の雰囲気への恐れ。同調圧力。それが高じると自粛警察のような行動に。本人は良かれと思って自分の中の「正義」にもとづいてやっている。
    みんなと同じ行動をとらない人を排除するという考え方は差別や排除につながる。戦時中の非国民呼ばわりと同じ。
    コロナ禍前後の指導者の支持率、10か国について。オーストラリア、ドイツ、カナダは支持率上昇。安倍晋三は支持率を下げ最下位。その上はブラジルボルソナロ大統領、トランプ。

  • コロナとは関係ない話ばかり。

    ボーナスアーミー=第一次世界大戦の復員兵がボーナスの繰り上げ支給を求めてデモ行進した事件。マッカーサーは兵士を攻撃した。ルーズベルトは、エレノアを派遣して、食事を提供し、市民保全部隊の仕事を与えた。
    ルーズベルトの時代に、グラススティーガル法を制定した。
    これはクリントン政権で廃止になった。
    ルーズベルトは4選を果たした。

    第一次世界大戦後のメイドインジャパンは粗悪品を輸出して評判を落とした。
    浜口内閣で、金輸出解禁で金が流出した。

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著者プロフィール

池上彰(いけがみ・あきら):1950年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、73年にNHK入局。記者やキャスターを歴任する。2005年にNHKを退職して以降、フリージャーナリストとしてテレビ、新聞、雑誌、書籍、YouTubeなど幅広いメディアで活躍中。名城大学教授、東京工業大学特命教授を務め、現在9つの大学で教鞭を執る。著書に『池上彰の憲法入門』『「見えざる手」が経済を動かす』『お金で世界が見えてくる』『池上彰と現代の名著を読む』(以上、筑摩書房)、『世界を変えた10冊の本』『池上彰の「世界そこからですか!?」』(以上、文藝春秋)ほか、多数。

「2023年 『世界を動かした名演説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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