本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
- / ISBN・EAN: 9784642017329
作品紹介・あらすじ
鎌倉?南北朝期の美術史を、視覚の在り方=「まなざし」の力学から考察し深化させる。絵巻物や肖像画を軸とした院政期美術を再検討、未解明の14世紀美術史を体系的に把握。研究の最前線を切り開く、新たな中世美術論。
感想・レビュー・書評
-
「美術品の制作が無批判に院の政治意思に還元されてゆくようなことが起きているのであり、議論の狭隘化と硬直化が問題となる。/その典型例が、後白河論である」(3ペ)。「現在の美術史における院政期美術の語りもほぼこの石母田氏が作った枠組みに依拠している。その要点は専制権力と公武対抗である」(10ペ)。「世俗の美術に関しても王法仏法相依や転輪聖王の思想を手がかりに、仏教思想に解釈の落としどころを求める論法が絵巻研究を中心にとられる場合がままあるが、こうした仏教中心主義にはあえて批判的である。このような論法においては、仏教的な思想が世俗の説話によって擬装されなければならない必然性の説明が欠けているように思われる」(4-5ペ)。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この手の本にしてはあまりに図版が貧弱。索引が弱い。図版が無くても言及の多い作品に関しては所蔵場所なども書いてあると一般向けの書籍としては親切。
まあ、論文と思えばこれもありなのだけれど。
全2件中 1 - 2件を表示