西遊記 10 迷の巻 (斉藤洋の西遊記シリーズ 10)

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  • 理論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (163ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652011676

作品紹介・あらすじ

孫悟空は以前、人をあやめたことを理由に、三蔵法師から破門を言い渡されたことがある。そのときは、妖怪から三蔵を救い出し、弟子に復帰したが、またしても、あやまちを繰り返してしまう。盗賊団の男たちを、勢いあまって殺してしまったのだ。悟空は、ふたたび破門!?そして、二度と許されることはないのか…?世界最強のファンタジー・アドベンチャー「西遊記」第10弾。

感想・レビュー・書評

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  • 少年漫画やゲームでお馴染みの展開、「自分のコピーと戦う」のルーツってもしかしてここにあるんでしょうか?もっと古いものもあるのかな?最近の作品だと葬送のフリーレンでそんな展開がありますね。
    自分の複製と戦うということが意味することはつまり内省、自己分析、敵を知り味方を知るというところにあると思います。大抵、長編作品の中程から終盤に置かれるのは、それが人格の成長に関わってくるからですよね。
    悟空の成長に説得力があるのは、三蔵への敬愛もそうですが、八戒や悟浄と関わり合ってこそだなとも納得できました。いい話だなー。

  • 孫悟空は以前、人を殺したことを理由に、三蔵法師から破門を言い渡された。そのときは、妖怪から三蔵を救い出し、弟子に復帰した。
    しかしまた、悟空は人をあやめてしまう。盗賊団の男たちを、勢いあまって殺してしまったのだ。三蔵に問われて気がつくのだが、殺さないようにしようとすれば、そうもできたはず・・・。

    悟空は、ふたたび破門!?そして、二度と許されることはないのか…?
    今度の敵は、自分なのだ。

    安易なほうに流れるのでは 修行にはならない。

    男の子たちにファンが多いこのシリーズ。旅はまだ半ばなのだ。

  • 1年以上?待った斎藤洋さんの「西遊記」10巻。最近本屋さんへ行ってないので、気づいたら図書館に入ってた。
    天竺までの道のりも半分を過ぎ、今回は悟空の迷いの話。確かに山賊というのは悪者だとは思うけど、皆殺しをよしとするかどうかは微妙なところ。慈悲深い三蔵法師の怒りもわかるし、悟空の苛立ちもわからなくもないし。最後に悟浄が悟空に謝る場面があるとよかったかな、と悟浄可愛い♪の私としては思ったり。

  • 冒頭からなぜかイラツキ気味の悟空。ついには盗賊たちを返り討ちにしてしまい破門に。旅に倦んでしまったのか、自分の進むべき道に迷う悟空。迷いはもう一人の自分を生み、二人の悟空が相争う。「なんとしても三蔵を釈迦に合わせたい」。師匠に対する自分の真の気持ちに気づいた時、悟空の迷いは消えた。最大の敵は己の心。そしてそれに打ち克つのもまた己の心。

  • 悟空また人を殺して破門された〜

  • 中国の話で、マンガみたいだから面白いです。読んでみてください。

  • いつの間にか10巻出とったー!わたし、悟空が切られる話すごく好きなんですが、ほんで10巻はそこか!ってことで本屋でまるっと立ち読みしてしまいました。
    相変わらずで面白いです。悟空も精神的に一区切りついた感じでよかった。

  • 待ってましたの10巻です。
    観音にしてはなかなかの裁きであったような。

  •  僕にとってはこれまでの10巻の中で最高でした。前半は孫悟空の乱暴さに少しついていけず子供たちと一緒に「孫悟空はどうしちゃったんだろう」と首を傾げていたのですが、中盤にはそれも正義の心によるものなのだとある程度納得がいきました。そして後半の展開と孫悟空の決意は個人的なつぼにはまり一人で涙ぐんでしまいました。そんなこともこのシリーズで初めてのことです。子供たちは涙ぐんだりはしていませんでしたが、自分たちで今回の謎を解く方法を先に考えたり、既出のキャラクターが多数この謎の解決のために登場したりしたことが楽しかったようです。安易な道を選んでは修行にならないという教訓も有難かったです。
     本シリーズの挿絵は適度に漫画的でありつつ適度に品があり一貫してクオリティが高いのですが、この10巻は表紙も挿絵も特に綺麗だと思いました。中でも一番最後の挿絵は事件解決の余韻とマッチしていて感傷にひたらせてくれました。
     8巻、9巻に少し見られた文の誤りは10巻には見られませんでした。
     今現在(2012年4月)このシリーズはまだ10巻までしか出版されておらず、そしてまだ天竺までの旅は半分を過ぎたところだそうです。作者の方々にはぜひ頑張って頂いて早く続きを読ませてもらいたいです。子供たちとともに大変楽しみにしております。

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著者プロフィール

1952年、東京都生まれ。中央大学大学院文学研究科修了。1986年、『ルドルフとイッパイアッテナ』で講談社児童文学新人賞受賞、同作でデビュー。1988年、『ルドルフともだちひとりだち』で野間児童文芸新人賞受賞。1991年、路傍の石幼少年文学賞受賞。2013年、『ルドルフとスノーホワイト』で野間児童文芸賞受賞。「どうわがいっぱい」シリーズの作品に、「もぐら」シリーズ、「ペンギン」シリーズなどがある。

「2022年 『がっこうのおばけずかん シールブック 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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