引っ越し大名三千里 (ハルキ文庫 と 6-2 時代小説文庫)
- 角川春樹事務所 (2016年5月12日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
- / ISBN・EAN: 9784758440011
感想・レビュー・書評
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書物を愛し、書庫に引きこもって自分の狭い世界で満足していた青年侍が、厄介な大仕事を押し付けられ、立ち向かわされる中で成長していく物語。
立ち向かう壁が一々厄介!わー社会人っぽい!上司とか同僚の言葉とか。時代物っぽくないのではなく、重なるところがあるなーという感じ。
出てくる策が奇抜で、信頼関係だけで担保される約束事だったり、お互いの利で結びつく関係だったりするのだけど、その関係を一から築いていくのも、彼には気苦労だったろうけど、ちゃんと前に進んでいける。
書物を捨てていけと言われた苦悩と彼の行動が、本好きには胸に迫るものがあります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
映画が気になっているので原作を読んでみた。
金策に奔走するだけでなく、城を明け渡したり幕府の役人とやり取りしたり、国替えに伴ういろんな手続きが興味深い。全体的に軽い感じもするけど、そのぶんサクサク話が進む。登場人物も良い人が多いので安心して読める。
しかし生涯に7回も国替えになった大名がいたなんて知らなかった。こういう人にスポットを当てるのは面白い。 -
星野源さん主演映画の原作。書物が好きな"だけ"だった主人公が国替え奉行で強みを発揮。ストレングスが生かされる良い話だった。
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2019.5月。
時代もの、おもしろいな。日本史好きだし。時代小説にハマる人が多いのがわかる。人間模様のわかりやすいドラマ。いつの時代だって何だって人と人。映画の情報を見た後だから、頭の中は星野源くん。何って、スクリーンで、大音量で「でんでん」を聴きたい!
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映画の予告を見て、借りたんだけど、映画の期待大です
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源ちゃんに高橋一生、ミッチーが出ると聞いたらそりゃ映画見るわ!と思ってその前に原作本読んでしまいました。
これ、怠け者のサクセスストーリーなんだけど、とにかくしっかりキャラも立ってるし、それぞれの場面場面が凄く鮮やかで面白い!
展開もわかりやすくて、時代小説慣れてない人でもいけそう。
しかし、ミッチー、この殿様の役なのか。どこまで忠実にやるのかなー。
映画もとっても楽しみです。 -
譜代大名でありながら生涯に七度の国替えをさせられた松平直矩。またもや幕府から国替えを命じられたものの、「引っ越し奉行」の役目を継がされたのは、引きこもり侍と後ろ指を指される若輩者の片桐春之介だった…。
「超高速参勤交代」の土橋章宏の作品。相変わらずのテンポの良さでスイスイ読ませる。家族の話でもあり、経済学的な話でもある。この夏休みに映画化されるらしい。三匹目のドジョウなるか?
(B) -
時代小説は読まないのですけど、星野源主演の映画化になるというので読みました。
とても映画化に向いている読みやすいエンターテイメント小説でした。あっという間に読めます。
彼にピッタリです。映画も楽しみです。 -
高速参勤交代の作者が書いた、今度はお国替えの話である。5回も国替えになった松平家のカタツムリ事片桐春之介が引っ越し奉行に命じられ奮闘する話である。やはり金貸し、今で言う断捨離、リストラなどを行って成長していくところ。また何度も国替えを命じられるため、そのノウハウ本を作り他国へ売ってもうけるなど、結構殖産、名産、利殖に精を出し、次の引っ越しに備えてをするところなどは今の会社組織と変わりない。裏読みが出来るところは現代の会社運営の一部と同じかな。
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タイトルからもっと難しい本かと思ったら非常に読みやすい文体と組ですらすら読めてしまった。カタツムリと呼ばれ何の能もないと思われていた主人公が書物で得た知識を元に奮闘するお話。終盤がとてもあっさりだったので、もう少しじっくり読ませて欲しかった。