スエズ運河を消せ: トリックで戦った男たち

  • 柏書房
3.71
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感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (566ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784760140206

感想・レビュー・書評

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  • ちょっと、文章が硬く、よみにくかった。翻訳のせいか、元の文章のせいか、どっちだろう。
    カモフラージュ部隊のアイデアがおもしろい。表紙の装丁がしゃれてます。

  • 話が陳腐で胡散臭すぎる。ほとんど小説と言っていいと思うが、フィクションとしても出来はいまいち。タイトルからスペクタクルな話を期待してしまうが、それもまったくない。
    読んでいる最中に”主人公”のジョン・マスケリンについてWikipediaで調べたくなるかもしれないが、途中で挫折したくなければ、それはやめておいたほうがいいとだけ言っておこう。

  • カモフラージュありマジックありスパイ作戦ありで楽しい!
    優れたマジシャンというのは人間心理や科学に通じた万能人なのだな。
    描写も砂漠での緩慢ながら残酷な戦場の現実が伝わってきてよい。マジシャンギャングの唯一の戦死者フランクの最期にはジャスパーに共感してしまった。

    表題のスエズ運河を消せというのはサーチライトを使った目くらましで若干がっかりだったが、港を移動させる話は上手い。掲載されている戦車の偽装などは遠くからみたら絶対分からないだろう。最期の鏡を使ったトリックが小規模ながら、よく考えられていて、効果も顕著。やはりすごい。

    一次資料への言及がないのが少し残念。
    映画化されるようなら見に行きたいな。

  • 第二次大戦で港を消したマジシャンの逸話はもうTVで紹介されているくらい有名だが、彼とそのチームが実際にどれだけの仕事をしたか、丁寧に追っている。
    マジシャンは科学者であり技術者であり実務家である。

  • 第二次世界大戦中の北アフリカ戦線で、スエズ運河を消した男がいた。ジャスパー・マスケリン。英国のマジシャンの家系の八代目。
    ノンフィクション調の「ナチを欺いた死体」は途中挫折したが、「スエズ運河…」は小説として書かれているため読みやすい。偽装というテーマもユニーク。
    敵の偵察を欺くための偽装の存在は知ってはいたものの、当時の現役マジシャンが「開発製造」を担っていたとは驚き。トラックに似せた戦車、逆に戦車を装うハリボテ、偽物の補給基地に始まり、ニセの潜水艦、果てはニセモノ戦艦まで。極めつけはスエズ運河を消す技術。強烈な目くらましでスエズ運河の位置が分からぬよう妨害し、ドイツ軍の爆撃から英国の生命線を守った。
    トム・クルーズが映画化権を取得しているとのこと。

  • これは小説

  •  第二次世界大戦中のイギリス軍に、当時人気だったマジシャン、ジャスパー・マスケリンが入隊し、アフリカ大陸でドイツ軍相手に様々なイリュージョンを展開します。アレクサンドリア港を移す、スエズ運河を消す、戦車隊を出現させる、戦車を隠すetc。みんな、マジックの手法を使ったものなのだが、ジャスパーを支えたのは動物に詳しい大学教授や大工・漫画家等々個性的な仲間たち。生臭い戦争ものとは違う楽しい(?)戦争ノンフィクション。

     全部実際にあった作戦というからびっくり。当時の写真もあります。当然、戦争の技術が当時と比べ物にならないくらい発達した現代では通用しない作戦だが、それにしても本当にこんな作戦で戦っていたのかと思うと、驚きです。

  • 感想未記入

  • 何年か前に「アンビリーバボー」で放送されていて、面白く、詳細を知りたくて気になっていた。
    ハードカバーの分厚さと重さに辟易したけど、買ってよかった1冊。
    太陽光を銀色に塗ったベニヤ板に反射させただけで敵を撤退するように仕向ける心理トリックはすごい。
    読んでみると今度はマスケリン一族のことをもっと知りたくなる。

  • 第2次世界対戦の史実を元にしたノンフィクション超大作。10世代にわたるマジシャン一族に生まれ、自身もマジシャンとしてイギリスにその名を馳せていたジャスパー・マスケリンという実在の人物が主人公。
    タイトルにある通りスエズ運河を消したり、突如沢山の戦車を出現させたり、港を丸ごと移動させたり・・・と、そのまま聞いただけでは「絶対にありえない」と思うようなマジックを戦場で次々と実現し、イギリス軍に勝利をもたらす物語であるがこれが実話というのは本当に驚きである。

    戦争とは情報戦がカギであり、騙し合いである。主人公は一族に伝わるトリックの知見を「カモフラージュ」の技法として戦術に活かし、困難な戦局を変える為、奇想天外な手法で敵を騙し事態を好転させる。そのどれもが理にかなっていて実に面白い。

    事実は小説より奇なりとはまさにこのことで、ストーリーとしての面白さもさることながら、難局を乗り切るため司令官から指示される無理難題に対して「やってみせましょう」と二つ返事をしてから“どうすれば実現可能か”を“今手元にある限られた資源”の中であきらめずに解決策を理路整然と導く様に、多くの学ぶべき姿勢を見て取れる点にこの本の価値があると私は思う。

    戦時下に、野心あふれる男たちがどのような心情で戦争に臨んだのか。そして戦争のリアル。読み手への沢山の贈り物が詰まった内容。
    普段ビジネス書ばかりの人がいれば、是非休みや旅のお供に読んでいただきたい一冊。

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