脳病院をめぐる人びと: 帝都・東京の精神病理を探索する

著者 :
  • 彩流社
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  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784779119194

作品紹介・あらすじ

戦前の東京地図に散見し、しかし現在はその場所から消失した「脳病院」とは何か!?

脳病院は戦前の文学史にたびたび登場する。芥川は青山腦病院の斎藤茂吉に診察を乞い、梅毒による進行麻痺となった宇野(浩二)は王子脳病院に、アルコール精神病となった辻(潤)は新宿脳病院に入院。高村智恵子はゼームス坂病院で生涯を終え、太宰や中原(中也)も一時期入院。芥川自死の昭和2年から智恵子が没した14年に至る期間に連鎖した「狂気」には共通の要因が存在するのか。明治から昭和に至る東京の精神病治療施設の変遷を、近代医療史の資料を参照し、病院の建築様式や平面図、また明治・大正・昭和の地図に刻印された脳病院とその周辺の変貌について地政学的に細部を明らかにする。彼らの脳病院体験を通して、どのような「時代風景」が見えてくるのか。

感想・レビュー・書評

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  • とても読みやすい。辻潤、芥川など文豪の人生にも触れていて面白かった。

  • 文学
    医学
    歴史

  • 引用省略

  • 第一部は東京における脳病院の変遷、第二部は芥川、辻潤、高村智恵子、太宰、中原中也の狂気について。
    夢野久作「ドグラ・マグラ」や中井英夫「虚無への供物」の引用もあり。

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著者プロフィール

こんどう・ゆう
1958年、東京生まれ。建築家。
慶應義塾大学経済学部卒業。
アパレル企業企画部に勤務後、設計事務所での勤務を経て独立。
現在、建築デザイン事務所を運営している。
著書に
『物語としてのアパート』(2008年)、
『洋画家たちの東京』(2011年)、
『脳病院をめぐる人びと』(2013年)、
『生きられる都市を求めて』(2016年)、
『狭さの美学』(2017年)(すべて彩流社刊)。

「2019年 『呑川のすべて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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