- Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
- / ISBN・EAN: 9784790711513
作品紹介・あらすじ
20世紀に人類史上初めて登場した「開発援助」という現象は、価値観を異にするアクター間の相互行為である。援助をはさんで向かい合う「援助者=我々」と「被援助者=彼ら」の間に生起する事象の考察を通して、関与の学としての「開発援助の社会学」を模索する。
感想・レビュー・書評
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[ 内容 ]
20世紀に人類史上初めて登場した「開発援助」という現象は、価値観を異にするアクター間の相互行為である。
援助をはさんで向かい合う「援助者=我々」と「被援助者=彼ら」の間に生起する事象の考察を通して、関与の学としての「開発援助の社会学」を模索する。
[ 目次 ]
第1部 開発援助を社会学的に見る(社会が発展するとは;近代化という呪文;開発援助という行為と用語;プロジェクトと社会)
第2部 開発援助の現場から(健康な生活(1)プライマリ・ヘルス・ケア 健康な生活(2)感染症対策 環境に働きかける 貧困削減と住民組織化 ほか)
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
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開発援助の良い面だけでなく、悪い面も紹介している。現場に入る前に、開発援助の実情を知るのに役立つ一冊。
しかし事実の紹介と表面的な理由づけばかりで、内容は浅い。真正の開発援助を実現したいのならば、もっと深く突っ込んで歴史的・民族的・地理的要素を考察する必要がある。 -
開発援助ないしは国際協力という取り組みの「贈与性」に関して、個人的には互恵関係を見据えた行いという捉え方をしていたが、その互恵に至るまでの時間軸・空間軸の幅の「長さ」を再認識した。
互恵的であるからこそ、贈与性による力関係(持つ者と持たざる者)を伴った近代化が正当化されるという側面もあるのだが、本書では近代化路線に対する再検討も十分になされていた。
またそこで、文化に起因する様々な「ちがい」を認識することの重要性、そしてその「ちがい」を(倫理的・社会的に)どのように構築/再構築していけばよいか、その困難さを認識できたことは大きな収穫であった。 -
【新しい開発援助論】
これまでの開発援助の本では、理論を数字で並べ、そこに成功事例を持ってくるだけのものが多かった。しかし、本書は最後まで開発援助には、良い効果と悪い効果が表裏一体であることを記述している。いい意味で、開発援助の難しさをやんわりと教えてくれるし、悪い意味で、「じゃあ結局何がいいんだろう?」と悩ませる一冊である。 -
開発援助やボランティアといった社会貢献活動に関して浮かんでくる疑問への回答を与えてくれる。特に民主化=発展?の解説がよかった。
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「援助」という一方的な贈与がいかに不自然な行為であるか。
”先進”国は”途上”国を遅れた存在として決め付けてしまっていないか。
「よそ者」が現地の実情をよく考慮せずに行う援助は、逆に途上国を傷つけてしまう。
そんな事を考えさせられた一冊だった。
開発援助を社会学的に捉えなおすという本書の内容はわかりやすく、読みやすい。
開発援助に関わろうとする人であれば、一読の価値はあると思う。 -
第一部で援助における各言葉の定義や考え方の歴史的変遷を紹介したのち
第二部では個別の変遷を実例を交えメリットデメリット双方を紹介してくれています。
具体例って時にうっとおしいものだけどこの本では非常に上手く使われてた印象。
しかし、内容がおれには濃かったです。
それもゼミっぽいなと思う。
週1で1章進めるくらいならまだ頭に入りそうだし、
各章でメリットデメリットを紹介してくれているので
それを踏まえた上で現行の改善点や新案を出すなど、議論の材料が豊富だと思うから。
しかしその量の分、一気に読むと確実に定着率が悪くなる。
2日間で読んだおれの頭の中には残ってても断片的。
さらっと読んでもおもしろい本だけど、
もうちょっと定着させたかったな〜。
おれはもう一度読む機会を作るだろうか。