さまざまな視点から奇書を取扱った特集。各種コンクリートの打撃音だけを集めてページ毎に再生できる本とか、みてみたかったなあ。「書物の再魔術化はいかに可能か」なんてテーマがでてくる鼎談とか。「奇書を解説する動画」を運営する三崎律日による『亞書』の出版意図の解説(のちに国会図書館は出版社に返金を求めたようだけど)。ろうそくの科学のファラデーが実は好奇心あふれる製本職人だった。などなど。ギレルモ・デル・トロ創作ノート驚異の部屋」DU BOOKS 2014、春日武彦「私家版精神医学事典」河出書房、「超人 高山宏のつくりかた」、鳥井真平「論文海賊版サイト、日本の違法ダウンロード720万件 5年で5倍超」毎日新聞 2023.6.6、六角弘「怪文書」光文社 2001年あたりは手に取りたくなった。◆あと、「政治的に相容れなかったフアン・ドミンゴ・ペロンの四六年の大統領就任からほどなくして、公営市場の家畜検査員へと事実上の格下げを被りみずから職を辞すまでの九年間、彼はそのミゲル・カネ図書館に路面電車で通勤しながら、「伝奇集」1944や「アレフ」1949、「続審問」1952に収められることになる文章を書いた。」(p.292)あたりから、手持ちのボルヘスを再読したくなった。