- Amazon.co.jp ・本 (155ページ)
- / ISBN・EAN: 9784791763894
感想・レビュー・書評
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言葉のリズム、チョイスが独特。
ゆげみたいに言葉が浮かんでそれを記したみたいなくせに巧妙かもと感じさせるセンスが素敵詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ごめんなさい。読点の極端に少ない、だらだらと続く文章。まるでぼんやりしているときの思考過程のよう。次々と思い浮かぶままに話題がずれていく。一見無秩序に書かれている文章も、声に出して読むとその隠れてた意図が見える感じがしないでもないこともないわけではない。だらだらとした文章も七五調になっていて目だけで読むよりも声に出す方が違和感は少ない。だけど だから一体なにが焦点なのかと言われると なんなんだろ。こういうもの としか 言えない。
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こういうのはじめてで、すごい難しい!って思ったけど、楽しい!って思えた。
不思議な気持ちになって、川上未映子さまの世界観が欲しいって思った。 -
よく理解できない感じ。なんとか最後まで読み終わった、って感じで終了。
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「卵」と書いて「らん」と読ませるのもこの人にとっては快感、芥川賞に繋がるこのふしだら文、嗚呼。「卵」「らん」「乱」「蘭」お隣の欧米か!人は、"egg!"の一言で済ませるこれも快感、あれも快感。さしつさされるあれもささって、これもさされて、ああいい気持ち。
大阪人必読の芥川賞前夜の傑作である。 -
「先端で、さすわ さされるわ そらええわ」
「少女はおしっこの不安を爆破、心はあせるわ」
「ちょっきん、なー」
「彼女は四時の性交にうっとり、うっとりよ」
「象の目を焼いても焼いても」
「告白室の保存」
「夜の目硝子」
なんとも読書欲をそそられるタイトルたち!
相変わらず、句読点があったりなかったり、 おかげで息が詰まりそうになったりするも、 言葉と言葉との組み合わせが斬新で発見の連続、 うっとり、うっとりよ。 話を味わうよりも、言葉を味わう感覚でいつも。 新しい感覚との出会い。 一度読んだだけでは消化できないので、
何度も何度も読み直して噛み砕きたい。 とりあえず初めて読んだ段階では 「先端で、さすわ さされるわ そらええわ」 「彼女は四時の性交にうっとり、うっとりよ」 がよかったなあ。 非常に女性女性した1冊。女汁全開です。 随所随所に、女性の感覚、あふるるのです。 きっと男性には書けないと思う。 -
87
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こっ、これは! レイナルド・アレナスの「夜明け前のセレスティーノ」を読んだ時の衝撃に極めて似ている! 言葉による、飽くまで言葉による意味の覚醒。あるいは無意識へのいざない。川上未映子の頭の中で、ぐるぐる渦巻く「どうして」「どうして」という希求。必然を求めているかのようで求めず、求められないと諦めたのかと思えばだだを捏ねる子供のように意味を知りたがる。これは「詩」だ。物語ではない。詩でしかありえない。心の中に沸き上がる葛藤。己との戦い。まさに詩人の戦いであり歌であると思う。
そう捉えてみると川上未映子のこの暴力的とも言える性的なイコンの投げつけ方は一人の詩人の記憶を読み覚ます。伊藤比呂美である。若い頃の伊藤比呂美の詩を思い出すのだ。もっとも伊藤比呂美の詩が内側から沸き起こる「見てくれ見てくれ」という爆発力に溢れていたのに対して、川上未映子のそれは内側に向かう「見て見て」という吸引力が勝るという違いはあるように思うけれど。
もっともそんな自分の知るアイコンへ川上未映子を結びつけたところで何の意味もないことは解っている。解ってはいるのだけれど、そうすることでざわざわとした自分の心持ちはかろうじて最後のバランスを崩さずに保つことができるような気になるのだ。
言葉の意味に対する強いこだわりが感じられる川上未映子であるが、意味を無意識の内に捉えているせいか、標準語で書かれていないものの方が言葉の強さがあり勢いがある。それは言葉の字面の意味を越えたところで何かが共鳴するような感覚でもある。もっともそれは必ずしも真とは限らなくて「告白室の保存」とだいされた文章での川上未映子は、繊細な筆遣いで写実画を描いているかのようでいて、太い筆で一気に描いたような抽象画の勢いを失うことはない。
結構はまるかも、川上未映子。
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ぶったまげの才能が、近年稀に見る登場の仕方、これは読まずしてなんとする。今最大注目作家となりまして。
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ことばのリズム。<br>
女子の胸の内。