先端で、さすわさされるわそらええわ

著者 :
  • 青土社
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  • Amazon.co.jp ・本 (155ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784791763894

感想・レビュー・書評

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  • ただ字を目で追っているだけで、文章を読めていない

  • 川上未映子の真骨頂は詩なのだ、と断言できる作品。哲学的で、童話的で、詩的。つまりはそうなのだろう。彼女の世界観を共有出来るかはわかれるとこだろうが、好きな人はのめり込むでしょう。

  • 正直にいって1頁目を開いた瞬間。読みづらい!!何だコレ!!
    文字を読んでも、頭に入っていかない呪文に見える。意味がまったく・・失敗かも・・
    が1番の感想。少し、ソコで閉じてしまいました。

    そして色々調べてみた。

    彼女の2冊目の作品集で、表題作はデビュー作だとゆぅこと。
    「ユリイカ」に載ったものが4本、残り3本は書き下ろし。
    詩集とゆぅこと。

    これは『詩集』なんだとわかった上で、再度挑戦!!多分、挑戦とゆぅ言葉がぴったり。

    その気持ちで読むと少し理解できる。でも自分で租借して噛み砕く作業が必要。7作品全部を読みきるのに多少時間がかかりました。

    先端で、さすわ さされるわ そらええわ タイトルのひらがなをちゃんと理解できたのが購入後だったです。あっ『さすわ』『さされるわ』『そらええわ』なんだって・・
    言葉も考えも飛びまくりなので着いていくのが大変。
    目に見えるもの見えないもの。聞こえるもの聞こえないもの。何もかも凝縮した作品集でした。

    そんな『てんやわんや』なのですが、なぜだか癒されます。何も考えないで租借しないで文字の羅列を見ている感覚で何度も読み解していくと、自分の精神状態で内容が変わってくると思います。
    読んだヒトの感じ方がヒトそれぞれ同じものがない気がします。

  • 本書は、川上未映子さんの2冊目の作品集で、表題作はデビュー作であります。全部で7作品が収録されており、そのうち雑誌「ユリイカ」に載ったものが4本、残り3本は書き下ろしです。詩集ということになっているようですが、「詩」という言葉から通常イメージするようなものではなく、普通に文章ですね。こういうのが散文詩ということになるのでしょうか。

    収録作品のタイトルは、以下。
    「先端で、さすわ さされるわ そらええわ」
    「少女はおしっこの不安を爆破、心はあせるわ」
    「ちょっきん、なー」
    「彼女は四時の性交にうっとり、うっとりよ」
    「象の目を焼いても焼いても」
    「告白室の保存」
    「夜の目硝子」

    これらタイトルを見ても、川上さん独自の感性が爆発しているのがわかります。文章はさらに、です。

    とにかく、飛びます。言葉が。思考が。

    作品によっては、かなり解読に困難を伴います。わたし自身、何度読んでも理解できないところが多々あります。この本の文章においては、主語述語、品詞すら関係ありません。動詞や形容詞が名詞になったり、その逆になったり。読点も、ただ文を区切るだけではなくて、文章の中でいろんな役割を果たして(意味を含んで)います。こういったところが「詩」なのでしょう。

    「少女はおしっこの不安を爆破〜」を読んで、これが収録されているだけでこの本は★5つの価値がある、と思いました。また、「ちょっきん、なー」はすごく滑稽でおもしろかったし、「告白室の保存」は両者の心持がよぉくわかって苦笑いしてしまいました。

    すごく独特で、まるで目で見たもの耳で聞いたもの脳ミソに浮かんだものを片っ端からそのまま順番に表出しているようで、川上さんの頭の中をのぞいてみたいと思わせるくらい言葉が溢れかえっていて、一見めちゃくちゃなんだけど、たぶんきっと川上さんの中ではひとつの絵みたいなものが出来上がっているんだろうな、と思う。

    なんか、奇妙な安心感があるんですよね。妙に落ち着くというか。言葉の定型を無視した自由さと、自分の中で思考をめぐらせる自由さと、ふたつの自由がここにあって、寂しかったり悲しかったり恐ろしくなったりしながらも、そういう自由を楽しんでいるように感じ取れる。

    なんにしても、わたしはこの人の感性、好きです。なんだか危うい感じがして、目が放せません。

    ただ★は、先に書いたように5つでもいいと思ったんですが、どうしても理解できないところがあるためひとつ減らしました。

    読了日:2008年8月12日(火)

  • 連想ゲームのような散文で、女性版町田康というのはよくわかる、本人はきっとそんなこと言われたくないと思うけど。

  • 中原中也賞とったっていうんで読んでみた。前半の作品は自分の言葉が溢れすぎるほど多過ぎてしんどいけど、後半の作品は受け入れられるユーモアがあって好き。
    現代に生きる文学少女というかね、「告白室の保存」が一番お気に入り。

  • 新聞の書評とかで取り上げられているが故、やっぱり、なんだか気になってしまって、買わずにはいられなかった、川上未映子の詩集。詩なんて、谷川俊太郎くらいしか読まんかったし、中原中也賞なんて、まったーく気にするような人間ではないのだけど、私は。でも、川上未映子は、なんだか気になってしまって。『乳と卵』を読み、素晴らしいって思ってから、気になりだした彼女。『先端で、さすわさされるわそらええわ』なんじゃ、このタイトル。そりゃ気になってしまうがな。手にとって、装丁がとても綺麗なのが印象的。

  • 再読。
    なんとも女性で、わたしはそんな生々しさをいつも忘れている振りをしているんだけど
    でも結局は女性なんだからと、念を押されたみたいな。
    読点が暫くない文章結構すきだなわたしは
    縷縷綿綿。

  • 2009.1
    ええと、まったく意味がわかりませんでした。
    言葉のリズムは面白いんだけど。

  • なぞ。

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著者プロフィール

大阪府生まれ。2007年、デビュー小説『わたくし率イン 歯ー、または世界』で第1回早稲田大学坪内逍遥大賞奨励賞受賞。2008年、『乳と卵』で第138回芥川賞を受賞。2009年、詩集『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』で第14回中原中也賞受賞。2010年、『ヘヴン』で平成21年度芸術選奨文部科学大臣新人賞、第20回紫式部文学賞受賞。2013年、詩集『水瓶』で第43回高見順賞受賞。短編集『愛の夢とか』で第49回谷崎潤一郎賞受賞。2016年、『あこがれ』で渡辺淳一文学賞受賞。「マリーの愛の証明」にてGranta Best of Young Japanese Novelists 2016に選出。2019年、長編『夏物語』で第73回毎日出版文化賞受賞。他に『すべて真夜中の恋人たち』や村上春樹との共著『みみずくは黄昏に飛びたつ』など著書多数。その作品は世界40カ国以上で刊行されている。

「2021年 『水瓶』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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