- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794967459
作品紹介・あらすじ
文学はすべて媒体のなかに存在する。書き記されて初めて文学となる。世界的評価のある西洋の古典にしても、喪失という大海から偶然にも顔を出せた幸運の代物にすぎない。数知れない不幸な傑作が大海には沈んでいるのだ。失われた本はいつまでも魅惑的だ。それは想像のなかでしか完結しない。しかし、実体のない本だからといって、絶対に手が届かないわけではない。文学が家だとしたら、「失われた本についての本」である本書は、墓であり痕跡でもある。本書はもうひとつの文学史であり、存在したかもしれない本への哀歌である。
感想・レビュー・書評
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「未完の本」についての本
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≪県立図書館≫
海外の作品をあまり読まないため、ぴんとこないものが多かった。
もっと読書経験を積めば、この本をより楽しく読めるだろうな、と思った。
飛ばし読みしかできなかった。 -
書かれなかった本、失われた原稿、挫折した作品の数々。。。
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欲しい本。
失われた本についての本。
「ダンスを申し込むことが一度もできなかった相手のように、いつまでも魅惑的だ。なぜなら、想像のなかでしか完結しないのだから」 -
2010/03/19-
天神 -
確かにテーマは面白いし、今までに伝えられている本がどのようのして現代に伝わっているかの話は魅力的。著名な作家の失われてしまった作品に関する部分はロマンを感じるところであり、大変興味深いけど、この本全体でいうと、なんだか物足りない感じに終わってしまう。
おそらく、それはこの本を読む前提知識がある程度必要であることと、この本がそれぞれの作家に対して作者個人の方向からの視点重視で書かれているからだと思う。
そして、文末で知ったのだが、この日本版は原書よりかなりの作家を削っているとのこと。井原西鶴をなぜ削ったのかわからないが、とにかくこの本を本当に知ろうと思ったなら原書をあたってみるのもいいかもしれない。
ただ、この作品を訳すのは大変だったと思う。膨大な知識が必要だから。 -
書店員さんに、「在庫があるみたいなのに、棚にないんですけど…」と尋ねると、「棚替えしようと思ってまして」と出てきました。返品寸前だったのかも(笑)。書評で見たときには気にならなかったのですが、表紙が『ジェイン・オースティンの読書会』に似てないこともない!楽しい偶然の一致ですね。
著者による序文がかしこまりつつも可笑しい!14歳のスチュアート少年が、持ち前のリスト癖・コンプリート癖を増幅させながら文学の深みにずぶずぶとハマりこんでいく様子が、知的で軽やかに描かれていて、もうこれだけでもいい、って思ってしまう〜。ヨーロッパ文学史上のビッグネームの「未完・滅失本→ロストブックス」が紹介されており、情報量も軽からず重からずで読みやすいボリューム。データブックの側面もあるので、ダレるところも正直あるんですけど(笑)、それはまあいいや。ロストとなっていることで名作の誉れ高い作品・作者もあって、そこが逆転することもあるんだ!ムズカシーなー(笑)。目次も、各章の扉もしゃれていて好みです。
帯によれば「外国文学・ヤングアダルト」のカテゴリーの本だそうで、「外国文学はともかく、これをヤングアダルトとして読んでる若者が日本にいるのか!」とちょっと思ってしまうんです(笑)けど、すごく平易で読みやすい訳文(原文もそうだろうと思わせる)には、「そこに読んでほしいなぁ」と感じさせるものもあります。実に手の込んだ、文学への誘導ガイド。ヨーロッパ文学の門外漢でも、雑学好き+根性+Mっ気があれば、十分楽しい本です。
訳者さんチーム代表、金原瑞人さんのあとがきによれば、原著を読む価値大らしいので、その道のかたはそちらもよろしいかと。
-----[2009.9.7 未読リストアップ時のコメント]------
地元紙の書評欄でちょこっと紹介されていて、気になっています。未完・未刊に終わった本、失われた本など…「ない」本についての本だとか。