君の名残を

著者 :
  • 宝島社
3.89
  • (168)
  • (128)
  • (175)
  • (17)
  • (5)
本棚登録 : 1031
感想 : 182
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (585ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784796641333

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 再読。
    最初に読んだのは中3のときだったから、かれこれ6、7年ぶり?
    久しぶりに読んだけどやっぱりおもしろかった。
    タイムスリップもの好きな自分にはどんぴしゃ。

    巴の生き様が好き。
    武蔵はかなりかわいそうな感じだった。氷室には死なれるし、巴には義仲がいるしで報われない気が…。
    覚明もかわいそうだよなぁ…前世?はあんな感じやし、時に操られるままだし…。
    覚明に最後はあったのかなぁ?

  • 平家とか源氏とかの話の時代にタイムスリップする三人の学生の話。結局は最後までその世界で、それぞれが木曾義仲の妻だったり、武蔵坊弁慶として自堕落の一部を担っていくという不思議な話。

    最初は少しもたついた感があるが、途中から結構面白くなる。全く離れ離れになっていた二人が最後に再会するのも束の間で、結局武蔵は死んでしまうのは切ない。時代に翻弄されて生きる当時の感じも切なさを誘う気がする。しかし、話が若干長い!!

  • .

    平成である現代から源平の合戦の中へとタイムスリップしてしまった友恵と武蔵は、そこである人々とであい、次第に「巴御前」「武蔵坊弁慶」として生きていくことになる。

    歴史のうねりに翻弄されながらも、次第に時代に溶け込み、その中で哀しい結末へと向かっていく。


    本編を読むのはこれで三度目でしたが、まだまだ何回も読みたいと思うくらい趣深いです。作者の十年想いの超大作というのも頷けます。

    歴史でしか感じられない哀しさや切なさや美しさがある。それを身を持って教えてくれる作品です。

    現代とは何もかも違った世界で、友恵と武蔵がある決断をし、あまたの葛藤で崩れそうになりながらも暮らしていく姿に、勇気づけられました。

    全てとはいかないものの、おおかた史実に沿ってあるので、歴史好きとしては面白いものです。

    結末を分かっていても、時間を忘れてページをめくることのできる良作のひとつです。


    ひとつだけ。今井兼平、樋口兼光、佐藤兄弟……サブキャラの個性がいまいちないところが気になりました。

    .

  • 最初は流れもシチュエーションもよかったんだけど、
    平安末期にタイムスリップするっていう設定が受け付けなかった。

    結末が気になるものの、これ以上は読めない。
    歴史が得意なひとなら楽しめるのかも。

  • 歴史の一駒において、そこに成す人々が一人でも欠ければその歴史は大きく変わってゆく。何れにせよ歴史とは人が作り上げるものなんだ。

  • 【ネタばれあり】
    その日、彼らの時は歪んだ。目覚めるとそこは戦乱の前夜だった――。激動の平安末期を舞台に壮大なスケールで描く衝撃と慟哭の絵巻ここに登場。
    (BOOKデータベースより)

    ***

    突然、平安時代末期にタイムスリップした友恵と武蔵、志郎。
    3人はバラバラの場所で目覚め、それぞれ新しい人生を生きることになる。
    友恵は巴御前、武蔵は武蔵坊弁慶、志郎は北条義時として。

    友恵と武蔵が比較的速やかに、時代になじんでしまうのは違和感もあったけれど、『時』にそういうもんなんだ、と言われてしまえばなぜかすんなり納得してしまう私。
    あぁ、終わりがわかっている物語って切なし…(T_T)と思いながら読みました。
    途中ちょっとダレてすっ飛ばしたくなるところもあったけど、やっぱりとにかく切なかった。
    義仲は呆気なさ過ぎてなんだか、って感じだったけど、武蔵と友恵の「八百年後に…」のくだりは特に。
    何度も、自分がこの時代に来た理由を自問して、自分なりの答えを出して、必死に生きて。
    それでも『時』という大きな流れには抗えずに散って行った様がなんとも哀しかった。
    友恵と武蔵に比べて、志郎の描写が少なかった気がするのが残念。
    私がすっ飛ばしちゃっただけかな?

    しかし、この時代の武士というのは大変ですな。
    平和な世に、そして“一族の”ではなく、“自分の”ために生きられるというのはただそれだけで有り難いものなのだなと思いました。
    (もちろん、彼らとて本望だったのかもしれないけども。)

  • 初めて読んだハードカバーがこの作品でした。

    歴史にも興味があったわけでもなく、ただ姉に勧められるまま読んで号泣しました。
    歴史に抗うことが出来ずに大切なものを失っていくものの負けない巴と、歴史に最後まで逆らおうとする武蔵のそれぞれの戦いと恋が切なくて、特に木曽義仲が討たれる場面では分かってはいたものの辛くてぼろ泣きしました。

    今でも何回も読み返してしまう作品です。

  • 高校生のときに読みました
    平安末期の日本にタイムトリップするお話
    切なくて涙が止まりませんでした
    登場人物が日本史の授業に出てきて嬉しかったです

  • 過去に飛ばされた主人公と友人が巴御前と武蔵坊弁慶となって歴史上の戦に巻き込まれて行く話

    最後の二人の散り際が切なくて、何年も経った今でも心に残る話です

  • これまで読んだ小説の中で一番好きな作品。自分が歴史に詳しくないから歴史ものでも先が見えずに読めたというのも大きいかもしれないが、それを差し引いても素晴らしかった。
    欠点を挙げるならば、壮大過ぎて読むのに疲れるところ。

全182件中 51 - 60件を表示

著者プロフィール

作家・翻訳家。東京大学文学部卒。レコード会社洋楽部ディレクター等を経て作家に。
著書に『四日間の奇蹟』、『君の名残を』(以上宝島社)、『黄蝶舞う』(PHP研究所)ほか、訳書に『安アパートのディスコクイーン─トレイシー・ソーン自伝』、『フェイス・イット─デボラ・ハリー自伝』(以上ele-king books)、マット・ヘイグ『ミッドナイト・ライブラリー』(ハーパーコリンズ・ジャパン)、テイラー・ジェンキンス・リード『デイジー・ジョーンズ・アンド・ザ・シックスがマジで最高だった頃』(左右社)など多数。

「2022年 『ボクのクソリプ奮闘記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

浅倉卓弥の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×