世界から格差がなくならない本当の理由 (SB新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797389524

感想・レビュー・書評

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  • 安売り競争が格差を引き起こす=安さを追求する結果、グローバリゼーションが進展し、格差も広がっていく。
    安いものが欲しいという欲望と、それを利益にしようとする企業、それらが結果的に格差を生む原因になっている。

    東西冷戦の終了が格差の始まり=社会主義の拡大を恐れた西側が社会保障の充実に力を入れた。今はそのタガが外れたため、新自由主義が台頭した。

    いつの時代も格差はあった。格差は寄付で平準化する。

    ケイマン諸島のペーパーカンパニーを使って税逃れをしている。

    上位1%の収入が上がっている反面、90%の所得が下がっている。高齢化で働く人口が減ったから。
    子どもの相対貧困率の増加が問題。
    教育格差が悪循環を生む。

    小泉首相の構造改革(2001~2006)=労働者派遣法改正。
    橋本龍太郎の金融ビッグバン(1996~1998)

    自由競争に光と影があることが格差問題の一番の問題点。

    アメリカは寄付による再配分が盛ん。

    教育費の公的支出割合は日本はOECDの中で2番目に低い。

  • 「日本は貧しい人がますます貧しくなる」

    世界の所得格差が広がるのは資本主義が共産主義を恐れなくなったから。
    これは確かに言えると思います。
    冷戦が終わり資本主義の勝利で終わったので格差を恐れなくてもよくなりました。

    そんななか日本でも格差が広がります。
    日本の格差は貧困の連鎖にあると思います。
    貧困の連鎖は体格と教育に直結します。
    食べないと本当に身体大きくならないんですよ。
    また教育も親からの教育が期待できなかったら社会に期待するしかないんです。

    今の僕にはまだ何もできないですがその時のために力を蓄えます。

  • 池上彰が書いた、主に世界の金持ちについて書いた一冊。

    金持ちには金持ちの論理があるし、実際にその大部分の額を福祉や自身の財団に使っていることは知っていた。
    反面、金持ちのタックスヘイブンや、一部の金持ち市が独立したりなどという格差拡大に向けた動きもあり、一筋縄でいかないことがわかった。

  • タイトルは『世界』となっているが、アメリカと日本の話が中心。アメリカ長者番付トップ20の大富豪をざっくりと説明してくれたり、アメリカの金持ちが独立して市を作った話、グローバリゼーションによって低賃金で働かされている中国人、タックスヘイブン、アメリカの寄付文化、日本の子ども食堂、企業の内部留保、トランプ氏や安倍氏の政策など政治の話も分かりやすく面白かった。最後に「未来の日本のために私が最も大切だと思うのが、子供の教育格差の改善です」と言われていたのは同感。

    p205
    では、なぜアメリカではこんにも積極的に寄付が行われているのか。その理由の一つが宗教観にあるのではないかといわれています。アメリカにはキリスト教徒が多いですよね。キリスト教の新約聖書には、こんなことが書かれています。
    「金持ちが神の国に入るよりも、らくだが針の穴を通る方がまだ易しい」(『新約聖書』マルコによる福音書第10章25節より)
    キリスト教徒にしてみれば、財産を持っていたら天国に行けないのではないか。だから生きている間にみんな寄付しよう。こういう発想です。

  • 誰にでもわかりやすく書いていて、もっとつっこんだ話を知りたい人にはむかないと思う。
    あっさり読めた。
    結論がいまいちだったけれど、どれだけアメリカの長者が稼いでいるのかよくわかった。

  • レビュー省略

  • 「世界から格差がなくならない本当の理由」 池上彰
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    生まれた環境で、人生が決まってしまう社会―格差はいろいろな原因によって起きています。「原因はこれだ」「こうすれば解決できる」とは一概に言えません。たまたま生まれた家がお金持ちだったからいい教育を受けられる、あるいは貧しかったから教育を受けられないということではなく、どんな子供もスタートは同じにする。その後は、本人の努力によってそれなりの差が出るのは仕方がない。でも、まずはスタートを同じにする。そのために、私たちができること・やるべきことを本書で一緒に考えたい。
    「BOOK」データベースより
    ------------------------------------------------------------
    難しい問題だねぇ、格差社会。。
    超難問だわぁ。。

    格差をなくすことがいいのかといわれるとそれはビミョーだなぁと思うのよね。
    頑張ったら頑張ったぶんの報酬はほしいし、
    頑張ってない人が頑張ってる人より報酬をたくさんもらってたら納得いかねー!って思うし。
    巨万の富を築いてる人たちのロジックも基本はそれと同じなんでしょうね。

    とはいえ、度が過ぎるってのも実際あって。
    世界の富豪1%の資産合計は、その他の99%の人たちの資産合計と同じらしく、それを聞くとさすがに「えげつないな~格差」と言いたくなる。
    でも、それでも、大人の格差は正直ある程度は仕方ないかな~。
    自由と平等は両立しないし、両立しないなかで世界は自由な資本主義を選択したわけだし。
    だし、楽して金稼いでる人ってホントにとってもマレな存在で、世界の大富豪たちもチャンスを掴む運とか、ポジティブマインドとか、人真似じゃなく自ら考える力とか、不屈の執念とか、人の数倍の努力とか、多分一般人とは桁違いの熱量をもって動いてきた結果の大富豪だとも思うわけさ。
    だから単純に「金持ちはズルい」っていうのは違うのかなと。だってそれだけ頑張ったんだもん。(富豪に知り合いいないけど。多分。)

    でさ、こう言うと今度は「オレだって毎日必死で働いてるもんっ!」って文句を言いたくなったりもするんだけど、努力もさ~、ただ努力すればいいって話でもないと私は思うわけさ。
    適切な方向に向いてれば努力も効果を発揮するけど、自分で深く考えないであさっての方向に努力をつぎ込んでも全く意味ないだろうなぁって思うし。。。
    そこらへん雑多にしてあんまり深く考えずに「努力は報われる」とか言ってるからなんかおかしなことになる気がする。
    なので、富豪の富豪っぷりがいきすぎてる感はあったとしても、私はそれはそれである程度は仕方ないかなぁと。。
    うーん。
    でも、どうだろ。
    やっぱとはいえ、しんどいなぁ、普通の人も。 世の中の大半の普通の人たちみんなしんどいんだもんねぇ。
    それも残念すぎる。 
    あームズい。


    大人も大変だけど子供がもっと問題。 
    格差の最大の被害者は社会的弱者で選挙権も親を選ぶ権利もない子供。
    それがたまらなく悲しい。

    貧困には、衣食住にも困る「絶対的貧困」というのと、衣食住など日々の生活はギリギリなんとかなるけど、塾や進学のお金がない「相対的貧困」というのがあって、日本の貧困のほとんどは「相対的貧困」なんだそうです。
    一応100円あればパンも買えるから、死なない程度に暮らしたりってのはなんとかなる場合も多いけど、今の標準的な生活ってほとんどの人が高校大学まで進学するので、そういう意味で標準的な生活は望めない。モノは安く手に入るけど、サービスや教育へのコストはやはりべらぼうに高い。

    あと、貧困家庭の親は、親自身がもともと勉強が嫌いだったり、生活が困窮して相手をしたくても子にかまう余裕がなかったり、「人生、常に行き当たりばったり!!」な人たちも多かったりして(すべての貧困家庭がそうだというわけではありません)、もともと子供の進学や学習意欲に関して意識が低く、それが子に刷り込まれている、ということも多くあるそうです。
    なので、貧困は連鎖してしまいがちなんだって。

    根深いわぁ。
    悲しいわぁ。
    難しいわぁ。

    西欧諸国では大学まで無料っていう国もたくさんあるんだから、手っ取り早く大学まで無料にしちゃえばいいじゃん!と思う。
    全部は無理でも国公立大くらいは無料にすりゃいいのにね。
    金持ってないと進学できないってのがそもそもダメなんだからさー。
    他の国でやれてんだから絶対できないってわけじゃないしー。
    大人側に気合いとやる気が足りないだけで。

    公立の学校もさー、仕組みかえちまえばいいのになぁ。
    授業は全教科レベル別で学年も関係なくして、年齢問わず同じくらいのレベル感の人たちごとにしたほうが誰にとってもいい気がする。
    「クラスの団結!」とかがどうしても必要なら大学みたいにそれ用のクラス作っときゃいい話だし。
    全員無理に横並びにしようとするから軋轢が生じるんであって、そこの根底を変えてしまえば公立学校だって塾行かずにそこそこのレベルまでもっていけると思うんだけどなぁ。

    飛び級もokにしちゃえばいいんだよ。社会にでたら同じ年の人間だけで仕事することなんてないんだから年が一緒ってだけで1年間も同じクラス同じメンバーに縛られるの、よく考えたら変。


    あと最近思うのは、世界が誰も制御できないサイズ感になってるのがよくないのかなーとか考えたりもする。
    トランプさんの考え方って、全体的に「とりあえずアメリカさえ良ければいい」的な考え方だし、イギリスのEU離脱もそういうことじゃないですか?
    グローバリゼーションっつって世界の国境が経済的な面でフラットになりかけてたけど、なんかやっぱ無理があって、「あーもー無理~(T_T)」みたいになった国が各自都合いい感じに鎖国政策とってる的な雰囲気を感じるのよね。最近の流れって。
    江戸時代も、鎖国のおかげである意味長い間平和が保たれてた部分もあるしさー。
    国のサイズをコンパクトにして、各自、鎖国ぎみに付き合うのも悪くないのかなーとか思ったり。
    ま、無理か(笑)
    今のところこれがベストっていう答えはないし、現実無視して、妄想で色々考えるのは楽しいな~♪

  • 格差社会をよく理解できる。貧困、失業問題等を知るためにはこの本を読むべき。ニュースに出て来る単語についても理解できる。

  • 金持ちになりたーい

  • 二日で読み終わるくらい簡単に書いてあった。トランンプさんずる賢いねー。
    お金持ちの人がこれからどんどん増えていって格差が広がるのが一番怖いと思った。何か、私にできること無いかな、、、?

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