傑作! 巨匠たちが描いた小説・明智光秀 (宝島社文庫 「この時代小説がすごい!」シリーズ))
- 宝島社 (2019年10月4日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
- / ISBN・EAN: 9784800297181
感想・レビュー・書評
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【麒麟児たち】手っ取り早く#明智光秀 の補給を。著名作家たちの描く主人公は時には忍者であり、また別の話では忍者に教唆される役、美男子であるかと思えば、いやいや、ルックスは人並み以下であったとか。麒麟がたくさん来た感じ。
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気が付いたらこんなにあるの?っていうぐらいの「本能寺の変」原因○○説。それをいいことに次から次へと創られていく光秀像。でも読み物だから許される特権。あげくのはてには光秀忍者説。人蟹の術って・・・ やりすぎじゃないの?と思いつつそのユニークさにはまってしまう。
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本能寺の変の真実は、戦国最大の謎であり、多くの作家や歴史家が挑んできたテーマ。「なぜ光秀は主君信長を殺したのか?」
本書は、六人の昭和を代表する巨匠たちが、光秀を題材に描いた短編小説を収録した時代小説アンソロジー。本能寺の変の意外な真相や、知られざる青年期のエピソード、光秀をめぐる人々の運命など、巨匠たちの視点の違い、題材の切り口が面白くて、光秀への関心がさらに高まる。同じ人物を題材にしても、全く異なる人物像になることも。作者ごとの解釈を比較すると、とても面白いのである。光秀の生涯は謎に包まれた部分が多く、それだけ多くの作家のイマジネーションをかき立て、彼を通して戦国時代を透徹したかに興趣が尽きない。
柴田錬三郎の「明智光秀」のはしがきに、‘史実というやつは、よく読んでみると、歴史は、忍者によってつくられているということが、はっきりとわかります’、という台詞が登場する。全く新しい黒幕説として、上杉景勝と羽柴秀吉の隠密が共謀して本能寺の変を誘導したというもの。著者の筆力も加わってか、史実の定説として、要諦を穿っているようで、案外この説が「本能寺の変」の真相のように思えた。