- Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
- / ISBN・EAN: 9784803001662
感想・レビュー・書評
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姉、40代。未婚。しっかり者でいつも弟の世話を焼く。持ち物には必ず自分の名前を入れる。
弟、30代中盤。未婚。極度の人見知り。姉には頭が上がらない。元カノの事をひきずっているとか、いないとか。
2人は一緒に暮らしている。
とっても仲がいいわけでもない。性格も正反対で、つかず離れずな関係。でも、互いのことをなんだかんだで思いやっている。
間違って届いた葉書を届けてあげるとか、特売品を狙ってスーパーに行くとか、たいした事件も起きないけど、姉弟の距離感がいい。
ほっこり、あったかい気分になれるお話です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
東京の片隅で暮らす姉弟。
何気ない日常に反発しながらもお互いを思いあう気持ちが感じられる。
作者が脚本家・演出家であるし、既に映像化が見込まれているのだろうか? -
好きだわ この本
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40代になったばかりの姉・より子。
30代半ばの弟・進。
古い一軒家で二人暮らし。
性格は正反対な二人だけど、お互いがお互いを信頼し、適度な距離で思いやっているのがいいなと思った。
作者は脚本家・演出家だからか、映像が浮かびやすい。
もし映像化するのなら、「小野寺の姉ちゃん」より子は片桐はいりさんで。 -
表現がほんの少し遠回りだが、嫌な感じじゃない。
そういえば、弟の仕事ってー? -
ドラマ『魔王』や『怪物くん』の脚本家の方の初?小説。
40代に入った姉と30代中盤の弟の二人で暮らす日々のあれこれが、淡々と描かれてるんだけど、読み進むに連れて、じわじわときた。
不器用だけどお互いを思いやってる様が何か温かくて。
良かった!! -
子どもの頃に両親を失い、東京の一軒家で暮らすアラフォーの冴えない姉弟。
時にはうざく感じながらも、お互いを思いやって暮らしている空気感が絶妙で、こんな感覚の小説は珍しかった。
大きな事件が起きる訳でもなく、日常の本当につまらない出来事が連なるだけだが、姉と弟の視点の話が交互に入れ替わることで、一方の目では見えていなかった事実が明らかになったりするところはドラマチックで面白かった。
著者の職業は脚本家で、本作は小説としての処女作らしい。今後も楽しみだ。 -
自分の名前を見かけると嬉しくなりはしないだろうか。僕はどちらかというと嬉しくなるタイプの人間だ。埼玉西武ライオンズに「小野寺」っていうピッチャーがいて抑えをやっていたんだけど(今もやってるかどうかは定かでない)、彼が出てくると嬉しくなったものである。球場に響き渡る「ピッチャー○○に代わりまして......小野寺」堪りません。別に僕は西武ファンでもないし、ましてやその小野寺投手のファンでもないのだが、小野寺がコールされるとまるで自分の親戚のように応援してしまうのである。見事セーブポイントを挙げて、その夜のスポーツニュースで[S]小野寺という表記を見た時には、まるで自分がセーブポイントを挙げたがごとく誇らしくなったのだ。
本書を手にとったのも同じような理由による。自分の名字がタイトルの一部に使われているなんてことはこれまで見たことがなかった。だから、親戚の姉ちゃんと弟の話なんだろーなという体で読んでみたのだ。そんな親近感が功を奏したのか、サクサクと読み進めることができた。なんのことはない。小野寺家の日常が描かれているだけだ。人によっては地味だという印象を受けるかもしれない。だが、彼らの濃いキャラクターがそんなイメージを吹っ飛ばしてくれる。
小野寺の姉:40代前半、風水好き、体動かしてないと死ぬやばい。
小野寺の弟:30代半ば、人見知り、インドア派、調香師。
シュールな笑い。じわじわくる。最後はちょっと切ない姉の失恋。でも、その傷を癒してくれる弟の優しさ。この姉弟らしい終わり方である。弟と姉の視点で話が進んでいくので、お互いの心情を知ることができて良いです。文句を言いながらも、喧嘩しながらも、心の中では互いを思いやっている優しさが描写されています。「栞の話」と「差し歯の話」、そして「姉の失恋の話」に目頭が熱くなりました。
40代女性、姉弟がいる方に読んでもらいたいです。